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2013-08-08(Thu)

『乙女理論とその周辺-Ecole de Paris-』感想

2013年7月26日発売のNavel新作『乙女理論とその周辺』を応援しています!
メーカーNavel発売日2013年7月26日
ジャンル恋愛ADV企画Navel
シナリオ東ノ助、王雀孫、森林彬、真紀士音楽Arte Refact(BGM)、アッチョリケ(歌)
原画鈴平ひろ西又葵羽純りお(サブ)評価A+(S~E)

観劇、乙女理論とその周辺
第二章 第一幕
『Fragile』
月に寄りそう乙女の作法、その中では至らなかった道。楽園のような環境から追い出され、舞台は日本からパリへ。知る人もなく、頼れる人もなく、自分のいる場所は自分で作らなければならない環境。守るべき存在、自分のためではなく誰かのために、大切な誰かのために。武器は桜屋敷の美しき日々、歩む中でみつけた小さな花々、目指すは手を取り歩む遥かな空。逃れられない宿命があろうと、立ちはだかる悪意があろうと、それでも前へと進んでいく。羽ばたこう。



『月に寄りそう乙女の作法』のファンディスクではなく、続編に位置する作品。『月に寄りそう乙女の作法』のバッドエンドから続く物語。舞台を日本からパリに移し、キャラクターをほぼ一新し、前作では非攻略キャラだった妹であるりそなが攻略キャラになっていることが大きな特徴。限定版には前作のアフターシナリオ、主人公・小倉朝日ボイス化パッチのアペンドディスクが封入。

前作は萌えゲーアワードでこのままだと年間一位(8/7)をとれるという評価を得ている。その続編が出るということで期待されていたと思うが、その期待に応える出来にはなっていたと思う(一部擁護しようがないほどの出来があったとはいえ)。特にりそなルートは前作のルナ様ルートと比べても全く遜色ないほどのものだった。
攻略のアドバイスとしてはエッテは絶対に最後に回しちゃダメですよ。(要するにエッテルートがアレ

今作では女装主人公であるという部分は変わらないが、そのジャンルからは少し距離をおいている。日常会話などで女装という要素をネタにした展開は多くあるが、全体から見ると女装という部分は大きく関わってこない。それは女装主人公のギミックを何度も用いていたら飽きが来るという理由だろう。『女装』という要素は、今作では『大蔵家』という要素に置き換わっている。ただ、服飾という部分は変わっていない。
前作がほぼ主人公の意思のみで女装をしていたのと違い、今回の女装については主人公だけの意思とは言いがたい。りそなの横に立つため、りそなと二人で支えあうため、と理由には「りそな」の存在が関わる(主人公自身の意思も当然あるのだが)。だからどんな時でも朝日はりそなの横を離れず、りそなが自分で作った居場所を守ろうとする。ゲーム序盤から「りそなゲー」であることが決まっていたようなもの。ということで、素晴らしいりそなゲーでした。

前作が好きだった人は是非やっておくべき作品ですね。ルナ様がいない世界は認められないとかいう人でもやっておいた方がいいと思いますよ。アペンドディスクもありますし、ね。
参考にプレイ時間なのだけれど、『月に寄りそう乙女の作法』より三、四時間短かった。ただ、アペンドディスクも含めると『月に寄りそう乙女の作法』を超えるプレイ時間だった。

乙女理論とその周辺~Ecole de Paris~ -Limited Edition-乙女理論とその周辺~Ecole de Paris~ -Limited Edition-
(2013/07/26)
Windows

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続きからは詳細感想……なのだけれど、基本いいところも悪いところも前作と変わらないかな。 このエントリーをはてなブックマークに追加
◇音(BGM、音声等)◇

このOPムービーだけれど、乙女理論とその周辺という作品の内容をかなり描写してる。歌詞ではそういうの多いけれど、ムービーとしてはあまりそういうのがないので、これは貴重。前作の青い鳥=主人公を引き継いで、りそな=蝶。パリの景色が窓となり空へと続く扉となる。クリア後に見ると非常に納得がいくもの。

好きなBGMは地下アトリエのパリジェンヌ(たち)、DESIR(DESIREのインスト)。


◇グラフィック・演出◇
前作から変わらず演出が弱い。エッテに性別がバレるシーンではしっかりとした演出があったので期待していたのだけど、結局肝心な部分では変わっていなかった。朝日とエッテのCGを切り替え、表情にフォーカスし、変化を見せる。これだけで愉快シーンになるというのに……。その演出がどうして他で出来ないのかと。シナリオが長いために演出に手が回らないというのならば、それは残念だけど、同時にしょうがないことと諦める。けど、せめてショーのシーンはもっと気合入れた演出ほしいよ……。

『月に寄りそう乙女の作法』から何が起きたのかわからないけれど、西又さんキャラが超進化を遂げていた。何が変わったのかがわからないのだけれど、メリルとエッテの二人がすげえかわいい。それに、鈴平さんの絵に寄ったというか、全体のしての統一感が上がっている。ただそのせいか、逆にアペンドの方では違和感があったけれど。

好きな絵は花の舞う公園を走る朝日とりそな、りそなラスト、ドレスメリル、シャワー朝日、三兄妹、ルナ様。これらの場面もいいので、絵を入れるべき点にはちゃんと入ってるということがわかる。


◇シナリオ・構成◇
りそな>>>メリル>>>>>エッテ
りそな、エッテ、メリルの三人+二種類のルートがあったのだけれど……エッテのルートは……いやこれ以上言うのはやめよう。いろいろな所で言われすぎている。

今作も前作から変わらず丁寧な描写を積み重ね、落とすところは落とし、上げるところは上げるという基本的なことが非常によくできていた。自分はやはり「認められる」「信じる」という行為が好きで涙腺にくるので、このシナリオが大好き。周りから馬鹿にされた目で見られていたメリルが認められるシーンだったり、りそなに手作りの服をプレゼントするシーンだったり、三兄妹の壁が取り払われるシーンだったり。衣遠兄様から信頼を得られた時には、本当に嬉しかった。前作では結局強制的に認めさせるだけで、衣遠兄様という存在に踏み込まなかったから、余計にあの瞬間が感動的になっていた。

前作が服飾を武器にし、立ち向かうものとして衣遠がいたけれど、今作では立ち向かうものが大蔵家というより大きなものに変わっていた。衣遠が実力主義という部分があったから服飾という武器が有効だったけれど、大蔵家を相手にした場合は服飾だけではちょっと攻撃力が足らなかったかなあと思う。服飾という武器が通用するだけのお膳立てはちゃんとされているのだけれど、最後がトントン拍子に行き過ぎてる気がしてしまう。だけど実際二人の武器は服飾しかないわけで、もともと持ってる純真な心というのも武器ではあるのだけれど、それは関係を重ねていかないと意味が無いものだから。

中盤最大最高の盛り上がりでああるルナ様が現れるシーンは自分のエロゲ史に残るほどの名シーンとして記録しておく。手詰まりになり、考える時間すらないという場面で登場するルナ様。あの瞬間に涙が止まらなかった。ルナ様を裏切ってしまったという罪悪感と、今ここで出てきてくれた安心感、多くの感情が心の中で嵐となった。前作のヒロインを出すというのは使い方を誤るとバランスが崩壊するのだけれど、今作はうまくまとめていた。あくまでも手伝うのは時間稼ぎ。そして一時の安息と背中を軽く押してくれる行為。ただそれだけで、そこからは遊星とりそなが二人で考えて歩んでいく。

終盤では、大蔵家という大きな話ではなく、身近に存在した『悪意』との戦いに移る。ここも上手い点で、話を大きく大きくするのではなく、本来の目的である学院で三年間過ごすことの試練としての展開だ。だから立ち向かうのは学生である遊星とりそなの二人。そして今までの時間を過ごした者達。優しく見守ってくれる者、先輩として支えてくれる者、学ぶものとして一心不乱な者、ひたむきな姿に心打たれた者。この戦いが終われば、もうこの二人は大丈夫という安心感が試練の前に得られている。

ED後のラストはこれからの日々を勝ち取り、今までの日々を取り戻していくという意味で最後にふさわしいものでした。そして最後までドヤ顔を忘れない怠惰な妹りそなに乾杯w

しっかし、りそなは面白い>かわいいキャラだったのだけれど、プレイ後は面白い≒かわいいキャラにまでなりましたねw そして駿河とアンソニーという新キャラ二人の魅力もバッチリ。というか、男キャラがいい意味で目立っていていいね。学園エロゲにありがちな悪友ポジじゃなく、いい男キャラとなるとあまり見かけないこともあり余計に良いキャラに見えた。多くの人にはどうでもいいですが、ヴァリーさんがなんかすげえ好きです。


◇まとめ◇
前作『月に寄りそう乙女の作法』に続き素晴らしい作品だった。日本からパリへと舞台を移し、登場キャラも一新させ、前作キャラの使い方も非常にうまい。前作とは違う展開をしっかりと構築できていたのも特筆すべきてんだろう。けれど、前作の悪い点をそのまま引き継いでしまっていたのは残念。前作が出てからあまり時間がたっていない(9ヶ月)のが原因なのかわからないけれど、そこは時間がかかってもいいから改善して欲しかった。

ただやはり買って損はないし、プレイ後には「やれてよかった」という気持ちが心に芽生える。『月に寄りそう乙女の作法』の続編として、やるべきことをしっかりやった優秀な作品として記憶にとどめておきます。

【関連リンク】
『月に寄りそう乙女の作法』感想 ~桜舞い月光照らす青き鳥~
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