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2013-08-08(Thu)

『月に寄りそう乙女の作法』感想 ~桜舞い月光照らす青き鳥~

2012.10.26発売のNavel新作『月に寄りそう乙女の作法』を応援しています!
メーカーNavel発売日2012年10月26日
ジャンル恋愛ADV企画Navel
シナリオ真紀士、王雀孫、東ノ助、森林彬音楽Arte Refact(BGM)、アッチョリケ(歌)
原画鈴平ひろ西又葵羽純りお評価A+(S~E)

Navelの10周年記念作品として2012年に発売されたゲーム。Navelも新しいブランドと思っていたら、もう10年たってたとは。
Navelといえば、一作目である『SHUFFLE!』、そして『俺たちに翼はない』が大ヒットしアニメ化もされてる。約二年ぶりの完全新作ということで期待されていたと思うけど、世間の評価を見るにしっかりとその期待に応えた作品になっていたようですね。プレイした感想としても十分に素晴らしい作品でした。
企画自体は真紀士さんの持ち込みで、大本がありそこにNavelらしさをNavelのライター陣が付け加えていったということらしい。原型はどの程度残っているのか、誰が誰ルートを担当したのかとか今いろいろ言われているけど、そこら辺は気にせず感想いきます。

このゲームをプレイするきっかけについてちょっと話しておくと、2013年のエイプリルフールで続編にあたる『乙女理論とその周辺』の宣伝もあって、『衣遠兄様の華麗なる一日』なる動画がアップされた。それが異常に面白かったので興味を持ち、体験版やって「これは……神ゲーかもしれない……」となって購入にいたっておりまする。

プレイした率直な感想は、泣き、笑い、悲しみ、怒り、何度も何度も感情を動かされる作品でした。途中手に爪の跡がつくほど強く拳を握っていたり、プレイ終了した時には机の上にはティッシュが山になっていたりね(笑) 

評価に関しては『A+』としているけれど、シナリオ単体で見れば間違い無く『S』。シナリオごとに出来に差があったり、演出が微妙だったり、ラスト付近にちょっと違和感があったりと、悪いと思う点はちょこちょこあるけれど、圧倒的に面白い。ただ『S』にはどうしても足りないものがあったのだけれど、それは詳細感想で。

『乙女理論とその周辺』限定版に付いてくるアフターストーリー、『乙女理論とその周辺』に関しては別記事で。


落とすところは落とすけれど、明るい雰囲気がずっと続くので基本的に多くの人におすすめできるタイプの作品になってます。今までNavelの作品をやったことがないという人でも大丈夫。自分がまさにNavel初作品がこれなので。主人公が聖人のような人間なので、そこが鼻につかない人、少しMっ気がある人にもオススメしておきたい。
まあとりあえず体験版をやってみましょう。体験版を楽しめたのなら、間違いなくその後も楽しめる。

月に寄りそう乙女の作法 -Standard Edition-月に寄りそう乙女の作法 -Standard Edition-
(2012/12/21)
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◇音(BGM、音声等)◇

OPであるDESIREはアッチョリケさん作曲の中でも1、2を争うほどの名曲。これを聞いているだけで涙がでるほど。ただ、挿入歌、EDは弱いと感じてしまうかなあ。

好きなBGMはですわポルテ、愛を拒み覇道をゆく天才のテーマ、愛と追憶の何か、Philia X'mas Collection 、「ああ楽しかった!」。場面を思い出すBGMが多かった印象。ギャグ、真面目、しっとり、いろいろな場面をしっかり盛り上げてた。

アペンドで追加された朝日の声だけれど、男声と女声の使い分けが巧みでした。ただし、エッチシーンが微妙だったということを言っておきます……違和感が……


◇グラフィック・演出◇
『S』ではない理由の一つがこれ『演出』。普段の立ち絵の時もそうだし、ここぞという時(代表としてショーの時)の演出がチープ。ノベルゲーに関しては自分は基本『人形劇』という例えを使うのだけれど、この作品の場合は『紙芝居』が適切と思えてしまう。
例えばユーシェシナリオのショー。足を見せる、ステージギリギリまで行く、という描写はあるのに、その行動が絵にはあまり反映されてない。肝心の「エーデルワイス」に関しても、絵での「エーデルワイス」の主張は弱い。一枚絵だけでエーデルワイスを主張して欲しいというのではなく(そもそも一枚絵で主張させると、場面としておかしくなるから当然だけれど)、「ここを見て」と言わせるだけの何かが欲しかった。アップでもカットインでもいいけど、カットインのほうが場面に合うはず。他に花が落ちる演出でもいい。そういう『説得力』のある演出が全体的に欠けている。

脱線するけど演出で思い出す作品といえばminoriの作品とDEARDROPS。minoriに関しては作ろうと目指しているもの自体が違うと感じるので並列には扱えない。けれどDEARDROPS、そのライブシーンの演出の持つ力はすごい。ライブの熱く震える空気感を体に伝えてくれる。文章、音楽、絵、そしてそれをつなげる演出。これらが合わさり、単体では得られないほどの感動を与えてくれた。演出の力とはそれだ。単体では得られないほどの感動を伝えてくれる。

それと細かい所で言えば、クリア後タイトル画面に戻る時に「Navel」とキャラのボイスが入るけれど、そこはクリアしたキャラの音声にして欲しい。自分で言っていて細かいことだと思うのだけれど、クリアの余韻に浸るためにもそこは譲れない。

演出に関しては本当に残念なレベルなので、どうにか改善していって欲しい……。


グラフィックというか、設定にも関わることだけれど、ルナ様の白い肌と髪、赤い目というものが特異なものとして描写され、金髪碧眼のユーシェが外国人として描写されているならば、他のキャラも現実に則った色にするべきだと思うんですよね。湊、北斗がいることで作中のリアルがメッチャぶれている。これはちゃんと統一して欲しい。

好きな一枚絵は、ルナ様初登場、ルナ様と水着で遊ぶ、ルナ様の添い寝、ルナ様猫耳、ルナ様ショーのラスト、月あかりに照らされるルナ様、ベッドでのユーシェの涙、ユーシェ水着シーン、瑞穂ショー衣装(和装)
ルナ様多めなのは文句を受け付けない。


◇キャラクター◇
魅力的という言葉で表しきれないほどの魅力を抱えたキャラクターたちだった。中でもルナ様と衣遠の二人については、一生忘れないほどのキャラクター。

キャラクターとして衣遠の造形は素晴らしいものがある。やっていることはどう考えても外道であり悪。描写されてないものも含めたら、嫌われるもの当然だし、怒りをぶつけない遊星を理解できないというレベル。だけれども、その行動の裏には理由が存在し、確固たる信念を持っている。それでいて、完全なる実力主義なので、今までがどうであっても実力という面では公平という信頼もある。そんな中でも遊星に対しても本当は愛しているのではないか、と思わせるような行動がある。声を担当するのは鳩万軍曹さん。「屑がっ!」の迫力だったり、悲しげな感情を見せる際の憂いのある声だったり、衣遠というキャラクターの魅力をグッと上げている。ナイスキャスティング、この人しか考えられない。
大蔵家なんてものがなかったら、誰が見てもいい兄(過保護ではあるだろうけど)になっていたのかもしれないと妄想してしまう。

ルナ様もそんな衣遠に負けず劣らずのキャラクター。本当は誰よりも優しいからこそ他者を拒絶し、他人を信じたいけれど信じることができない。遊星と同じ歪んだ幼少期を持ち、その歪みをうまく受け入れている。尊大な態度を崩さないにもかかわらず、たまに見せる主人公への信頼が心を打つ。普段は理性的にもかかわらず、追い詰められるとワガママになるというのもポイント。ゲームをやっている際には、ルナ様からなにかしてもらえるというだけで嬉しくなっている自分がいた。

他はユーシェ、サーシャのボケ主従。七愛のドギツイキャラが好きですわ。


◇シナリオ・構成◇
シナリオとしてはルナ様>ユーシェ>>>瑞穂>湊という感じ。それぞれのルートで明確に差がついてしまっているのは残念。全てを高クオリティにとは言わないけれど、だらだらした感じは出さないで欲しい。けれど、絵に関してはルナ様に集中してたらよかったのに。


女装主人公に服飾、主従関係という要素によって構成されたこの作品。誰かのために生きること、「ああ楽しかった!」という言葉で人生を語れるような生き方をすることを柱とした主人公。

「心をこめて作ったものには魂が宿る」作中での服飾というものの扱いはまさしくこれ。自分の思いを伝えるために一針一針に気持ちを込めて、一つの服として仕上げていく。ただ思いを伝える相手がヒロインだけでなく、衣遠でもあるというのは思い返してみれば苦笑してしまう部分ではある。そして、夢を描くデザイナーと夢を形にするパタンナーという役割分担もハマっている要素だ。主人公が「誰かのために生きる」ということを柱にしているので、デザイナーの夢を形にするパタンナーへとその歩みを向かわせるのは当然とも言えること。誰かの夢を自分自身の夢とすることができるのが主人公の美徳がここで現れる。デザイナーとパタンナーという関係が恋愛関係と結びつくということを考えると、美少女ゲームにピッタリの要素だった。

女装主人公というジャンルだが、自身の秘密がバレるのではないかという恐怖により日常ですら綱渡りへと変換させる。女子校でのたった一人の男性という、そもそもの日常を非日常を含んだものへと変化させてしまう。さらには女装という羞恥心を煽る要素で主人公の恥ずかしいを楽しむ。主人公をヒロインのような可愛い容姿にすることによって、人気キャラの一人にすることもできる。女装主人公という要素があるだけで、いったいいくつの利点が生まれるのだろうか。女装主人公ものとはなんと奥深い。

自身に女装という偽りを抱え後ろめたさを抱えつつ、ヒロインたちと信頼関係を築いていく。けれど、その偽りを知ってもなお受け入れてくれるヒロインたち。信頼関係というものは誰もが憧れるものだ。恋愛関係というものが多くの憧れを集めているのは生物的な男女の関係というのもあるだろうが、信頼関係という部分も含まれているだろう。そして、このゲームでは信頼関係を結ぶのには高い壁が初めから用意されている。それは性別と主従。その高い壁を超えた信頼関係が結ばれる時、通常の信頼関係では得られないほどの感情が胸にあふれるのであろう。ルナ様のルートが素晴らしいのは、性別と主従という壁が取り払われる前に、「不純な関係」として愛を育んでいくという点だろう。
また性別について誰か一人だけが知っているとなれば、秘密を共有する深い関係となる。また、多くの人が知ることになるならば、それを受け入れてくれた多くの人への信頼という点で感情が揺れる。
女装という偽りを抱えた主人公についても、今作ではそれが自分の意志(わがまま)であるがゆえ、多くのシナリオで弱点として扱われるのも正しいことだろう。嘘をついていたことに対しての報いであるし、そもそもが犯罪でもある。だから、その弱点を突かれても揺るがない関係を構築していたルナ様ルートがやはり光る。

大胆な展開などがあるわけではなく、ただ一つ一つ丁寧に展開を重ね、時に落とし、時に上げるのは、まさに裁縫という感じですね。武器は信じる心、そして愛情。その美しさを抱えた主人公は、ムービーでは幸せを運ぶ青い鳥として描写されている。何かにうちこむ人間は美しい。信頼で結ばれた関係は美しい。


◇まとめ◇
とても素晴らしかった。ほんとうに素晴らしかった。これからもずっと覚えているゲームになることは間違いない。多くの人にオススメできるタイプでもあるので、いい作品をプレイできましたわ!
これからNavelというブランドにも注目していかないといけませんねえ。

ただやっぱり最後、ダメ押しの一撃があれば本当に今までで最高のゲームになっていた可能性があるだけに、非常に残念。演出、挿入歌、終盤のシナリオ、三点が改善されたら本当に神ゲーと呼んでいいものになっていた。

ということで、『月に寄りそう乙女の作法』そのタイトルの意味を感じつつプレイして欲しいと思える作品でした。夜空に浮かぶ月を見る時にはこの作品を思い出すでしょう。

【関連リンク】
『乙女理論とその周辺-Ecole de Paris-』感想
月に寄りそう乙女の作法 レビュー(nix in desertis)
『月に寄りそう乙女の作法』 感想(哀しみの機械)
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