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2012-07-01(Sun)

「山内重保×細田守 デジモンアドベンチャー・プラス」行ってきた

新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 28
山内重保×細田守 デジモンアドベンチャー・プラス

【トークショー[1]】山内重保さん、相澤昌弘さん(作画監督)、辻田邦夫さん 司会:小黒祐一郎さん(アニメ雑誌編集者)

デジモンアドベンチャー(1999/東映)監督:細田守
デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(2000/東映)監督:細田守
デジモンアドベンチャー02 前編・デジモンハリケーン上陸!!/後編・超絶進化!!黄金のデジメンタル(2000/東映)監督:山内重保

【トークショー[2]】山内重保監督 司会:小黒祐一郎さん

も~っと!おジャ魔女どれみ カエル石のひみつ(2001/東映)監督:山内重保
時をかける少女(2006/角川)監督:細田守



行って来ました。一応トークショーのレポ作っておきます。無断転載禁止。当たり前の話ですが、録音などしていないので記憶で書いてます。なので間違いもあるだろうし、個人の印象が入っていることもわかった上で読んでください。誰が言っていたのかは特にあやふやなので、基本名前は書かないでおきます。すいません。でも、言った人間違えてると大事になるので。あと、文章として変な部分も見逃してくれると嬉しいです……


トーク第一部
デジモンは仕事を受ける前から見てはいた。けんみのあるアクションが見たくて。デジモンの仕事はずっと来ていたんだけど、断り続けてた。で、断りきれなくなって作ることになった。すっごく大変だった。時間がない。一度シナリオ作ったけど、上から却下された。『50週年記念作品がこんな暗いのじゃダメだ』みたいな感じで、作り直しを余儀なくされた。普通だったら絶対に間に合わないような製作期間で作った。そんな製作期間でどう完成させるかとなった時、パート別作画監督を立てたり、人を集めたりとかするしか方法がなかった。で、時間がないから3D使うなって言われて、その分浮いたお金を作画に使った。

山内さんが大きいのやると伝説になっていくんですよね。タルるートでは60分以上の映画は東映で初めてで、それなのに実質の製作期間は三ヶ月だった。山内さんには家にこもって絵コンテ切ってもらって、見張りを立てて、出来上がったところから作っていく感じでした。山内さんはコンテ切る時、頭から作っていくんじゃなくて、印象的なラストシーンからとか切っていくので、最後にトータルのイメージが出来上がる。カットされるシーンが必ず出てくる。コンテから尺調する時間がないから。

山「長くなるのはシナリオが……」

02は芸術的な作品ですよね? 細田さんの作品と対を成すような作品です。独特な雰囲気を持っている。細田さんと話をして、細田さんが「自分に一番無いところがある演出」と言っていた。
スタイリッシュとか明快じゃないのだけど、明快以上のことをしようとしてる。

02のシナリオ自体は単純なのに、コンテで謎になる。タルるートで、コンテからシナリオ起こしてって言われて、それをシナリオと比較してみたら、同じだった。言った人は違うところを探して、「違うじゃないか」と言いたかったみたい。シナリオが単純なのに、コンテで謎になっていくのはウテナの劇場版と同じですね。

後半はどういうつもりでああなったんですか?

山「後半は普通のアクションです」

(周りは「え?」と言った反応)

バンダイの云々で、キャラを出してくれ、進化しなくちゃいけない、とかあって。バランスが崩れちゃってバトルだけになった。敵に関してはやられるなら一発でにしたかった。
(ここでアクションなどについて解説が入ったのですが、ちょっと説明するのが難しいです。なので、後で話されたことと混ぜて解説します。例えばダンスするシーンで相手の手を取るという演技があったとして、その手のとり方は嬉しくて握るのか、嬉しいんだけど握れないのか、そういうちょっとした動作を考えながら描く)

おてだまに関しては山内さんの注文。弄ぶ感じ。ただお手玉するだけじゃなくて、手で重力を操ってだとか面倒な注文が入って軽く弄ぶんじゃなくて、重く弄ぶんだって。そのシーンだけで打ち合わせした。
負ける流れに関しては悲惨にしたかった。
チョコモンは怖いよね。チョコモン≒山内さんなんじゃないかと。
山「何言ってるんですか、いつもニコニコ山内ですよ」
いつもニコニコしている分怖いんですよ。
要求値が高いという怖さだけじゃないんですよ。

山「いま見てみると、作りきれてないなって思う部分があった。時代が違うっていうのもあるんだろうけど、今だったらここはこの色にするのにとかがあった。それと精一杯ですといっているように見える」

ドラマCDは最初やろうとしたシナリオほぼそのまま。舞台がニューヨークなのは変わらない。取材に行きたかったから。まあ行けなかったんですけどね。シナリオとしては、季節がいきなり冬になってそこから抜け出すというもの。おんぷちゃんの声の人が出てきて、実はそれが悪いデジモンでというもの。本当はドラマCDもかけて欲しかったんだけど、JASRACとかの許可をどう取るのかがわからなくてかけなかった。

(ここで劇場版02の話題に戻る)
後半1/3ぐらいは仕掛けを作る余裕がなかった。美術設定を作ったぐらい。コンテを切り終わった後特に仕事をした気がしない。
同時上映の#のほうが先に制作終わって、そうしたら作画監督が一人拉致られて、缶詰にされたとか。

最後撮影の時に、OKテイクとリテイクが混ざっちゃって、それをまとめていった。撮影部屋と距離が7メートルぐらいしか離れていないのに、1カット送るのに30分とかかかった(これはデータの話?)。時間ギリギリまで頑張ったけど、すべてのカットがOKテイクになっているわけじゃない。

ここからは作画の話。
顔合わせの時点で、「時間がヤバイ」という話から始まってどうするのかの会議だった。呼べる人をかき集めて、どうするかだった。パート作画監督立ててとか、9人の作画監督とか。アニメージュ見て、そこから人を選んで電話していった。とりあえず名前が乗ってるぐらいだからちゃんとした人なんだろうということで。全く面識のない人にもかけまくって、その人がやった作品見てもいないのに「あの作品見ました。すごかったです」とか言っていって、そうしたら10人中何人かの割合で引き受けてくれた。それは人望もあったのかもしれないけど、細田さんが今まで作り上げたデジモンブランドのおかげだったと思う。デジモン以前と以降では画面作りが変わっていて、東映はなにかやろうとしているという認識があって、それに助けられた。
時間がないのに絵のトーンが統一されているのは、○○さん(忘れました)がこことここを直せば大丈夫って適切な指示してくれたから。時間がないっていうのをわかっているから、短時間でも似せられる方法をとっていた。当時シナリオの全体とかをちゃんと詠懐しているのはたった二人しかいなかった。

花より男子のダンスで絵が「少女」だった。今回花より男子も上映しようと思ったんだけど、フィルムがなかった。ネガはあるんだけど。映画は単体でソフト化されていなくて、DVD-BOXについてます。

山内さんのテイストはどこからなんだろう。聖闘士星矢の劇場やった時から少しずつ? ジャミアンの話で、さおりさんが連れ去られるところとか。楽しい顔をしながら、悲しい心とか。言葉で言うのならば耽美?

謎の彼女Xは素晴らし。あれは原作からだけど。

ピンドラは集約してあった。監督から、この話を山内さんに任せようと思うんだけどって言われた時は完璧の選択だと思った。

山「細田さんは1作目のデジモンが本来の色で、最近の話はそれを隠しているように見える」



トーク第二部
山「自分が作った作品は見ないんですよ。DVDとかも家にないし。絵コンテとかも捨てちゃって、ソフト化する際に集まった時コンテを捨てたと言ったら怒られた」

(ここから02の話)
山内さんはこの当時つらいことでもあったんですか?
山「いや、別になかったですよ」
明快にやっていれば最後の音楽も違うんだろうけど、なんかもう暗いままでいいんじゃないかって思ってああした。
この映画はチョコモンが主人公なんですよ。パワーアップしたみたいな説明をキャラがするシーンがあったんですけど、本当は言葉での説明は避けたかったんです。でも、あれがないと何が何だかさっぱりわかんなくて、言わせるしかなかった。
この映画で大輔たちは勝ってないんですよ。チョコモンが主人公で、俺を倒せって。チョコモンはずっと一人で、他のデジモンたちがみんな子供たちと一緒に育っていったのに、チョコモンだけが一人寂しい冷たい世界にいて。この映画は最後だけが救いなんですよ。でもあの卵から全然違うものが生まれたりね(笑)(もちろん冗談ですよ)

(ここからカエル石)
唯一楽だった。尺が短いから。コンテも中身もちょうどいい。まあ作っているときに悩みはしたけれども。主人公たちがいっぱい出てくるのが嫌で、焦点を当てなきゃいけないから。おジャ魔女はみんなが主人公と思って描いた。デジタルは雨とかに使えた。
こっちはロケハンに行かせてくれた。夏の映画なのに、冬の雪が積もっているときにロケハンに行って、一人写真を撮るために先を歩いていて、そしたらザクザクズボッ!って姿が消えて、それはそこが川だったからなんだけど、心配したけど本人はすぐに出てきて大丈夫だった。いろいろ写真もとったんだけど、帰りに写真集を買って、それを参考にしました! 飛騨牛は毎日食べてました。

山内さんはどれみ愛に満ちてますね。
普通の芝居の映画がやりたくて。
どれみのキャラでランキング作ると愛ちゃんが最下位なんですけど、一番芝居をつけちゃった。妹ははっきり言って邪魔だった(笑) いるんならちゃんと持ち場に付けないといけないから。
音楽もきちっと乗せて、そのせいで撃術映画にまたなった。
可愛いって表現しかできなんだけど。作っていて面白かった。
歌は、人夏の思い出というものを入れ込もうとした。


質問コーナー
02のEDがスタンド・バイ・ミーというタイトルを冠していますが、参考にされたのですか?
全く参考にしていません、というよりも、他の作品をめったに参考にしない。自分の引き出しから出す感じで、悩めばなにか出てくるだろうという感じ。

(この質問は書けませんw)
チョコモンの強さはかわいそうというところから。共感持っちゃうと寄る。ずっとチョコモンかわいそうと思って作っていた。

上映されたものと、ソフトになったものはカットが変わっている部分があるのですが、何か意図はあるのですか?
ないです。たぶんそれはOKテイクとリテイクが混ざっちゃっていたのでミスです。たぶん上映されたものがただいいはずです。

アバンでチョコモンが消えてしまった理由は何ですか?
わかんない。作っていた当時はあったんだと思う。チョコモンは弱かったから、グミモンやウォレスならなんともないものにも影響を受けてしまったのかと。

戻りたい、戻りたいと時間に関しての台詞が何度も出てきましたが、それは製作状況とリンクしていますか?
リンクしてないです。それリンクさせておけば面白かったかもしれませんね。

ウォレスがデジヴァイスを持っていて、デジタルワールドに行ったことがないのはなにか理由があるのですか?
んー、わからない。ただ、デジタルワールドから何か意味があって二人のデジモンが届けられたとかそういうんじゃない。卵からグミモンとチョコモンが生まれて、三人で過ごして、チョコモンが消えてしまってという単純な構図がなくなってしまうから。これは単純な話じゃないとダメなんです。

大輔は英語を理解できているのですか?
ほとんど理解してないです。なんとなく雰囲気でわかっている感じってだけです。車のおっちゃんは某会社の帰国子女の人にやってもらった。英語だから台詞の尺を詰めても併記だろうとかやってた。
はじめは全員が日本語で話すというプランだったのだけど、プロデューサーから「英語でやると受ける」って言われて、英語は後付け。プロデューサーの考えはいいと思った。自分には出来ない考え方。
02は好きなアクションができている。

一番の作品はって聴かれる時があるけど、そういう時は「カエル石を見てください」と答えている。 このエントリーをはてなブックマークに追加
感想
行ってよかったと本当に思います。半分ぐらい劇場で見たことがなかったんですね。しかもカエル石は一度も見たことがなかった。カエル石が一番の収穫だったと思います。それではちょいちょい感想を。あ、今回の作品たちはエロいですね。


デジモン1作目
すっごい久しぶりに見ましたが、こんな感じだったんですね。なんて言えばいいのか、細田さんってやってることはあんまり変わってない気がした。そして、山内さんが言うように、今の作品からは感じないものを感じました。怪獣二体が戦うというシーンは巨大感だとかしっかり出てるので好きです。
これだけ言いたいのは、光が笛を吹くシーンの作画のこだわりっぷりはなんだよwww


デジモン2作目
大好き! もう大好き! 何度見ても面白い! 緩急の付け方だったり、伏線の貼り方だったり基本的なことをしっかりしている感じ。それがちゃんと機能しているのもすごい。今でも覚えているのですが、私はこの映画をデジモン最終回を見た後に見に行ったんですよ。もう感動でした。アクションが完全に好みなんですよ。重みだとか、反動が描かれているところに興奮します。

デジモン3作目
Twitterで「音楽を変えれば普通の映画に近づきそう」とツイートしたら、次のトークパートで「関係者に音楽だけでも変えろ」と言われてたと言っていて笑いました。これも小学生時代に見ましたが、意味がよくわからなかったということしか記憶に残っていませんでした。それ以来全く見たことなかったですが、今回見て納得しました。これは理解できるはずがない。だって今回見てもちゃんと理解できてないもん。ただ、理解できなくても面白さに満ちた映画ですね。(ただ、一箇所モニョる部分があるけど。あれはしょうがないんだろうなー。実際本人も言っていたし)

カエル石
初めて見ましたが、OPから懐かしさで死にそうになったw 山内さんが言っていた通りの映画でしたね。みんな可愛いし、出番があって、やることはやっている。また見たいと思わせてくれました。そして、もっと見ていたかったです。

時かけ
あえて感想殆ど言わない。どうもこの作品を褒めるのが悔しいのですw すごくいい映画なんですけどね。音楽も好きだし。
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チョコモンとグミモンは双子で本来は似た者どうしの筈なんですが
たった一つのきっかけであんなにも変わってしまう
そういう人生における理不尽な点をどう受け止めて乗り越えていくかというお話です。
色々粗はありますがそのテーマだけは貫徹したので評価される所以があります。
おそらく山内監督以外ではできない作品だと思います。

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コメント

No title

チョコモンとグミモンは双子で本来は似た者どうしの筈なんですが
たった一つのきっかけであんなにも変わってしまう
そういう人生における理不尽な点をどう受け止めて乗り越えていくかというお話です。
色々粗はありますがそのテーマだけは貫徹したので評価される所以があります。
おそらく山内監督以外ではできない作品だと思います。
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