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2012-04-22(Sun)

'&' - 空の向こうで咲きますように - 感想 《願い》と『道具』の思いを超えて、今再びの冒険を

『‘&’-空の向こうで咲きますように-』を応援しています!
メーカー暁WORKS発売日2012年3月30日
ジャンル新ノスタルジー冒険活劇ADVVシナリオ衆堂ジョオ、日野亘
原画さえき北都音楽鷹石しのぶ
評価75点総プレイ時間約19時間20分(ゲームに時間表示が付いているので正確)


自分がプレイした暁WORKS、というかあかべぇ作品で初めてのソフトになりました。制作スタッフは前作の『るいは智を呼ぶ』とほぼ同じ。どの程度期待されていたのかなどはわかりませんが、個人的には結構期待していました。その期待に答えてくれたかといえば、それなりに答えてはくれました。

タイトルが『'&' - 空の向こうで咲きますように -』という結構わかりにくいタイトルで、前も言いましたが、この作品を何かのファンディスクかと勘違いしていました。最後までプレイすればタイトルがしっくり来るんだろうと思いプレイしましたが、プレイを終えた今、個人的にこのタイトルは失敗なんじゃないかと……。初見の人にはわかりにくいし、プレイしても『これだ!』と思えるほどのタイトルではありません。面白いタイトルのつけ方ですが……うーんってなる。
タイトルロゴのデザインはとても素敵ですね。しかも樹に願いをかける、子供時代、二つの月、いろいろな要素が詰まっているのが一目でわかります。で、タイトルの意味についても、一度目の冒険が8年前だったり(&という文字と似ている)、&という文字自体が二つの丸をつなげていたり、ある意味無限を表していたり、交わりつつも重なることのない道であったり、いろいろ考えは出てきます。

とりあえずプレイして思ったことは、面白いのは面白いんだけど、何か引っかかる感じがあるというものでした。とりあえず、共通(体験版)での伏線が気になっているのに、なかなか明かされずにシナリオが進んでいくということでしょうか。どうもフラストレーションが溜まります。そして、明かされてもそれ自体に明確な驚きというものは少なく、肩透かしに感じていました。


以前にニコ生でどうも知名度が高くないということについて言っていましたが、確かにこれを宣伝するのは難しいとおもいます。狙っているターゲットがどこなのか私個人としては判断しにくいです。PVとゲームの内容が持つ魅力が微妙にずれていたり、全体として、メーカー自体もこのゲームの魅力を把握できていないんじゃないかという疑問も芽生えてしまいました。でも、コンセプトに書かれている文章には非常に納得できました。コンセプトに惹かれた方は購入を検討してみてはどうでしょう。

以前の作品はプレイしていないので、比較した感想などは書けません。
このゲームをオススメするとしたら、
・人と人が分かり合うだけでは争いはなくならない、そこで得られるのはただの甘えと妥協のみ。ならば……
・変わってしまうものと、変わらないでいるもの
でしょうか?と、言いたいところだけど、これは違いますね。ここ参考にしないでね。

キャラクターが考え、話し合い、争い、決断する、という部分がしっかりと描かれたゲームだったと思います。シナリオで描かれる「人」というものが非常に興味深かったです。

これ以降は詳細感想
`&'-空の向こうで咲きますように- 初回版`&'-空の向こうで咲きますように- 初回版
(2012/03/30)
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◆テキスト
この作品の面白い部分は、『願い』とかの単語にいろいろなルビを振っていることですね。同じ意味を秘めたコトバでも、見る方向が変わればそれは別の意味にみえてくる。そんな感じがしました。が、にも関わらず、バックログを使って読み返すと、そのせっかくのルビが読み返せない。これは自分で自分の魅力を殺していると思うので、改善を要求したいです。


◆シナリオ
昔一緒に冒険をした仲間たちが、8年の時を経て再会し、変わってしまったこと、変わらないこと、そんなものをぶつかったり、戸惑ったりの中で、自分たちが持つ『願い』を明確にしていく物語でした。苦い形で終わってしまうルートがあったり、『願い』の恐ろしさを体現するかのようなルートがあったり、上でも言ったように公式のコンセプトに書かれていたものがしっかりと表現されていました。
全体的に言えることですが、何かするとなるとあてもなく街をふらふらして、レストランに集まるという図式が確立されているのが寂しい。能動的に何かしている感じじゃなくて、何かが起こったからその解決に動くという感じはちょっと寂しかったです。『冒険』ということにするならば、もっと自分たちから動いていって欲しい。シナリオ終盤になっても、
『グレイスワンダー』という道具が『願いを叶える道具』であるため、どうも話を回していくために使われてしまっている感があったのは気になりました。
もっとメリハリのあるシナリオだったら良かったというのが正直なところ。変に道具の設定をガチガチにするよりも、もっと自由に行く感じのほうが見栄えは良くなったと思います。


◆声
主人公にもパートボイスという形で声がついていますが、シナリオの最中のどこでボイスがつくのかが一定ではなく(何か基準があるのだろうけど……)ちょっと良くわかりません。ゲームクリア後に、主人公が作中で撮った写真を見てキャラが語るというものがあるのですが、そこのために主人公にボイスが付いたんじゃないでしょうか? そこだけボイスが付いているのも変だから、作中でも多少は喋らせておこうとの考えだったのかと思います。主人公の声も結構早い段階で出てくるので、ゲーム終盤でいきなり声が出て、今までの印象と違うといった自体は避けられていますね。ただ、そのおまけのためだけにボイスは必要だったのか、シナリオの途中のボイスの基準はもっと明確に出来なかったのか、など気になる部分は残ります。


◆音楽
こういうタイプの音楽が多く使われているゲームを初めてやった、というのが第一印象でした。コーラスが入った曲はあれど、ラップのような曲、テクノ、トランス、電子音系の音楽を使っているにもかかわらずちゃんとゲームにハマっていることに驚きました(日常曲などでも使うのは初めて)。うん、こういうのもありですね。ちゃんとBGMとして優秀な曲が揃っていると思います。それと、戦闘曲的なものとか、他のゲームでもあるような曲がちゃんと差別化できている感じが良かった。緊迫していることはわかりつつも、ちゃんと曲として聞けて、かついい曲だと思える。
私が愛してやまない曲が使われていたのはポイント高いですね。なんでこの曲が流れたのかとかはわかりませんが。(この曲に関しては曲の意味、歌詞、その他いろいろ調べないようにしている)
OPは志倉千代丸さんといとうかなこさんのコンビ。安定したいい曲ですね。本編中で流れた時も場面を盛り上げてくれました。
PCゲーム「`&'-空の向こうで咲きますように-」サウンドトラックPCゲーム「`&'-空の向こうで咲きますように-」サウンドトラック
(2012/04/25)
いとうかなこ

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◆絵
前回新作レビューをしたのが翠の海だったので、連続でさえき北都さんが原画担当ですね(別に意図したわけではない)。今回もいい絵でした。今作から一枚絵を選ぶとすれば、孝、麗、貢一郎の三人が写った絵が好きです。何気ない、構えていない表情というものが新鮮でよかったです。
そして、立ち絵。基本的には何か言うこともないでしょう。ウィンドウに表示される文章中で、結構立ち絵が変化するのはそこそこよかったかと。ドラクリオットの体験版をやった時にはうるさいと感じましたが、&の場合はちょうどいい感じでした。(ドラクリは上下に動く時が多いので、読む際にじゃまと感じたのかもしれません)。
キャラの衣装もせっかく夏休みという設定なのに私服+特殊というのは寂しかったかな。しかもその特殊服のいくつかはどうでも良い感じ。中には「これいらないだろ」と突っ込みたくなるものも。力を入れるべきところはそこじゃないだろう感が。ただし、うははさんの浴衣姿は至高です。そこは褒め称えたいです。タバサの特殊服に関してはラフのもう一つのほうがよかったと個人的に思います。私はフリルが苦手です!
アニメーションも挿入されますが、クオリティに関してはいい感じだったんじゃないかと思います。ただ、アニメを入れたことで、どの程度の効果があったのかは疑問です。中にはほとんど使われないものがあったり、バリエーションが少なかったり……んー、アニメって難しい。
立ち絵を閲覧できるおまけというのは初めてですが、いろいろいじって遊べそうです。ただ、それを公開していいのかわからずただの一人遊びというのはつまらないかな。



結論としては、いいゲームだったとは思うけど、どこを向いているのかが不明瞭だった気がします。ゲームをクリアした今、「一番良かった部分は?」と、効かれても悪い意味ですぐに答えは出てきません。「ここだ!」と推せるシーンなどがないんです。ただ、「悪いゲームか?」と聞かれたら、それに対しては否定の言葉を上げるでしょう。
悪い点ばかり書いてしまった気もしますが、日常シーンではちょくちょく面白いシーンが出てきたので、苦にならずに最後までプレイできました。驚きが少ないと言いもしましたが、同時に最後まで堅実に進めていったとも言えるので、ちゃんとシナリオの筋道建てができているのだと思います。このメンバーで次回作が出るとなった場合、購入の検討には入りますよ。


あ、この作品プレイしてガメラを思い出したのは私だけじゃないはず。というかあれは絶対そうだってw
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