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2015-01-02(Fri)

『ひこうき雲の向こう側』感想 空に流れる一筋の


メーカーFLAT発売日2014年3月28日
ジャンルドタバタ学園ラブコメディープロデューサー寺月恭一
シナリオさかき傘音楽Wiredscape
原画プリンプリン評価A(S~E)

FLATの第……何作目? ということは置いておいて、どうしても血みどろな印象のあるFLATが出したどこまでも普通の学園モノ。そのどこまでも普通というのがキモでもあるのですがね(闇笑)。学園モノということで、血がダバダバ-っと出ている絵などはありませんので、そこら辺は安心(?)していいかと思います。

まずはこの作品の感想を一言で、とても素敵な物語でした。他の方も言っていましたが、プレイ後には「恋がしたくなる」ような作品です。基本「恋なんて」みたいな斜に構えている自分も、いろいろ考えてしまいました。今までに読んだことのある、見たことのある、プレイしたことのある作品の恋愛を思い返し、「恋ってなんだろう」「自分は恋をしたことがあるのかな?」などなど。いい意味で作品に対して白旗をあげざるを得ません。個人的趣味趣向の話をすれば、少々ダークな作風が好きなため、この作品にもそれを期待していた部分はあるのですが、そちらにはあまり行ってくれませんでした。けれど、この作品はそういう作品です。それで正解です。この意味はプレイすればわかってくれるかと思います。

体験版をやって下さい。体験版はOPまでなのですが、このOPが流れるタイミングというのが逸脱です。OPは基本的には話の区切りに使われることが多いですが、この作品ではその一段上を行っています。『ひこうき雲の向こう側』という物語がなんであるのかが判明し、その物語が始まった瞬間にOPが流れます。この気持ちよさをわかってもらえたのならば、製品に手を出してしまうでしょう。ただ、購入してインストールしたら、パッチ当ててくださいw

上のバナーのキャラ、美汐瑛莉はラスト攻略推奨です。


ひこうき雲の向こう側ひこうき雲の向こう側
(2014/03/28)
Windows

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これ以降は詳細感想になります。蛇足ですw このエントリーをはてなブックマークに追加




頭がいいくせに鈍感で――
誰よりも恋に興味があるのに恋が苦手で――
恋に恋し、恋に愛し、恋に呪われてしまった女の子――
恋愛に理想を持ってしまったおバカさん。

この物語はそんな恋愛音痴な美汐瑛莉の物語。始まりを告げるオープニングに偽りのない、そのままの、直球の、そして普通の作品でした。美汐瑛莉はどことなく自分と似ている部分が多かったこともあり、感情移入……というわけではないですが、いろいろと納得しつつ進められました。似てるというのは、決して頭がよく運動も芸術もなんでも出来て、コミュ力までもあるという部分ではないです。はい、悲しいことに……。

美汐瑛莉という女の子はただ他の人よりいろいろな事ができて、いろいろあって、歪になってしまった子。退屈な世界で、恋愛という最後の希望を探していると言うけれど、それは違う。頭がいいから自分を客観的に見すぎて、冷めてしまっているだけ。「恋」というものがわかっていなかったように、彼女は初めは「楽しい」という感情もよくわからなくなっていた。勉強でも、スポーツでも、結果は自身が決めるものでなく、数字や他人の評価で決まるものだった。だから、そこで錯覚してしまった。自らの価値観を外部においてしまった。



『ひこうき雲の向こう側』という作品における、美汐瑛莉という人物と対をなす存在として佐藤里沙がいます。ほとんどのシナリオで重要な役割を担う彼女は、瑛莉をして「特別な人」と言わせるものを持っています。瑛莉を他人の恋に悪戯をする悪魔とするならば、まるで佐藤さんは他人の恋を導く天使のように。

彼女はこの作品において、初めに明確に恋をし、その恋が実らないと宣言されてしまったキャラクターです(初めと言いがたい部分もありますが)。一番恋というものを知っている人であり、恋の先輩、先生という立場でしょう。傷つく覚悟をし、恋をし、失恋という結果にはなっても、恋する心は失っていない人。はたから見れば弱い人だけれど、どこまでも厳しい人。そして周りを見ることが出来る人。



ひこうき雲の向こう側 オリジナルサウンドトラック(音楽CD)ひこうき雲の向こう側 オリジナルサウンドトラック(音楽CD)
(1999/01/01)
FLAT

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◇メタ発言について◇
最後の最後で出てきたメタ発言。自分がこれを見た時の感想は「やられた……」でした。上で書いたように、自分はこのゲームを通して恋に興味を持ってしまっていました。そして、あの発言ですよw

ただ、あんな発言をみたら想像したくなってしまうのが人でして……。メタ視点で作品を見渡してみると、いろいろな推論が生まれます。まず第一に、この作品における主人公≠プレイヤーということが明言されました。この作品で語られたことは、プレイヤーの恋の話ではないということです。瑛莉が作中でギャルゲーをプレイしていました。ゲームを終えてみれば、これ伏線ですね。彼女はゲームに理想の恋愛という希望を抱き、恋愛観測をしていました。プレイヤーは恋の理想を追い求めてエロゲー・ギャルゲーをプレイしているわけではないでしょうが、自分に合うものを探し続けているという点は一致します。

なんというか、Key作品を思い出します。自分が言ったことではないですが、Key作品は最終的に「現実に帰れ」というメッセージを発していると言う人が多かったと記憶しています(自分は特にそうは思っていませんが)。ひこうき雲では「帰れ」という命令形ではなく、「現実で恋愛をしてみたくなった?」と問いかけてきます。自分はまさしくその通りの気持ちを持ってしまったので、「やられた」と思い苦笑しつつ白旗をあげたわけです。そして、自分が知っている数人も同じ感想(恋をしてみたい)を抱いたようです。恋に怯えて足を止めてしまうのではなく、時間を進め変化を起こしてこその恋なんだと、まるで作品が作中の佐藤さんのように背中を押してくれます。


恋ってなんなんでしょう? 当然この疑問に対して明確な答えを出すことは出来ません。この作品でもその答えは出ません。誰も答えを知らず、誰もが正解を知りたいことだから。世の中にラブストーリが満ち溢れているのは、それも理由の一つでしょう。作中にある言葉から考えれば、恋というのは誰かを想うということ。そして愛は一方的ではなく相手を想うこと。だから恋愛はその二つが一致した時、自分と相手の気持ちが一致した時のことなんだと思います。

自分が今まで歩いてきた道のりではいくつもの心の動きがありました。いるだけで周りを明るくするような女の子に手を引っ張られたい、傷を抱えてそれでも笑おうとする女の子に寄り添ってあげたい、強くて弱い女の子をそばで支えて見守ってあげたい。そして、この子とセックスをしたい。そんないくつもの感情を抱いてきました。これは恋心なのか、その判別は今の私には出来ません。恋というものを経験したことがないからです……というと、おかしな話です。恋を経験したことがない、だから恋がわからない。それならば、今あげた例は全て恋ではありませんね。でも、現実の誰かを、現実の何かを、フィクション中の登場人物、フィクション中の物を「好きだ」と思ったことは何度だって幾度だってあります。恋というものがわからないという人でも、「好き」という感情はきっと誰しもが持ったことがあるはずです。
恋はいいものであるとは限らない。けれど、恋愛は素敵なものであると信じたいですよね。


◇総評◇
やはり、最初に言ったことと同じ「素敵な作品」という言葉を送りたいと思います。とてもゆったりとした時間とともに描かれる恋愛模様。それには音楽も一役かっていると思います。『止まない雨はないから』というBGMにはやられましたw

「夜に飛行機雲はできるのか?」という疑問が作中で提示されました。それについて調べた所、あまりはっきりとした文献は見つかりませんでした。ただ、気象条件によってはちゃんと出来るようです。昼よりも夜のほうが空を見上げる人が多いであろうにも関わらず、夜の飛行機雲の話題が少ないとは面白いものです。単純に夜空に浮かぶ雲は視認しにくいという理由があるはずですけれどね。

そんな簡単に変われないけれど、変わることができるのも人間。立ち止まって時間を止めなければ、きっと変わる。飛行機雲は雨を呼び、その先には光がある。だってそう、止まない雨はないのだから。

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