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2013-03-31(Sun)

今月のムービーまとめ記事(2013年2月分)

※この記事は18歳以上の方向けのものとなっています。

動画がいくつも埋め込まれているので重いです。



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ポケットに恋をつめて オープニング
ポケットに恋をつめて 応援中!

ムービー制作:どせい
『ポケ恋!』(作詞:森永桐子 / 作曲:朱月笛丸 / 歌:青ビスたん(CV.森永桐子))

はじめに言いたい「これなに???」。たぶん100人が見て、100人が同じ反応をするであろう謎
なオープニング。

二番目に言いたい「これオープニングじゃないでしょ???」。これオープニングなはず無いじゃん。だって歌と最後の予約特典紹介とかが合体しちゃってるじゃん!
えーっと、まずは曲部分の感想あたりから言って行きたいと思います。電波ソングの定義が「脳が蕩けそうになる歌」であるとするならば、これはその定義に外れること無く、本当の意味で電波ソングということができる歌です。歌でキャラクターを紹介し、ゲーム内容まで紹介しているらしい。
それでは、映像面で……「何が始まるんですか?!」。いきなりガクガク(重要)動くキャラクターが出てきて面食らう。これキャラクターの首の骨絶対折れてるよね。このゲームはLive2D導入しているんで、OPで動かして来るのは普通なんだけど、どうしてこういう動かし方なんだよ……。そして、いきなりの恐怖映像に続いて、キャラクター紹介へ。廊下をキャラクターが歩き、キャラクタープロフィールが表示されるという形式で紹介されていきますが、おそらくはこのゲームの売りの一つなのでしょう、キャラクターが動き、いくつもの表情を見せます。活き活きと……なのでしょうか? 

56秒以降に関してはもう何も言いません……
このムービーは存在すること自体が既に勝者の貫禄を放っています。ネタという意味では成功してるでしょう。作品に合うのかとかは全く不明ですが……。

やろうとしていることは間違ってはいないはずなのに、なぜこうなる。キャラクターが中心だから歌詞をキャラ紹介に、キャラのボイスを入れ、自己紹介カードを表示し、タイトルを連呼する。うーん……。
ちょっとこの作品は面白いことをやっているので、そっちについても書いておきます。このゲームのキャラクター設定は声優の人に決めてもらっているらしいです。そこら辺の詳細に関しては、公式のスペシャルにあるインタビュー記事の最後の項を読んでみてください。そこの解説で、声優の方に「自己紹介シートを書いてもらった」とあるので、このムービーで使われているものは、その自己紹介シートなんでしょう。キャラクターを先行して作ることで、ゲームがどんな風に出来上がるんでしょうね。そこら辺は気になります。


D.C.III R ~ダ・カーポIIIアール~ 店舗用デモムービー

ムービー制作:?
『endless memory ~refrain as Da Capo~』(作詞:南條愛乃 / 作曲:八木沼悟志 / 編曲:齋藤真也 / 歌:fripSide)

説明のいらないD.C.Ⅲ。急緩急といった構成で、ムービーとして非常にわかりやすい。カードを使った統一感のある部分もいいし、「こうして笑顔を交わしていたい」という文字の後で、笑顔ではなく悲しげな表情や真面目な表情を持ってくるのもお約束。

はつゆきさくらの時も思ったけど、fripSideの曲は重めのムービーにもよく合う。派手な感じもするのに、手を伸ばしても決して掴めないような辛さが含まれている感じがする。


ChuSinGura46+1 - 忠臣蔵46+1 - 2ndオープニング
インレ『ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-』

ムービー制作:?
『Dearest Sword,Dearest Wish』(作詞・作曲:Team-OZ / 編曲:伊藤ミツヤ / 歌:ayumi.)

歴史物とか、武将ものはキャラクターが多くなる傾向にあるよね。といいつつも、自分は忠臣蔵についての知識はほぼゼロです。なので(?)なにが46で、なにが+1なのかさっぱり。

2nd OPらしいけど、1stはこれでいいの? 二つOP作るならもっと大胆に変えてきちゃってよかったと思う。サビに戦闘を持ってくるところも定番なのはわかるけど、いっしょにする必要はなかったはず。

このムービーは好きな方に位置します。イントロではかっこよくキメてきて、サクサクとキャラクター紹介をしていき、サビでは戦闘、アウトロではイントロとは違う形でかっこよさを表現してくる。戦闘パートは絵としては殆ど動かしていないけど(実際立ち絵はそれぞれ二枚ぐらい)、キャラクター動かし方やエフェクトでそれをうまく補っているから全然気にならない。槍を振り回しているところは、動いていないのに振り回しているように錯覚する。スロー再生をしてみても、特に変わったことをしているわけではないので、単純に動かし方が上手いということ。


『STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム』オープニングムービー

ムービー制作:
『フェノグラム』(作詞・作曲:志倉千代丸 / 編曲:オオバコウスケ / 歌:彩音)

シュタゲといえば、アニメ化もされ、劇場版も制作されている知らない人はいないレベルの有名作。自分もPC版をプレイ済みだったりします。これはそのファンディスク的なものと解釈していいんでしょうか?(公式を見てもパッとどういうゲームなのかわからないってのはどうなのか……)まあとりあえず、原作やらアニメやら、一度触れている人をターゲットにしているムービーというのは間違いないでしょう。

このゲームの特徴の一つである、舞台が秋葉原という部分をそのまま使って、現実の秋葉原の映像とアニメ映像を融合させたムービーになってます。こうすると、実際に街でそのキャラクターが生活しているという感じがでますね。ファンが聖地に行くというのと逆で、キャラクターが、物語が聖地に行く感覚です。ちょっと驚いたのは、アニメの映像が原作の絵の雰囲気をしっかり再現してきていること。原作絵が独特なので、それをアニメとして再現できているのは素直にすごいと思います。おそらくは目をこだわって作られたんじゃないかと予想しています。

最後に仕掛けた物がすごい。逆再生。これは当然作品に合っている手法だし、演出が持つ効果も大きい。同じものをただ逆にして見せられているはずなのに、人はそれを見てしまう。逆再生という手順により、そこに抱くイメージは全く変わってしまう。

ここまできっちりとアニメや静止画の使い方を考えたムービーを完成させてくるなら、1:13あたりからの作品の一枚絵の連打はいらなかった気もする。あそこだけ、どうしても浮いている感覚が拭えない。例えば、あそこを駆け抜けてきた記憶のワンシーンという意味をもたせた演出にするとかなら話も違うが。


『僕らの頭上≪うえ≫に星空≪そら≫は廻る』 デモムービー


ムービー制作:?
『僕らの頭上に星空は廻る』(作詞:cc / 作・編曲:羽鳥風画 / 歌:Rita)

上でアニメについての評価をしているけど、ここではそれをひっくり返す。アニメを使うっていうことは、原作の絵に自信がないんじゃないと捉えられてもしょうがないんじゃないかな? この作品はせっかく絵の塗りが独特で、一目見ただけで他の作品と違うという差別化ができているのに、そこを自分たちでわざわざ殺している。そのアニメについても、お世辞にもいいとは言えない。制服を着るシーンなんて、あれなにがおこってるの?

体験版プレイ済みだけど、これアニメパートで一部キャラクターのイメージと違う動作をしている部分があるのが非常に気になる。具体的に言えば笹津というキャラ。
このムービーで使われてるアニメでいい点なんて、動いているということぐらい。そして、ゲーム中で使われる背景の中をかけていくアニメのキャラか。

それとその体験版についても一言。この作品ではまず、天文部を作るという目的から始まって、体験版ではその天文部が無事設立(性格には存続)ということになって終わる。けど、『人を集める』と『人が集まってから』の物語は違うよね? 設立後の物語を少しでいいから入れるべきだったんじゃないのかと思わなくもない。それに、天文部を作るという目的が達成されて、じゃあ次のこの物語の目標っていうのは何処になるのかもよくわからない。


『恋せよ!!妹番長』オープニングムービー
Latte最新作『恋せよ!!妹番長』応援中!

ムービー制作:藤村沙紀
『恋せよ!乙女』(歌・作詞: Duca / 作曲・編曲: ANZIE)

単純に一回見た時から好きになった。キャラ紹介の時に初めて出てくる、赤い髪のキャラの番長姿と普通の姿のギャップにころっとやられちゃった。それを考えると、キャラクターに二面性がある作品のムービーはキャッチーにしやすい部分がある。『俺の彼女のウラオモテ』だったり、辻堂さんの純愛ロードだったりね。

似たようなムービーとしては、恋妹や妹が僕を狙っているあたり(全部妹なのは偶然?)。素材の合間に図形や色を挟んだりして、絵だけでは表現することの難しいポップな雰囲気を出したり、全体に白を挟むことで感覚をリセットし、次の絵をより印象的に見せるような感じがしている。

初めはそっちに目が行ってしまったけど、見返してみるとキャラ紹介パートも丁寧であることがわかる。番長→通常という流れは全キャラ共通で、演出も画面を一回転させる(すべての面を見せる)というもの。変化のさせ方も線を使ったもので、絵の変化を強調している。個人的には次のキャラの紹介へと移る際のカメラを右に振る動きも好き。一定の速度ではなく、加速させることで緩急もつく。
全体的に、カメラの振り方と図形の挟み込みでリズムをとっているので、曲と非常に合っている。

素材として、番長絵、通常絵、番長SD絵の3つを混ぜながら構成されている。この使い方はピュアガールを思い出す。

このムービーのかなりの部分では、ホコリのような、小さな桜の花びらが舞っているように見えるけど、これは一体何を狙っているんだろう? 意識的に見ないとスルーしてしまうような些細なもの。



オレは少女漫画家R
ムービー制作:タク。
『Burning your soul』(作詞:Kato.yoshihal / 作曲:Taishi / 歌:ちよこ)

「漫画家」というテーマでまとめあげた勢いのあるムービー。吹き出し、コマ割り、定規、ベタ、トーン、効果線、漫画に使われるものを混ぜ込んで構成されてます。まず、一番初めに出てくる絵からして勢いがありますね。ぱっとタイトルが思いつかないのですが、こういう始まり方をするアニメもあった気がします。

使われている色も、シアン、マゼンダ、イエローの三色。言わずもがなの三原色。プラス黒なので、プリンタをイメージするとわかりやすいです。

キャラクター紹介では、それぞれが勢いのある絵となっています。これは原画家の力ですが、それに加え色をぶちまける演出、大胆な文字配置が重なって見応えのある紹介へと進化しています。

後半でもイベントCGを漫画のコマで分けてしまったり、漫画のページをぱらぱらめくるような演出が入ったりと、見る価値のある部分は多い。けれどやはり、ただイベントCGを羅列するだけに留まってしまったように見える部分も有り、そこはどうしても気になってしまうかな。

カメラワークやキャラを動かすという手法ではなく、素材そのものを弄ることで魅力を作り出していった良作です。


妹ぱらだいす!2 OPデモムービー
妹ぱらだいす!2 応援中!

ムービー制作:菱野優希
『ももっと☆ぱらだいす!』(作詞・歌:みるく / 作編曲:青島修造)

OPからしてエロいなあ。パパパパラダーイス♪
効果を使いまくる演出なので、それを上げて行ったらきりがないほど。この勢いで最初から最後まで行ってしまうと、どう考えても大味になってしまう。けれど、これは合間に曲調の変化とともに、SDキャラを使ったムービーへと変化している。この時も演出効果は入っているのだけど、曲のテンポがゆっくりになったことも有り、たたみかけるようなものではなくなっている。その後に関しては、エロアニメの連打なので省略。


聖エステラ学院の七人の魔女

ムービー制作:MIDPINE
『The party of seven witches』(作詞:Kato.yoshihal / 作曲:Taishi / 歌:みとせのりこ)

歌が入るまでのかなりの時間を使って、音と絵と文字によって世界観や雰囲気をじっくりと伝えてくる。
個人的にすごい印象に残るのが、名前の背景の真っ黒な植物が成長するところ。キャラクターそのものを栄養として成長しているような不気味さが漂っている。他の部分でも黒で表される部分が異様。これは『黒』をうまく使っているムービーとしていいかもしれない。

クオリアフォーダンス -Qualiaffordance- PV第一弾

ムービー制作:AIC

一応書いておくべきなのかなって。見ていてなんだか落ち着かない。単純にアニメをつなぎあわせているだけにしか思えない。初めはまだ見るべき部分はあったのだけど、途中からはもう見る価値無いよね。アニメのクオリティを確かめるという価値はあるだろうけど、このムービーを見るという価値はない。最後に「これはこのキャラクターたちがたどってきた道のりであり、思い出なんだよ!」的にまとめてくるムービーは好みなのだが、このムービーは中身がスッカラカンなだけになんとも……。
アニメのMADとかニコニコによくありますが、個人的にほとんどが嫌い。なぜかといえば、単純に名シーンをつなぎあわせただけにしか思えないから。そこで作者が何をしたいのかが全くといっていいほどわからない。やりたいこととかよりも、かっこいい映像を目指しているMADもあったりするけど、大半がつまらないものだから見るきが全く起きない。アニメを使うと、それ自体を弄ることがあんまりできなくなるから、っていうのが理由なんだとは思うんだけど……。自分が好きなMADは、アニメを一度素材という部分まで戻して、そして再構成しているもの。理解し、解体し、再構成するということですね。錬金術!


運命予報をお知らせします
ヨナキウグイス第一弾!『運命予報をお知らせします』

ムービー制作:?
『君と、二人で』(作詞・作曲:水城新人 / 歌:Prico)

Prico新曲! 正確な情報が公開されるのに時間がかかったのはなぜなのか、なぜOPに誰が歌ったのか書かれてないかなど、個人的には非常に突っ込みたい。それに、スタッフ名が表示される時間が圧倒的なまでに短くて、これで読める人がいるのかが疑問。
そんなことは置いておいて、構成としては赤い糸が人と人とをつなげていく、というタイプのムービー。写真という形で紹介される、おそらくは生徒会に所属するヒロインたち。赤い糸を交えて紹介される面々とは対照的に、廊下でただ一人笑いながら立っている(公式を見る限り)サブヒロイン。さらに、次に登場するのはタイトルにもある運命予報を伝えるというキャラクター。ヒロインたちの紹介を写真一枚で済ませる一方、サブの紹介に何枚かのCGを使うというのはあまり見ない形だろう。ヒロインはキャラ紹介以外でもCGを見せることができるということを考えれば、全く問題は無いのだが珍しい構成なので気になった。

公式HPの『Myスイッチ』という、それぞれのキャラクター視点から紹介されるストーリー、キャラ紹介というのは新鮮だし、そこに書かれている言葉も意味深なものあり、それだけで興味を惹かれる。どうしてこういう構成にしたのかという一点だけでも多くの想像が頭をめぐる。気になっている作品の一つだ。


学☆王 -THE ROYAL SEVEN STARS- +METEOR PSP版OPムービー

ムービー制作:PRHYTHM VISION
『My Little Glory』(作詞・歌:佐倉紗織(ave;new) / 作編曲:a.k.a.dRESS(ave;new))

このPSP版OPもイイ! PSP版になって大きく変更になった(追加された)のは主人公の妹のシナリオということで、妹フィーチャームービーになってます。2月公開されたものではこれが一番好きです。
基本的な画面の構成の仕方はPC版を引き継いでいる。色使いや、星の演出、キャラ紹介で見せるキャラクターの多くの表情などなど。それでいて、丸いものや円運動が多くなったり、レースのような小物が出てきたりと変わっている点も多いです。
タイトルの出し方一つにしても、PC版がタイトルロゴを意識した星の使い方から登場させましたが、PSP版では紙を折りたたむような演出でタイトルが現れます。
すごい一瞬なのですが、キャラ紹介の時に一枚絵→立ち絵の表情差分を見せるというその間に一枚絵の表情が変化しているんですよね。ハッキリとはわからない違和感が頭のなかに残るはずですよ。ただすんなり受け入れられるムービーではなく、引っ掛かりも持っている。

円運動が多くなったと言ったけど、円の中心にいるのはやっぱり主人公。主人公の周りを回っているヒロインたちがいて、その距離は変化していき、近づくこともあれば、遠ざかることもある。1:30あたりの観覧車も同様だろう。観覧車については本編に出てくるCGからイメージをふくらませていったのだと推測できる。観覧車=主人公とすると、主人公と近すぎる関係、主人公という温もりに揺られ頼っているというような深読みもできそう。

スライドショー的なムービーは減って来ましたが、部分的にスライドショーになっているムービーはたくさんあります。ただ、個人的にはこれはどうにも好きになれない。それは、キャラ紹介の部分などで工夫しているのにも関わらず、その後一枚絵を見せていくようになったら急にその工夫が見られなくなるというのがもったいないからです。スライドショーを否定するつもりはありません。一枚一枚をじっくり見せていくことで生まれるものもあります。個人的にそれで生まれるものは「時間」であると思っています。実際の時間よりも引き伸ばされた時間を体感できるという感覚でしょう。

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2013-03-28(Thu)

『僕が天使になった理由』歌詞分析 #bokuten

当然のごとく僕が天使になった理由のネタバレ含みます。

5/17追記
ライブにおける山本アイネさんの発言について書いておきました。

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5/5のライブでの発言についてからです。
Snow Songはアイネから巴への想い。Feather Songは全てを終え、天使となった巴からアイネへの想い。ということだそうですね。Feather Songは「私」の部分を「僕」と読み替えると感じ方が一気に変わります。

ということで、自分が考えていたものをどうぞ。

Feather Song
作詞・作曲:CaS 編曲:CaS

仰いだ空の彼方を
落ちてく影
迷った天使は
あの日
羽をなくした。

仰いだ空
音も立てずに
雪がひらり
震える頬に触れたら
冬が始まる

凍えた指
そっと包む優しさが
溶かしてゆく
こんな気持ち
忘れていたはずなのに…

君の羽根が世界を包む雪になって
誰かのことを暖める時
私がそっと歌うよ

君が望む未来が誰か傷つけても
信じているよ
私だけが知ってる
羽を持たない天使


仰いだ空
両手広げて
翼のふり
この手じゃ
羽ばたけないと
軽く笑った

凍えた日々
そっと包む思い出が
溶かしてゆく
こんな気持
忘れていたかったのに…

君の羽根が世界を包む雪になって
誰かのことを慰める時
私がそっと歌うよ

君が望む未来が誰か傷つけても
叶えてあげる
私だけが見ている
羽を持たない天使

君の羽根が世界を包む愛になって
誰かの祈り見つけるように
私がずっと歌うよ

君の羽根が世界を守る雪になって
誰かのために散ってゆく時
私が傍にいなくても

君が望む未来をいつまでも願うよ
信じていいよ
私にとって君は
羽を持たない天使

仰いだ空の彼方へ
飛び立つ影
迷った天使は
あの日
羽を見つけた。

OPであるFeather Song。この詩はゲーム全体のことを歌ったものだろう。出てくるキーワードから伺え、また、一つ一つの描写からも本編との繋がりを感じさせる。

一番のキーワードはタイトルにもなっている「Feather」。この詩の中には羽、羽根、翼と似たような単語が3つある。羽と羽根の使い分けに関しては、天使に付随するものが羽、舞っているものが羽根になっている。羽と羽根の使い分けをしたのはFeather SongとSnow Songの関わりも理由だろう。

この詩に出てくる主な登場人物は二人、私と君。君は「羽を持たない天使」。僕が天使になった訳という物語で考えると、私がアイネで君が巴のことだと考えられる。

悲しみを持った雪が心に降り積もり、冬がやってくる。そんな冷たくなってしまった心を暖めようとするのは君。自分の羽根を使って人の心を元あった状態へと戻していく。ただ、それによって起きてしまう結果はいいものであるかもしれないし、悪いものかもしれない(1番と2番の違いから)。
本編の話になるが、アイネも巴も願っているのは本人たちの幸せ。ただ、その幸せに対しての考え方が違うために本編では主張が対立していた。

「誰かのことを暖める時 私がそっと歌うよ」という部分に関しては、私が歌っているのは応援歌だろう。君が選んだ選択によって誰かが傷つくことがあっても、私は君のことを信じているということを伝えるための応援歌。自分と同じで幸せを願うものに対しての応援歌。僕が天使になった理由という作品における『歌』というものは心を癒し、応援するためのものという認識でいいかと思う。

君が人の心を暖めることができるようにという気持ちを持っていれば「私が傍にいなくても(いなくなっても)」きっと大丈夫。君が望む未来は誰にとっても幸せな未来。

君(=巴)がプレイヤーともリンクしているように見えるというのも上手いところだろう。


Snow Song
作詞・作曲:CaS 編曲:CaS

雪が舞い散る季節は
何故か胸が切なくて
忘れかけてた記憶をつなぐ歌探してた

ねえ
君のいない世界はそれでも巡る
叶わなくても祈り続けていたいんだ

二度と戻れない時を過ごした
あの優しい旋律を覚えていますか?
耳を澄ましたら聞こえる声は
今も心の中響きわたる
天使の歌


白く柔らかな羽根が
そっと頬に触れたとき
忘れかけてた涙が思い出を溶かしてく

ああ
君が守る世界はこんなにキレイ
叶えた夢の先で笑ってるかな

二度と戻れない時を過ごした
あの優しい旋律を忘れたりしない
耳を澄ましたら聞こえる声は
今も心の中響きわたる
天使の歌


愛の音色響くこの世界に
生まれてきてよかったと
今ならわかるよ
雪が降るたびに願うよ
いつか会える日がくるまで…

二度と戻れない時を生きてる
この優しい旋律を歌い続けよう
こころ澄ましたら聞こえる声は
今も心の中響きわたる

天使の歌


聞けばわかると思うが、Snow SongはFeather Songを踏まえた上での歌詞になっている。共通のワードとしては、雪、羽根、頬に触れる。
視点はアイネのものと考えられるが、これを巴と解釈出来る部分もある。

思い出を溶かすのは、天使の羽。誰かを暖めたいと思い続ける気持ちがこもった羽。

雪が舞い散る季節というのはFeather Songであった悲しみを持ったものか、羽のことか。どちらにしろ、それで思い出すのは羽のない天使のことだろう。
天使の歌声というのは自分が歌っていた歌という解釈になるのだが、その歌というのは君のことを思って歌ったもの。だから忘れかけてた記憶をつなぐ歌。愛の音色響く歌。
そんな優しい旋律を私はこれから歌い続けていく。それが誰かの幸せに繋がっていくように。
幸せを願い、寄り添う愛の歌を。

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No title byういっち
どうやらfether songは巴がアイネに歌った曲みたいですよ

Re: No title by宮人(みやと)
> どうやらfether songは巴がアイネに歌った曲みたいですよ

まずはコメントありがとうございます。5/5に私も参加していたので、聞いていました……。記事の方直し入れるか悩んだのですが、今回のコメントを頂き、追記という形にしておきました。

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2013-03-07(Thu)

民安★ROCK 4th Album『Rock it Higher!』感想 #民安ROCK

民安★ROCK 4rdアルバム Rock it Higher!

CD自体の詳細は下のリンク記事参照。この記事は感想です。
民安★ROCK 4th Album[『Rock it Higher!』発売記念&ライブツアー応援記事 #民安ROCK

~トラックリスト~
01 IntROCKtion4
  作曲 / けんせい
02 Rock it Higher!
  作詞・作曲 / 折倉 俊則
03 CHU2CHU
   (with えで~[Team-OZ]) <SugarHouse 『CHU→NING LOVER』 OP主題歌>
  作詞 / 民安 ともえ 作曲 / えで~[Team-OZ] 演奏 / 民安★ROCK
04 ヤンデル彼女
  作詞 / 民安 ともえ 作曲 / けんせい
05 Hollow point
  作詞・作曲 / ニリツ 編曲 / 折倉 俊則
06 ラブレター 
   <チュアブルソフト『ラブらブライド』使用曲 特別先行収録>
  作詞/民安★ROCK 作曲/柳 英一朗 
07 イルミネーション2012 
  <SugarHouse 『CHU→NING LOVER』 ED主題歌>
  作詞・作曲 / けんせい
08 アルビナ 民安★ROCK ver.
  (「クドわふたー」 (c)VisualArt's/Key Sounds Label/voix」)
  作詞 / 魁 作曲・編曲 / 清水 準一 バンドアレンジ / 民安★ROCK
09 CountMindKeeping 
  作詞 / けんせい 作曲 / 柳 英一朗
  ボーカル / anporin,折倉 俊則 コーラス / 民安 ともえ
10 バージンエンゲージ
  <SkyFish 『Guardian☆Place~ドエスな妹と3人の嫁~』 OP主題歌 特別先行収録>
  作詞 / 民安 ともえ 作曲 / 彩
11 導火線 
 <FLAT 『-atled-everlasting song』劇中歌>
  作詞・作曲 / 折倉 俊則
12 Folder
  作曲 / anporin 編曲・作詞 / けんせい
13 民安は俺の嫁 <インターネットラジオステーション音泉『たみらじ』コーナーソング>
  作詞・作曲 / 柳 英一朗




お気に入りはRock it Higher!、ヤンデル彼女の二曲。

Rock it Higher!は表題曲だけど、さすがと言いたくなるほど楽しい曲! Rockで、itで、Higher!な曲。一番ライブで生で聞きたくなる曲。明日の東京でのインストアライブ楽しみです!(書いてるの前日)
ロケットというイメージから作られていった曲だと思うんですが、前奏ではエンジンから火が出ている様子、歌が始まってから飛び立ち、「どんなに~」あたりでは無重力を楽しみ、最後は……地球へと戻ってくるのか、どっかの銀河へと旅立ってしまうのかどっちでしょう? 
ロケットという前提で話を進めていきますが、ロケットは重力というしがらみから体と心を解き放ち、無限の宇宙という可能性の世界へと飛び立つものです。日常のしがらみという退屈なものから抜けだしてやってやろうじゃないか、だからこその『退屈に用はない』という言葉なんじゃないかな。

ライブで映えるっていうのは曲調もそうなんだけど、「どこまで行っていいの?」と観客がバンドメンバーへと問いかけ、そして返ってくる言葉は「飛べ! Rock it 一緒に行こう」なんですよ。一緒に行こうというのがいいですよね。ライブという空間で観客をライブという独特の空間へと引っ張っていく、いい歌詞だと思ってます。みんなで手を繋げば大きな翼ができる、それぞれが錆びた翼を持っていても、皆でならば飛び立てる。けど、自分の翼を広げていくところから。だから、この曲は一曲目か、最後にやるのが適切な曲なんじゃないかと予想します。


ンデル彼女は珍しく歌詞から曲に入っていきました。歌詞が面白すぎて、その歌詞が曲の音にうまく乗っているからさらに面白い。歌詞の内容はまんまヤンデル彼女の話なんだけど、タミーが作詞したということになんとなく納得しちゃう。CHU2CHUもそうだけど、タミーが書くこういう歌詞は面白すぎる(笑)


Count Mind Keepingには当然のように触れなくちゃいけないんだけど、初めて聞いた時はどうしても笑っちゃった。これがラテン系なんだなあという感想もありつつ、ある意味民安★ROCKっぽさが出ている曲です。これも歌詞が面白く、真面目に歌っているのかとおもいきや、内容はコミケというね。 なのはソルジャーとか思い浮かべるとより面白い。自分の経験と重ねてみるのも面白いかもね。あと、この曲のあんぽりんの主役っぽさが半端ない。劇場でスポットライトを浴びつつ歌っているかのよう。


Rock it Higher!/民安★ROCKRock it Higher!/民安★ROCK
(2013/02/28)
No Operating System

商品詳細を見る


ャケットの絵いいですよね。この絵はバンドメンバーでドラム担当のニリツさんが書いてます。こう、お腹のあたりがいいよね。シースルーな感じもいいけど、この良い感じに細いのとかが。 このエントリーをはてなブックマークに追加
2013-03-06(Wed)

『僕が天使になった理由』感想 #bokuten 幸せの唄が、この世界を包むように、きっと貴方へと届くように

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メーカーOVERDRIVE発売日2013年2月28日
ジャンルADV企画藤丸
ディレクター楢崎陽シナリオ那倉玲司
原画藤丸音楽milktub / STUDIO 696
評価84点総プレイ時間約16時間

『僕が天使になった理由』購入から一週間かからずにクリアしました。これだけ短期間にガーッとプレイしたのはすごい久しぶり。今がちょうど休みの時期だからだけど、こういうプレイの仕方はやっぱりいいと再認識。

ンドもので有名なOVERDRIVEの最新作である『僕が天使になった理由』。バンドもので有名であるがゆえに、バンドもの以外は自然に知名度があまりないというのはちょと悲しい。オバイブと言えば同時に青春やバカな雰囲気を持った作品というイメージが強いけれど、今回の僕天はキービジュアルからして全く違う。それがいい方向に行ったのか、悪い方向に行ったのかは売れ行きや評判待ち。キャラクターのビジュアルとしては、以前の作品に比べて一般ウケしていると感じるものとなっている。巨乳キャラが多めというのも今の流れに合っているのだろうか?
これが売れなかったらOVERDRIVEはインディーズメーカーになる的なことを言っていたけれど、作品のできとしてはどうだったのかというと。
オバイブのファンであり、体験版も普通に面白かったので、自分には買わないという選択肢がなかったわけですが、これは購入してよかった。


りあえず感想を言ってしまうと、評価の点数通りだけど、結構良かったという感じ。80点という個人的なボーダーラインはしっかりと超えてきてる。S、A、B、Cという評価基準で言えばA。いい作品だけど、名作と呼ぶにはまだ足りないものがあるというもの。

の構成としては、それぞれがある程度独立した6話分のシナリオを経て、個別ルートへと入るというもの。独立した6話では、主人公たちがサブキャラの恋愛の相談役となって話が進んでいく。ただ、主人公たちの視点だけではなく、その話の主軸となる恋愛をしているキャラにも視点は移っていく。そこで得る選択によって個別ルートが決まる。選択肢については、先日書いたプレイ途中感想の方で触れているので、そっちを参照。書いたことを簡単に説明すると、
①攻略サイトは見ない
②選択肢はなんとなくという理由でもいいが、適当に「上」と選ぶのではなく自分の意思で選ぶこと
③選択肢を一度選んだらその選択肢を一度ENDを迎えるまで変更してはいけない
の3つ。早くやりたいキャラのシナリオがあるなら攻略サイトを見てもいいけど、選択肢で一度セーブして、先に自分がこっちだと思った方の選択肢を選ぶべき。結局言いたいのは、その選択にプレイヤーである己自身が責任を持てということだから。

奨攻略順とかは個人的には無い。そもそも上で「攻略サイトを見るな」と言っている時点で自分の好きなルートに入ることなんてできないんだから(こっちの選択肢を選べば、このルートというのがわかるような作品ではない)。自分がプレイした順番はみなも、百合、奈留子、アイネでしたが、自分の中ではこれが一番いいと思っている。なぜなら、単純にドンドン面白くなっていったから。個別ルートの好きな順言えば、奈留子>アイネ>百合>みなも。

否両論の作品……という言い方は好きではないのだけど(どんな作品も賛否両論であることには違いないからね、その言葉が似合う作品であることは間違いない)。ネタバレというほど重要なことでは無いから言ってしまうけど、処女厨には厳しいシーンもあるし、頭を抱えたくなるシーンもバンバン出てきて、「結局どうすりゃよかったんだよ?」と嘆きたくなる時もある。他の作品で比較すると、『素晴らしき日々』ほどは頭を抱えないし、『クドわふたー』ほど痛みを感じるシーンはないと思うけど、普通のイチャラブ期待すると心が欠けるのは間違いない。個人的にはこの程度では心は欠けないぜ!(うんうん悩むけどね) 覚悟してやれとは言わないけど、ハッピーエンド至上主義の人とかはキツイだろうね。ブランドのブログに書かれている『僕天と重要なお知らせ【長文】』の紹介が僕天という作品をしっかり表せているのでまんまコピペしておく。

・天使とか出てくるけど割と現実感のあるエピソードが多い。
・物語の途中で「選択」を強いられます。その選択のいくつかには
 おそらく正解は無いです。
・アイネたんをペロペロしたくなります。
・いくつかの話の結末はその人がどう思ったかが正解で
バッドENDもトゥルーENDという概念では作ってないです。
・今作タイトルが「僕が天使になった理由」なのである意味解答が出ています。
それがどういう意味かはプレイしてからのお楽しみ。
・腐女子歓喜なエピソードも。
・アイネたんをペロペロしたくなります。
・過去作に比べるとちょっとへヴィーな雰囲気のエピソードが多いです。
・アイネというOVERDRIVE史上初のペロペロしたい萌えキャラが爆誕。

ナリオ一言感想として、それぞれの話でしていくと。

1話:青春だなあ
2話:ぐぬぬぬぬ
3話:おおぅ
4話:うるうる
5話:ぬおーーー
6話:ギャーーー
みなも:ふむ
百合:……え?
奈留子:ぐあああああああ
アイネ:……ふわぁ

1話以外言葉になっていないのは、そういうものなのです。話は加速度的に重くなっていきますので……。

の作品をどんな人にすすめるか考えると、とりあえずハッピーエンド至上主義の人にやらせたくはなねw
真面目に考えると、『恋』や『愛』というものに関して考えてみたくなった人、自分を見つめなおしてみたい人、物語で一度真剣に悩んで見たい人などにオススメ。萌え萌えイチャラブという作品ではないことを念頭に置いた上ですすめることが大切になるかもしれない。OVERDRIVE=バンドという人にこそやって欲しいゲームではあるけど、それが受け入れられるかは別の話なので、非常に難しい所ではある。
この作品はプレイヤーの心を映す鏡のような作品ということは、もう一度言っておく。だから、個人的にはメモ帳とか開きながら、自分の考えをまとめつつプレイしていくことを推奨する。


以下長文感想。
ネタバレが含まれる部分に入る前には大きな文字でネタバレ注意の言葉を書いておきました。 このエントリーをはてなブックマークに追加



◇システム・コンフィグ◇
システム面での不満は基本的にはなし。というか自分がシステム面で文句言うということは、相当なやばさなはず。今までのOVERDRIVE作品から新たに加わったのが、マウスジェスチャーの設定とカレンダーシステム。はっきり言って前者に関しては全く使わなかった。別に使い勝手が悪いからとかではなく、わざわざそういうものを使う気が自分になかったというそれだけのこと。体験版の時には面白いと思って設定とかもしっかりして、実際に使ってみたけど体験版の時点で使わなくなっていった。ネットを使っている時にはマウスジェスチャを多用しているけど、ゲームをしているときは結局クリックして読み進めるというだけのことだから、こういう機能は別にいらないかな。

カレンダーシステムというのは、カレンダーが表示されて、読み進めたシナリオのどこにでも飛べるというもの。ただし、一度読んだシナリオでも、その日付以降の話には飛ぶことが出来ない。わかりやすく例を出すと、3話のシナリオを読み進めている時に、既に読んだ5話のシナリオまで飛ぶということは出来ないというもの。先のシナリオにも飛ぶことが出来れば攻略も楽なはずだけど、なぜそういう仕様にしたのかは、技術的な面で考えるとフラグ管理が大変になることが原因かと思う。心情的な方で考えると、未来は誰にも見ることが出来ないという暗示かな。過去の思い出は振り返ることができるけど、先のことは誰にもわからない。
現時点では全くといっていいほど使っていないけど、後で読み返すときには使う時が来るのかもしれない。5話が読みたいとなった時には、5話よりも先にすすでいるセーブデータから5章を選択すればいいわけだし。


それと、システムとは少し違うところだけど、ここで触れておかなくてはいけないのが、EXTRA。普通ならばCG閲覧、サウンドとかが無機質に置いてあるだけだけど、僕天ではCaS劇場という形になっている。EXTRAを開けば人形劇のような感じで、それぞれのモードが紹介される。BGMやソングライブラリーではプレイリストを作成する機能があり、ソングライブラリーの方では歌を聞きながら歌詞を見る、コード譜を見る、スライドショーを見るという3つの機能まである。
それぞれのキャラクターのCGやシナリオをコンプしたならば、CaSのメンバーから「おめでとう」の言葉をもらえたり、キャラクターをクリックするとCaS劇場でしか聞けないボイスが流れたり、そのままにしておくといろいろなキャラが登場したりと、EXTRAモード自体を一つの娯楽として提供することに成功している。


◇音(BGM、音声等)◇
さすがOVERDRIVEな音楽たち。今作でも9曲ものボーカル曲が入っていて、それぞれの出来もしっかりしている。一応試聴へのリンクも設置。音楽に関しては自分より圧倒的なまでに詳しい人達がいるので、そっちの人たちにおまかせ。まだフルをほとんど聞いていないからこれから変わっていく可能性大だけど、自分が好きなボーカル曲はFeather Song、さよならの奇跡、End of the World、Glass Bead、星月夜。

曲を先に聴きこんでからプレイすることで曲の印象が変わっていくことを楽しむ、という方法をしている人もいるけど、自分はそれはおすすめしないかな。なぜなら、歌詞が単純にネタバレに近いから。普通に聞いてたら、「あれ?」と思ってしまう歌詞がいくつもある。「あれ?」と思っても、それが誰のシナリオの曲なのかまではわからないから、なんとも言えない気もするけど、とりあえずブックレットを見ると誰の曲かもわかってしまうとは言っておく。

それで、今作では無理やり音楽と関連付けているという声も聞くけど、そうでもないと思うよとだけ言っておく。んなこと言ったら無理やりエロいコス着せてる作品とかどうなのよって話だ。やってれ特に気になるということは無いと思う。
それよりも重要なのは、なぜこの作品ではCaSというバンドが登場し、OPやEDを担当しているのかということ(劇中歌は劇中歌なので)。それは内容がプレイヤーの心を欠けさせるようなものだからというのが一番わかり易い推測。心が欠けてしまった、傷ついてしまった心に寄り添い暖めるため。

個人的に今までのOVERDRIVE作品よりもBGMがパワーアップしたと感じる。というよりも、耳に馴染みやすい曲達と言ったほうが適切。単純に自分の好きな音楽という部分も否定出来ないけどね。
自分が好きなBGMは頬を撫でる風、Brand new days、声高く君の名を呼び、の三曲。特に声高く君の名を呼びは気に入っている。


◇グラフィック・演出◇
藤丸さん原画作品は一応DEARDROPS以来(間に海外向け作品を挟んでいる)ということになるけ(正確にはd2b VS DEARDROPS以来でした)ど、一般ウケしそうな絵になったということが強く実感できる絵になっている(上手い下手は自分にはわからない)。特にエロ関係がよくなったというのは言わずもがな。オバイブ関係者(主にbambooさん)が「これが自分たちが作る初エロゲ」みたいなことをいちゃうレベルに違う。この絵のお陰で6話の展開に強い背徳感や嫌悪感をもたせることができていて、作品の出来を高めていたのは間違いない。

公式を見ればわかるけど、サブキャラが多いにもかかわらず、ほぼ全員(というか全員じゃないのか?)に立ち絵がしっかりあるという脅威の事実。公式に載っているだけで27人いるけれど、実際にはさらに多くの登場人物がいるというのもまた驚き。それでいて、主要キャラの立ち絵に力を入れていないというわけではないので、これはすごい。実際立ち絵があるキャラクターには無駄なキャラクターなんて一人もいない、作品を彩るキャラクターになっている。その分ルートでの一枚絵の数は少なめになっていたようにも思うけど、それを選択したのだからしょうがない。それと同時に、特徴的な立ち絵(例:後ろ向き)を作る余裕がなくなるので、演出で効果的に使える絵が減ってしまうというのも難点かもしれない。

好きなCGは、アイネルート最後のほう全体、ギャラリーその他二ページ目左下の頭を撫でている絵、ギャラリーその他三ページ目中段左。プレイし終わって気がついたけど、オバイブ初のワイド画面の絵になっている。

演出としては特筆してあげられるところはなかったように思える。
劇中歌の演出に関しても、今までの作品で積み上げてきたものをしっかり使っているという印象以上のものはなかった。
雪の舞い降る様子は、もっと綺麗にして欲しかったというのが本音。
今までの作品にプラスして元気な時に音符が飛ぶなどの演出が入っていたのはいいとは思う。


これより下からネタバレ注意

















◇シナリオ・構成◇
非常に悩まされるシナリオだった。選択肢があって、そのどちらを選んでも幸せとは言いがたいようなENDもあれば、未来への希望をつなぐようなシナリオもあった。そのどれもが大切でいいシナリオになっていたと思う。

まずは全体に関して書いていく。
設定厨の自分としては設定に関していくつか気になってしまう点がある。まず、赤い糸を奪われた人間が迎える未来。巴の場合だけ、記憶自体が改変されているように思えるが、他のキャラクターの場合はどうしようもない外部からの力により強制的に別れるという結末を迎えているように思える。この差は一体何なのだろうか? ここで考えるべきは巴という特殊な存在だろうか。天使に近い存在となり、赤い糸の仕組みというものを知ってしまったがために、強制的に別れるという機能が強く出てしまった。また、二人から記憶を奪わない限り、この二人の関係は続いていったということも考えられる。

もう一つ全体で気になったことは、日付画面の使い方か。これはどちらかと言うとシステムの方に入れてもいいのだろうけど、こっちに入れておく。途中で挿入される日付表示の画面だけど、ラスト付近で後日談のような形で話が展開される中で、何度もプレイを遮られるのは不快だった(ラスト以外でもそう思った場面はあったように思うけど、どこだったかははっきりしない)。一気に優しい気持ちのまま読み進めて行きたいのに、これがハッキリ言って邪魔だった。これは奈留子とみなもに関して。

これは言っていいのかわからないですけど……巴本当に疫病神。こいつのせいで不幸になった人間がいったい何人いるんだよ……。それぞれの話でくっついたカップルは全員強制的に別れるという結末を迎えているでしょ、個別ルートであっても、結ばれた二人が迎える結末は別れだよ。天使はあくまでシステムとして人と人を結んでいたと考えることもできるけど、巴の場合結果だけ見たら悲惨としか言い様がない。

設定からくる問題でもあるのだろうけど、心が欠けているという事が悪というか歪みの原因ということに落ち着きすぎている。どうしよう、どうしてこうなったんだ、どうすれば→心が欠けているんじゃないか? という展開はうまく言えないけどモニョる。確かに心が欠けてしまっていては本人に強い意志があってもどうにもならないというのはわかるんだけど……。誰も彼もが生活していく中で、心を欠けさせていき、社会に適応していくというのがひとつの形な気もする中で、心を返していくことの意味というものをもう一度考えるというのには役立つのかもしれないし……うーん。欠片を返却した後の話も気になってしまう。これは伏線なわけだから下手に明かせないっていうのもわかるんだけど、3話で言えば心を返した場合では、あの三人の関係を修復する方向にもっていけなかったのかとか考えてしまう。

このゲームはオムニバス群像劇というような形式だけど、この形式だと人間描写が薄くなってしまうのかなということを考えた。一つの話にかけられる時間はある程度決まっているとして、その中でキャラクターの説明、状況の説明をしなければいけないのだから、普通の物語に比べたらキャラは薄くなるというのも当然の話。ならば、その話だけに出てくる登場人物というのではなく、違う話にも登場させるとかの方法はなかったのかなと考えてしまう。1話と6話のキャラではそれをしていたのだから、他でもして欲しかった。結ばれたキャラクターが、今悩んでいるキャラクターへとアドバイスをするだとか、そういうのも欲しかった気がする。


ここからは、それぞれの話、それぞれのルートについて語っていこうかと思う。最初に注意、長いです……。
当たり前のことだけど、自分がしてきたことが本当に良い悪いがはっきりと分かる瞬間なんてものは無い。選ばなかった選択を知っていなければいけないし、自分のしたことが今日は良くても次の日には最悪の結果を招いていることだってあるからだ。そんなことを考えながら、どうぞ。


第一話 嚆矢、駆け出す心

陸上部に所属している花代。その彼女の想い人は、同じ陸上部に所属する橋口。二人の付き合いはずっと昔からだった。そして、これからもその付き合いはずっと続いていくものだと錯覚していた。橋口が遠くへと転校することになるまでは。花代は勇気を持って告白することを決意する。ただ、橋口は花代ではない別に女性へ想いを寄せている人物がいた……。

王道な話だし、OVERDRIVEらしい青春を感じるストーリー。ここに関して特筆するようなことはないかな。なかったから体験版の感想を書かなかったわけだし。


第二話 夢と現実

そろそろ30歳を迎える女性教師の夢乃。彼女は元教え子で現在はプロのミュージシャンを目指している春貴と交際していた。夢乃は親から見合いを勧められ、結婚し実家へと戻り酒蔵を継ぐことを求められていた。彼との幸せな未来を手にしたい。けれど、両親を裏切ることもできず、春貴にも夢を追い続けて欲しい。そんな悩みを抱えたまま時間だけは過ぎていく。ある時、春貴はプロのミュージシャンになる条件として夢乃と別れることが求められ、同時期に夢乃の父親は倒れてしまう……。

この話で初めて選択肢が出てくる。その選択とは『欠けてしまった心を本人の元へと返すか』。これが非常に辛い選択になる。どちらへ進んでも完全なるハッピーエンドではない。何を諦め、何を手に入れるのかがハッキリと別れる。本人にとって何が幸せであるかは本人にしか図り得ないこと。それを他人である主人公=プレイヤーが決めなければならない。それに対しての責任は非常に重い。

自分がここで選んだのは、『欠片を返さない』。心が欠けるというのは一種の自衛手段では無いだろうか? ならば、心が欠けた人の心を返すというのは、避けた痛みをわざわざ与えることに繋がるのでは無いだろうか? そんなことを考え、この選択を自分はした。

ここまでが体験版のシナリオというのは、ずるいと言いたくなる。上でも言ったけど、この後の話が加速度的に重くなるだけに。


第三話 心の在り処

見た目にコンプレックスを持つ少女・文子は友人である美里に、一目惚れした同じクラスの男子の小ヶ倉章吾を紹介して欲しいと頼まれた。文子はその頼みを快く引き受ける。そして、その日文子はネットで出会ったメル友と今日もメールをしていた。メル友相手とは長い間メールをかわし続けることで、相手への想いが深まっていった。今日も文子はいつものようにPCの前でメールを受け取る。だがその内容はいつものものとは違っていた。相手が「会いたい」という内容のメールを送ってきたからだ。それには相手の画像も添付されていた。だがそれは同じクラスの、友人である美里が想いを寄せる小ヶ倉章吾であった。

自分の選択は『欠片を返却する』。つい上の話でいっていたことをいきなり覆す選択。これはなんでなのかというと、この場合心が欠けたのは「本人の勘違い」的な部分があったからだ。じゃあ、本人が傷つく結果になったとしてもこれはちゃんと聞いておくべきことがあったんじゃないかということ。もう自分がこの時点で、『本人の幸せ』を考え始めているのがわかる。言い換えてしまえば、幸せの押し付けでしかない。ただそれでも、登場人物の幸せを願わずにはいられなくなってきている。それが今後の話でどんどん顕著になっていった。

このシナリオの終わり方というのも衝撃的(返すEND)。普段ならば、二人が付き合っていたぐらいのことで友達をやめるなんて言い出すような友人は捨ててしまえとか言っちゃう部分はあるのだけど、この場合その台詞は言えない。さすがにアレを見てそれを言えるほどできた人間がそうそういるとは思えない。こういう逃げ道をなくしていくのが上手い。


第四話 ~同じで、違って、同じもの~

生徒会書記である能瀬瑞貴には秘密があった。それは自分が本当は女性であり、学校では性別を偽っているということ。
生徒会長である福江正彦には秘密があった。それは自分が他の人とは違っている、一般的に言われるゲイという存在であること。
過去に福江に助けられた経験から能瀬は福江への想いを持ち続けていた。そのために男装をしてまで福江の隣に居続ける。そうしていくうちに気がついてしまう。保健室の先生である龍宮小次郎が福江の想い人であることに。それが叶わないであろう恋であることに。能瀬は福江の恋がどうすれば成就するのか、今できることを考える。そして、目にしたものは巴が心を返却する姿だった。

すごい綺麗なシナリオという印象が強い。この話に登場する人間はみんな優しい心を持っていて、優しい展開が待っているから、最終的に綺麗という感想を持つ。他のシナリオでも優しい心を持っている人間は登場するのだけど、そのせいで事態がややこしくなっているものも多いので、この話が清涼剤になっている。

自分の選択は『欠片を返却する』。それはなぜかといえば、巴が返すと決めていたから。一度『返す』と決めたのならば、それは果たされるべきだ。そして、福江の恋に関する心が欠けているならば、これからずっと彼は恋ができないことになる。それは悲しいこと。恋がいいものであるとは限らないけど、恋ができなくなるというのとは別の話。例え欠片を返したとしても、それで告白するのかは別の話。心が戻ったことで先生への想いが強くなっても、それでも告白をしないという選択だってできる。それならば、今までひたすらに自分を強さで守ってきた福江に心を返そうと思った。

少し追記。考えていたけど、この話の選択肢で迷うってことは先生に対して非常に失礼なことだなあと考えた。福江のことを傷つけるような振り方しかできないような人だったなら別だけど、あの先生はそうじゃないよね。そこを疑ってしまったというのは本当に恥じるべきことだと思った。


第五話 ~未来の描き方~

学業優秀な生徒である高城まりかは、今日も家ではない場所へと足を向けていた。そこにいるのは売れない画家である辻創佑。家族との間に溝のある高城まりかにとって、そこは居心地のいい場所だった。まりかは辻に無理難題を押し付け相手をしてもらう今が気に入っていた。辻も現在の状況を嫌ってはいなかったが、同時に考えることがあった。辻は過去にまりかと同じように逃げ場所を探し、他人へと依存してしまったことがあった。その時は彼女が自分から離れたことにより、自分の力で這い上がる事ができた。まりかもその時の自分と同じ事になっているのではないか。そう考えた辻は……。

選んだ選択肢は『返さない』。まりかの持っている強さを信じたかったから。過去の辻さんの場合は、彼女と別れることによって二人はそれぞれ幸せになれた。もしかしたら、別れないでも幸せな道が待っていたのかもしれないけど、それでも本人は過去を振り返ってみて、彼女のあの選択は間違いではないと考えている。この場合がそのケースと全く同じというわけではないだろうけど、

高く高く飛んでいける美しい小鳥を、自分のそばに縛り付けてしまっていいのか。でも、彼女は決して籠の中に入れられているのではない。少しの怪我を休まることが出来る場所で癒していた。空へと再び飛び立てば、多くのものが待っている。もしかしたら、また傷付けられるかもしれない、別の何かに攫われてしまうかもしれない、飛ぶのに疲れ何かに襲われるかもしれない、そんな小鳥をわざわざ空へと返すことに意味があるのだろうか。けれど、自分のそばに居ることで安全になると誰が決めた。自分がそばにいることで、美しい小鳥の翼を腐られてしまうことは罪ではないのか。空を自由に舞い飛ぶ事のできる、他の誰かにも希望を分け与えることのできる鳥を自分のものにしてしまってもいいのか。

このタイプの話は、CLANNADで出てきたけど、あっちはどうだったかよく覚えていないので、そっちも振り返ってみたくなった。


第六話 ~君の手を離さない~

学園のマドンナと噂される有家小雪は薄暗い部屋でなすすべもなく、ただ犯されていた。身も心も汚され、闇へと落ちていく。そこは暗く、どんな光も届かない場所。光が欲しいと願っても、そんなことが許されない身体に自分はなってしまった。それを知ってしまった有家小雪への想いを持つ美津島修はどうにかして救う方法を考える。
どうにかして有家小雪を救うことができた美津島修。二人は想いを口にし、めでたく恋人同士となった。二人に待っているのは、恋人同士の甘く楽しい時間。過去を忘れるためにも、これから素晴らしい時間が待っているはずだった。だが、それで物語は終わらなかった。

阿鼻叫喚が聞こえてくるような、鬼門の第六話。たとえどちらの選択肢を選んでも待っている結末は歯を食いしばって耐えなければならないようなもの。「これは違う」と叫びたくなるような辛いもの。

選んだ選択肢は『返す』。おそらくこの選択肢が一番迷ったと思う。有家さんを救えるのは修しかいない。ここで救うことが出来なければ、もう有家さんは暗い闇から抜け出すことは出来ない。フラッシュバックで男の人の手すら握れなくなる場合だってある。もう心に根深くはられた悪しき記憶はもう引き剥がすことはできない。それならばどうするか、誰かが根気よくそばにいつづけなければいけない。それを可能にするとしたらそれは愛でしか無い。誰からも愛されることがなくなってしまったならば彼女は壊れてしまう。有家さんを助けたい。そのためには修に頑張ってもらうしか無い。けれど、それは自分の考えを勝手に修に押し付けて、修をを道具として使っていることに他ならないのではないだろうか。修自身が彼女を助けたいと考えるのならば、それを手出すけすることに何の躊躇いもない。ただ言えることは、数日前にはあの二人はちゃんと心を交わすことができたということ。「なにをするかではない。どういう気持でするのか。案外それで正解にも不正解にもなるのかもしれん」という言葉を受けて決めた。有家さんには幸せになってほしい、そして修にも頑張って欲しい、そして二人の心が交わすことができたあの瞬間からやり直せるんじゃないか。始めはつらくても、何か道を見つけ出せるのではないか。そう考えた。

それで得た結末の感想は「どうしてこうなっちゃうんだよ……」。二人は幸せになることができるはずだった。けれどあの姿は幸せなのだろうかと考えてしまう。二人が納得しているのならば、一つの幸せのカタチとして見てもいい。だが、それでも、修のあの表情が幸せを享受している人間のそれとは決して思うことができない。
もう一つのENDはもっと酷かった。修の心は欠けたまま。それなのにあの関係はなんだろうか。心が欠けた人間がどうなるかを見てきた自分にとっては、あれは形だけの恋愛でしかないだろう。あの二人は恋愛という形だけでつながっているに過ぎない。

こういろいろ考えてみて、自分は結局ハッピーエンドを自ら強く求めているということに初めて気がついた。自分はバッドエンドも好きなのだけど、それでも自分がしてやれることは、と考えた時には自然にハッピーエンドを目指してしまっている。それは当たり前のことなのかもしれないけど、初めて意識した。

この話に関しては、もっと人間描写を濃くして欲しかったというのはある。もっと真綿で首を絞めるようなような感覚が欲しかった。


みなも ~殻の中のたからもの~

若松みなもは恋をしていた。いつからというのは記憶に無い。心が惹かれてしまう相手は桐ノ小島巴だった。周りの人間の支えも有り、巴に告白するみなも。なんとか試しに付き合ってみるという結果を得ることに成功する。ぎこちない二人が過ごす恋人としての時間。その時間に終わりを告げたのは、みなもの母親だった。グラビアアイドルとして活躍するみなもに恋は厳禁だから別れろというのだ。過去にはあった、みなもと母親の確かな絆はなぜ消えてしまったのか。
みなもには夢があった。そして、みなもの母にも夢があった。それは「みなもが歌手として芸能界を生きていく」こと。

個別ルートではもっともつまらない。というか、設定に穴がありすぎてなんとも言えないことになっている。ここでもそれぞれの話と同様に心の欠片を返すかどうかの選択肢がでてくるのだけど、他の選択肢が出てくる時と比べても、ここが一番軽い。状況がもうどうしようもない状態であると描写されるのだけど、プレイヤーとしてどう見ても穴だらけで詰め切れていないわけだ。具体的に言えば、みなもの心の欠片が見つからないという部分。アイネだけが探していて、他の天使が出てこない。プレイしていると「他の天使の誰かにも協力を要請すればいいんじゃないか」と考えてしまい、実際その通りになる。そして、心の欠片がみなもの家ということはわかっても、見つけることができないという部分。単純な疑問だけど、なんで? はっきり言って尺あわせとしか思えない。ドラマを盛り上げるためにライブの当日、時間にならないと見つからないというのは当然だけど、何か見つからない理由を提示してくれないと、あまりにもご都合主義な展開すぎる。例えば、みなものライブが始まり、多くの人の前で歌い出した。みなもの多くの人に幸せの唄を届けたいという思いが最も強くなった。その時、欠けていた心が元の場所へと戻りたいと強く強く輝きだし、見つけることができたとか。
選択肢が出てくる前から自分の心はこの物語から離れていた。なので、この後の展開のほぼ全てに心動かされることはなかった。一度離れてしまった心は簡単には繋ぎ直すことはできない。

全体にも言えることだけど、終盤のボーカル曲のインスト版が流れるシーンがどうにも納得できない。
みなもで言えば、せっかくドラマチックな曲が流れているのに(ライブのENDの方)、そのシーンは1分も経たずに終わってしまう。ドラマチックな音楽に場面がついていけていない。ここは『走る』という描写にみなもへの強い想いを重ねるようなシーンだったんじゃないかと個人的には思う。音楽を聞きたくなる場面なのに、その場面がすぐ終わってしまったのでは肩透かし感がある。

ジャージを着ているみなもはもうちょっと登場する機会が多くても良かったんじゃないでしょうか?


百合 ~何よりも大切な人~

「妹を幸せにしてください」久賀百合は日課である教会への祈りを欠かさない。祈るのは妹である桃の幸せ、同時に自分の贖罪。二人の両親は二人が幼い頃に亡くなっていた。両親の生命を奪ったのは自分だ、そう強く思う百合は妹の、両親が生きていれば得られたであろう幸せを求め続ける。自分が幸せになってはいけないという戒めとともに。
長く変わらなかった二人の関係に、割って入る存在が生まれてしまう。桐ノ小島巴、その人だ。百合は巴への淡い想いを自ら否定する。その様子を見た桃は……。

鬼門シナリオその2。自分は自殺ENDの方を先に見たけど、おそらくは多くの人が片方のENDを見た後に「どうしてこうなってしまったんだ」と悩み後悔をしたと思う。そして、未来への希望をもってもう一つの選択肢を選んだはずだ。しかし、そこで待っている結末も悲しいもの。「どうすればいいんだよ……」そんな諦めが心を支配したことと思う。

誰かが何とかしてやれなかったのだろうか……。それは実際巴だったのだろうけど、もっと他の誰かに助けを求めても良かったんだと思う。百合の周りには誰もいなかったけど、百合とつながった巴には頼れる人間がいたはずだ。誰かに声をかけ、相談をしていれば、もっと違う結末が待っていたんじゃないだろうか。そして、巴と百合に関しても桃のことを考えると言いつつ、甘やかしているだけ、怯えているだけだったんじゃないかということも考える。でも、ここでどうすれば幸せな結末が巡ってきたのかを考えても意味が無い。終わってしまったことだし、こう動いた所で待っているのはより辛い悲劇である可能性もあるからだ。それでも考えずにはいられない。

ただ、思ってしまうのは百合のこころじゃなくて、桃の心のほうが欠けてるんじゃないか? というもの。


奈留子 ~二人の距離~

「私は桐ノ小島の友達であると決めたから」そんな強い思いを心に抱える奈木崎奈留子。桐ノ小島巴と奈木崎奈留子は幼い頃からの付き合いだった。昔でも、今でも二人の関係は気の許せる『友人』という形。奈留子の昔の夢は、「お嫁さんになる」ことであった。子供らしい、かわいらしくも、とても幸せな夢。けれど、今の奈留子は結婚という夢を抱けないでいる。自分がする恋というものをイメージすることのできない奈留子に疑問を持ったアイネは奈留子の心が欠けているのではないかという推論を持つようになる。
無事に欠けていた心の欠片を奈留子に返却する巴。だが、そこから全ての関係が崩れだす。過去の奈留子の想い人は巴であった。だが、心を取り戻しても告白という動きには移れない奈留子。それは巴の過去が関係していた。巴への想いで苦しみだす奈留子。そして、一つの結論が出た。そんな時、アイネと出会い初めて結ばれたカップルである橋口と花代が既に別れていたことを知る。赤い糸で結ばれた二人の関係は永遠であるはず。なのになぜ……。

みなもでは詰みきれていなかった状況が、こっちでは完全に手詰まりの状態まで持ってきている。ここまで悩ませ、どうしようもないと思わせるシナリオはほとんどないと言い切ってしまっていい。もうウンウン唸りながらプレイしてたよ……。相手のことが好き、相手のことを幸せにしてあげたいという考え方が、ここに来て手詰まりの状況を完璧に作り上げるのだから。清人の存在もこれ以上ないほど上手かった。人のことをよく見ている清人がいて、奈木崎と巴が一緒にいたから奈木崎のことが好きになった清人。だからこそ、巴には奈木崎を大切にして欲しいし、奈木崎を幸せにしてあげたいという思いがある。そして、何も知らない立場ということを利用して、巴に対して辛い台詞を次々と放ってくる。「お前は何も知らないんだ!」という巴の台詞に対しても「お前が何も教えないからだ!」と一蹴する様子には、本当に二人のことを思っているということが伝わってくる。

ちなみにこのルートでの選択肢は全く迷わなかった。選んだ選択肢は、『想いに応えない』。現状維持という選択。現状維持なんて選択は結局は続かないだろう。一ヶ月、二ヶ月、それぐらい続くかもしれないが、いつかは終りが来る。『想いに応える』という選択肢を選んでも同様だ。恋人となり、満ち足りた生活を送るだろうが、それは別れが約束されている。それも短期間のうちに、だ。限られた毎日をめいいっぱいの幸せとともに生きていくというのは、確かに素晴らしいことだと思う。もしかしたら、赤い糸とは関係なく二人のうちどちらかが一週間後に死んでしまうことだってある。それならば、未来のことなんて忘れて、幸せを享受するというのもアリだとは思っている。けれど、赤い糸という自分たちにはどうしようもないものの力で、気持ちがねじ曲げられ、もう思いがかよわない時がやってくるのだとしたら、そんな別れは拒絶するべきだ。違う形で立ち向かうべきだと考えたのだ。

このシナリオではアイネたちがどうするのかは語られない。実際語られても蛇足のような話にしかならなかったように思う。けれど、アイネたちはどうしたのかと不安になるのも事実。自分の場合次がアイネルートだったから、すぐに分かるだろうと思えたからよかった。


アイネ ~しあわせになるために~

ギターの弦が元に戻ったアイネ。しかし、アイネは今すぐ巴の家からは出て行かなかった。それは巴の心が欠けているであろうという理由だった。ただ、もう一つアイネ本人が気がついていない理由も抱えていた。アイネが家にいるままに時は過ぎ、大晦日を迎える。二人は除夜の鐘に願いをかける。アイネの願いは巴さんが幸せになりますように。けれど、巴は願うことができない。それは昔からのものだった。そんな姿を見ていたアイネの体は動き、巴の頬にキスをする。
何事も無く続いていくと思った天使としての日常。けれど、自分たちが結びつけてきたカップルの姿を見た時その日常は崩れ去る。既に結びつけた全てのカップルが別れを迎えていた。永遠であるはずの赤い糸で結ばれたカップル。赤い糸の真実を知り、赤い糸の持つ悲しい運命を知る。悲しみの連鎖を止めるにはどうすればいいのか。幸せが奪われるこの世界はどうすれば変わるのか。どうしようもない悩みに陥ってしまう。そんな時、巴の身体にも異変が起きていた。

このシナリオへのコメントはあまりしないし、あんまり信じないほうがいいかな。話に自分の理解力が追いついていない。確信のないことは喋るなという考え方もあって、それも事実であると思っているけど、書かずに入られないことも多々ある。

誰も彼もが予想していたことだろうけど、アイネ=巴が過去に想いを寄せていた少女ということが明らかになる。他のシナリオでえいなの名前が出てきた時点で、えいな→eina アイネ→aine だからほぼ確定だったけどね。じゃあその素材を使ってどう調理を進めてきたのかといえば。あんまり驚きのあるシナリオではなかったかな。ここにきて、王道とも言える直球勝負に出てきた。

でもそれでいて、この話だけ他の話とは全然違っている。違っていたというよりも、今までのシナリオよりも一段高い位置からまとめていくような。他では限りある幸福をどう選んでいくかという物が強く出ていたように思うのに対して、このシナリオでは巴が許されること、じゃあこんな不具合だらけの世界で幸福を受け取っていくにはどうすればいいのかという事が書かれている。

自分は、今まで出て来なかった設定がバンバン出てきて、話も一気に大きくなるから、これは一つの賭けだろうとか考えながらプレイしていたけど、どうしても疑問だったのが、天使になることの何が悪いのか。だって、アイネが人間と変わらない生活を送っていることをプレイヤーはずっと見続けているんだよ? 人間が天使に変わるというのはイレギュラーだから何が起こるのかわからないというならば、それをもっと強調して欲しかった。

初めて自分の意思で強く『返したい』と望んだだけに右から左へではなく、左から右へと矢が飛んでいくという部分は納得だった。心を返すときには巴の方が上位、地球というものに挑戦するときには挑戦者である巴が下位。

最後に巴はアイネは笑っていたから幸せなんだ、という考えに行きがちだと思うんですが(自分もそうだけど)、それはただの自分勝手な思い込みであることを忘れたくない。人はどこかに救いを求めてしまいがちなんだと、○○だからこの二人は幸せだったんだよ、と送るだけではダメなんだと思う。


◇まとめ◇
これだけ書いたのに、まとめです。結局のところ悩みまくった良いゲームだった。DEARDROPSと同じライターの方だけど、言われても信じられない。けど、たぶん自分はこの人の描くシナリオは好き。DEARDROPSの直球さはあまり見られないけど、それでもやっていることは直球だったのかもしれないと、この感想を書いていく中では思っている。
しっかし、5/5のライブの時のCaSはどうやって聞けばいいんですかねぇ……。キラ☆キラOVAの映像のCaSだけですごく複雑な気持ちになるというのに。

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2013-03-04(Mon)

『僕が天使になった理由』プレイ途中感想 #bokuten すべての恋に意味がある

現在第三章までが終わった時点での感想になります。ネタバレはしない方向ですが、何をネタバレと思うのかは人それぞれですので、そこの点はご自分で注意していただければと考えます。

一番初めに言っておきたいのは、OVEDRIVEの作品=バンドものという固定観念は捨てたほうがいいということ。この『僕が天使になった理由』は、可愛い女の子とイチャイチャというのではなく、ある意味「胃が痛くなる」「頭を抱える」ような作品であるということ。

僕天応援バナー

2/28に発売された『僕が天使になった理由』ですが、これはプレイ終わる前に一度感想を書いて置かなければいけないと思ったので書いています。

プレイする時の注意点
①攻略サイトは見ない
②選択肢はなんとなくという理由でもいいが、適当に「上」と選ぶのではなく自分の意思で選ぶこと
③選択肢を一度選んだらその選択肢を一度ENDを迎えるまで変更してはいけない

この三点に注意することを推奨する。それはなぜか。このゲームにおいて選択肢というものは非常に重要な意味を持っているからだ。美少女ゲームが、映画やアニメや本などと決定的に違うのはどこだろうか? それは選択肢の有無であると言える。今現在発売している多くの美少女ゲームには選択肢が存在しているが、それはあくまで「ルート分岐をするため」以上の意味を持たないものをあるだろう。だが、このゲームでは違う。このゲームにおいて選択肢に正解というものは無い。ルートを決める以上の意味が強く含まれている。

タバレしない範囲で言えば、主人公(=プレイヤー)は他人の恋を手助けするかの決断を迫られる。「それだけ?」とおもわれる方もいるだろうが、恋といってもいろいろな形があり、さらには心以外の問題も多く含まれてくる。例えば、三角関係の男女がいた時、誰かを応援するということは、誰かの恋心を砕くということにほかならない。じゃあ、その責任を負えないから誰も応援しないという決断をしても、「応援しなかった」という責任が生じる。もし恋心を砕かれたのが友人ならば? もし全員が自分の知り合いだったならば? もし応援して実った恋が、悲劇を産んでしまったら? 条件はいくらでも変わってくる。悪い方向にも、いい方向にもいくらでも考えは巡る。主人公にできることは、応援するorしないという選択肢のみだ。その選択肢を終えたら本人たちの考えや、行動に左右される以外のことしか出来ない。
選択肢によって作品にのめり込ませるということが非常に良くできているゲームだ。選択肢を選ぶことにより、プレイヤーが責任を負う、感じることで、作品から心を離さない。

こまで上手い選択肢の使い方は、自分の中ではニトロプラスが出した沙耶の唄以来だ。あのゲームで初めて出てくる選択肢は、もう引き返せないという所まで来て初めて出現するものだった。どちらを選んでも、もう決定的な事象は起きてしまっているから、待っているものがハッピーエンドではないとわかってしまっている。それなのに選ばなければいけないのだ。現在は永遠には続かない。現在に自分の意思で終わりを迎えさせなければいけないのだ。



僕が天使になった理由僕が天使になった理由
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こからは体験版の話になるのだが、非常に惜しいと思うのは、このゲームで始めて選択肢が出てくるのは、第二章なのだ。自分はこの選択肢があるということが、このゲームにおける非常に大事なポイントだと考えている。僕天の体験版が出たのは去年の12/29ごろ。この時の体験版には第一章の内容と、第二章のさわりの部分しか含まれていなかった。そして、発売の約一週間前である2/23ごろに体験版Ver.2として第二章の終わりまでとHシーンが収録された体験版が公開された。

うにかして第二章が含まれた体験版の公開が一ヶ月ぐらい前に出来なかったのかと個人的に思っている。何度でも言うが、このゲームの前半の肝は選択肢だ。言ってしまえば、抜きゲーなのに体験版にHシーンが無かったようなものだ。第一章に選択肢を設けるという手もあるだろうが、それは実際のところ出来ない。その理由は、これがどういう話なのかを誘導し、方向性を見せるという目的も含まれているからだ。このゲームはおそらく前半では他人の人間関係に主人公たちが首を突っ込んでいくという形式になる。だが、後半ではおそらく、前半を受けての主人公たちの関係という話になっていくだろう。一話で主要キャラクターが何を信じているのか、何を行動の軸としているのかを示さなくてはいけない。そこに選択肢を持ってきてしまえば、キャラクターから得られるイメージにブレが生まれてしまうし、このゲームの方向性もブレが生じる可能性が出来てしまう。
選択肢がポイントであるという部分は事実だが、あくまでもポイントであり、この作品が内包するテーマも当然の如く重要だ。

のゲームはその人の心を映す鏡のようなゲームだ。なので、こうやって他の人の感想を読む前にすることがある。そう、それは自分でプレイすることだ。それでは、僕天を購入した人は、こんなふうに人の感想を読んでいないで回れ右してプレイを始めましょう。購入していない人は体験版をやってみよう。 このエントリーをはてなブックマークに追加
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