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2017-08-21(Mon)

【便乗】 #好きなエロゲを3つ挙げろ

2017年8月19日に公開された企画ですが、その企画に勝手に便乗してこの記事を書いています。面白いものには乗っかれの精神。参加者の記事を見て、やはりオタクがオタク語りしているのは好きだということを再確認しました。ここ最近はエロゲ感想ブログを新しく探したりなどしていないため、今回の企画のおかげでいろいろな方を知ることが出来、ブックマークが増えたことも素晴らしい点です。企画を立てた、ぐぬぬさんに感謝です。
自分も記事としてちゃんと書くか大変に迷ったのですが、記事の方向性と3作品が思い浮かんでしまったため、結局書くことにしました。Twitterで3作品をあげている方は是非語っていただけると私得。「何を選んだのか」よりも、「なぜ選んだのか」を聞きたい人なのです。


とりあえず、参加しているブログを紹介。
ブログ名管理人(敬称略)
それなんてえrgぐぬぬ
そこはかとなくエロゲを綴るみなせ
気がつけば複数買い。清流
すときゃすてぃくすゆず茶
悩むなら はじめてしまおう エロゲーマーひきにく
私情主義ヒンメル
Reverie Note -Egoistic-ながちょむ
御巫祭り(改)みかなぎまり
Ossan Gamer Diaryたすかむ
飢えた鼠はエロゲを噛みぬねずも
ジグザグパラドックス四階堂
おいしいデザートは最後にこなたん
よい子わるい子ふつうの子 2(仮)OYOYO
立ち寄らば大樹の陰たいき
買わぬ買わんの右往左往は
浮き立つほどに浮き立ちて明け暮れないの物語
B2F
エロゲ価格相場を見守るブログion
ビビろぐビビ
紫の境界Purple

3作品を選ぶ際、どういった基準で選べばいいのか、まずは悩みました。好きなエロゲを3つなのか、面白かったものを3つなのか、単純にオススメしたい作品を3つなのか、マイナーだけどいいものだからと3つなのか、エロゲを殆どやったことがない人に向けた3作品なのか。悩んだ結果、私は企画の名称が『好きなエロゲを3つ挙げろ』……『エロゲ』ということで、『エロ』『ゲー』の部分を重要視した上での紹介をしてみようかと思います。プレイ済みエロゲが100作品にも届いていない人間ですが、自分が見てきたものを自分なりに紹介できていれば幸いです。その前にちょろちょろと私の価値観を含めた余談をば。

エロゲーを謳っているのだから、エロ(セックス)は濃厚にという意見もあると思いますが、自分はあまりこだわらない派です(もちろんエロがおざなりでいいと言うわけではないです)。エロ(セックス)は大切な行為であると同時に、日常的な行為でもあるわけです。童貞が言ってても説得力の欠片もありゃしないのですが(大爆笑)。それと、『エロゲでしか出来ない作品』なんてものを作れたら、その時点である程度名作だと思っています。小説でしか出来ない作品、アニメでしかできない作品、そういうものはやはり名作でしょう。

「エロ」はある程度共通の認識があると思いますが、エロゲの「ゲーム」ってなんでしょう? エロゲでゲーム要素を重視しているというと、ブランドで言えばアリスソフトやエウシュリー、作品で言えばBALDRシリーズ、ティンクル☆くるせいだーす、などを思い浮かべる方が多いと思います。エロゲの歴史から考えると、もともとはゲームが存在し、そのご褒美としての役割としてエロがあったというのが一般的のようです(参考:エロゲー文化研究概論)。では、一本道でただシナリオを読んでいくだけの作品はゲームと呼んでいいのでしょうか? 選択肢でそれぞれのヒロインへと枝分かれし、シナリオを読むだけの作品はゲームと呼べるのでしょうか? この話題はゲームそのものの定義から話さなければいけなくなってしまいます。ただ、ぶっちゃけ自分の中に明確な定義が存在しているわけではないです。自分が思うエロゲのゲーム性については紹介作品の項目の方でなんとなくでも伝わればいいと思います。

それでは長くなりましたが、3作品の紹介に移ります。今回選んだ3作品は元々ブログで感想を書いていたので、それらの要約みたいになってしまいました。当時の自分に対してよくやったと言いたくなる部分があったので、ほぼコピペしている部分があったりしますw このエントリーをはてなブックマークに追加




ここから夏のイノセンス
【ここから夏のイノセンス!】情報ページ公開中!

この作品だけはエロ方面のみで選択しました。自分のやってきた中でこれよりシコれる作品はあったのですが、そういう意味ではなく「エロ」というものを掲げるならば、この作品が1番適切だという判断。

自分がこのゲームの特徴と考えているのは『性行為を肯定的なものとして描いている』という点です。セックスは気持ちがいい、互いの愛情を直接的に伝えるための手段とか、そういう意味での肯定的な表現は他のエロゲでも見たことがあります。けれど、性行為が繁殖行為であり、そもそもの生物の存在意義である子孫を残すことについても突っ込んでいるのは珍しい。男性の身体、女性の身体がなぜ違うのか、それは子供を生むためのものだから。生命の誕生は祝福すべきことであり、奇跡のようなものである。だからそんな生命を生み出す仕組みを備えている人間の性は素晴らしいという肯定ですね。そんな奇跡があったからこそ、いま自分たちがここにいることが出来る。もちろん性行為は秘すべきこととしつつ、穢れた行為や忌むべきものなど現代にある観点も入れつつ、ゲーム全体としては明るく前向きに捉えている。

この作品では素晴らしいこととして描かれる性行為、作品を客観視した時の特徴的な点であると思っています。それをやってくれたからこそ、エロに対してより受け入れやすくなったんじゃないかと。男女が出会い、惹かれ合い、夫となり妻となり、性交を通して父となり、母になる。そもそもとして人はそういう風に出来ているのだから。そんなことを、説得力を持ってなしてくれたシナリオとキャラクターたち。だから、エッチでいいんだよ。

作品全体に肯定、許容という要素があるので、こう……シコりやすい()。もちろんプレイする人の性癖(誤用)にもよりますが、エロシーンはとてもエロかったです。子作りエッチは最高↑↑↑


Clover Heart's

一気に古くなって、ALcotのデビュー作である『Clover Heart's』。私がこの作品を好きだというと意外だとよく言われてしまい、大変遺憾w

『ここから夏のイノセンス』に引き続き、特殊な要素はありつつも、いたって普通な学園モノエロゲになります。移植版もあるので、エロを抜いても成立するシナリオではありますが、自分はこのエロとの向かい方が好きでした。この記事の最初の余談で「エロは日常的な行為でもある」と語りましたが、この作品ではクリア後にその部分だけ抽出して見る事のできる回想シーン以外にも、性行為をしているという描写がちょこちょこ入ります。私そういうの好きなんですよね。
たまにエッチをした描写はあるのに、エッチシーンが描かれていないと叩かれている作品を目にしますが、エッチシーンとして作るべきシナリオの流れでシーンが存在しないから叩かれてるんじゃないかと思ってます。そういう作品はちょっとプレイしないんで本来ならば言及しないほうがいいとは思っているのですが、一応書いておきます。

この作品がゲーム的だと思うのは、1番最初にどちらの主人公の目線かわからない状態で始まり、その状態でいくつかの選択肢を選ぶことで、どちらの主人公目線で始まるのかが決定する点です。その選択肢の例をあげれば、自販機で買う飲み物がコーヒーなのか、ミルクティーなのかなど。言ってしまえば最初にルート選択があるというだけなのですが、選択肢が出ているにも関わらず「プレイヤーが気が付かないうちに選ばされている」という感覚に陥ったというのが重要でした(共感が得られるのかは微妙ですが)。その選択肢により起こる未来・結末を想像し、考え、選択するのではなく、単純にプレイヤーの趣味であったり気分であったりで選択が行われるというのが面白かったです。

ゲーム的とはちょっと違った部分ですが、ヒロイン目線でヒロインの心情が語られる場面があり、章ごとに存在するOPの途中に入るヒロインの語り、ヒロインが書いている日記の2箇所。OPで語られるのは願い、希望、そして日記で書かれるのは結末、事実。この関係性が非常に上手い。何を願い何を得たのかは是非プレイして確認して下さい。

ゲームの構造であったり、音楽の使い方であったり、とても完成度が高く、プレイしたときには結構衝撃的でした。惜しむらくは「白兎×冷亜」と「夷月×莉織」では、シナリオでキャラクターでも圧倒的に「白兎×冷亜」が好きだということ。冷亜OP2が大好きです。


僕が天使になった理由
僕天応援バナー

自分の中では、これぞエロゲー。これを紹介したいがために紹介の方向性を決めたと言っても過言ではない(過言)。18禁だから出来た物語という意味では、今回の基準であるエロを間違いないなく満たします。エロを抜くと成立しないシーンもあることはあるのですが、それよりも18禁の要素があることで、大人の物語のような雰囲気を作り出されていることを重要視したいです。セックスを特別のことと描いている部分もあるのですが、同時に普通のこととして描いている部分もあるというのがポイント。

この作品はエロゲによくある選択肢によってルートが決まるというタイプのものです。選択肢以外にゲーム的な要素は出てきません。ですが、私はこの作品は非常に「ノベルゲームという媒体におけるゲーム」だと思っています。そこについて解説するには、先にこの作品がどういう物語なのかを話さなければいけません。まずは公式の紹介とあらすじをコピペ……と思ったのですが、そちらでは言っておかなければいけない部分が含まれてなかったので自分で説明します……。

人間には心が存在し、何かショックなこと、耐えられないことが起きるとその心が欠けてしまい、欠ける原因となったことに対しての執着を失ってしまう。例を挙げれば、愛の告白をした結果振られたことが原因で心が欠けた場合、本人の意志とは関係なしに告白した相手に抱いていた恋心を失ってしまう。そうして心の平穏を保つ。
この世界における天使は、そんな欠けてしまった心を元に戻す役割を担っている。しかし、ヒロインでもある天使「アイネ」は、物語冒頭で心の欠片を返却する力を失う。ただの人間である主人公「桐ノ小島巴 (きりのこじま ともえ)」は、別の方法で心の欠片を返却することが出来たため、アイネは自分の代わりに心の欠片の返却をしてくれないかと主人公に依頼する。

そして、続いて体験版でもプレイできる第2話のあらすじを見てみましょう。

そろそろ30歳を迎える女性教師の「夢乃」。彼女は元教え子で現在はプロのミュージシャンを目指している「春貴」と交際していた。夢乃は親から見合いを勧められ、結婚し実家へと戻り酒蔵を継ぐことを求められていた。春貴との幸せな未来を手にしたい。けれど、両親を裏切ることもできず、春貴にもミュージシャンとして夢を追い続けて欲しい。そんなどちらも選ぶことが出来ない悩みを抱えたまま時間だけは過ぎていく。ある時、春貴はプロのミュージシャンへの道が拓けることとなった。ただ、プロとしてデビューする条件として提示されたのは、夢乃と別れること。同時期、夢乃の父親は疲労で倒れたとの報せが届く。そんな夢と現実の板挟みになった夢乃の心は耐えられずに欠けてしまい、春貴への想いを失ってしまう……。

この作品で出てくる選択肢は全て、心の欠片を「返す」or「返さない」の2択です。あなた自身がこの状況に陥った場合どちらを選びますか? 愛を選びますか? 仕事を選びますか? では、この状況が他人の場合は? 他人の幸せを自分が勝手に判断していいんでしょうか? この選択肢で悩むことが出来た人にこそ、この作品をプレイして欲しいと強く思います。なので、悩んだ人は攻略サイトなどを見ずに、是非そのまま自分の意志で選択し続けて下さい。

『Clover Heart's』もそうでしたが、私は選択肢を上手く使っていると感じるエロゲが大好きです。選択肢はルート分岐のためのただの道具ではないんですよ。選択肢によって作品によりのめり込ませることも出来るんです。ノベルゲームという媒体では、主人公視点というものを鍵として扱った作品やゲームのシステムを利用したループものの作品など、媒体を活かしたものはいくつもあるのと思うのですが、選択肢を上手く利用する作品もあるんだということは強く主張していきたいです。ちなみに、他に選択肢が印象的なものとして自分が挙げているのは『沙耶の唄』『君と彼女と彼女の恋。』あたりです。



と、3作品の紹介が終わりましたが、どうでしたでしょうか? 自分はキャラクターの魅力をを語るのが下手なため、作品全体の構造などを中心に紹介していくことになりましたが、少しでも興味を持った方がいれば幸いです。裏話としては、正直記憶があいまいで、自分の中の印象を中心に語ってしまった部分があり、過去の自分の記事と見比べて修正していくという謎な作業もしたりしました。「エロゲ」というくくりで3作品紹介しましたが、単純にこの3作品とも好きなでオススメしたい作品ではあるので、久々にそれぞれのことを思い返せて楽しかったです。それなりに有名な作品たちなので、DL版など入手は簡単かと思います。

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2017-07-09(Sun)

『ニュートンと林檎の樹』感想~見知らぬ空から落ちる風、優しきキセキ――~ #ニューリン

laplacian『ニュートンと林檎の樹』応援中!
メーカーLaplacian発売日2017年5月26日
ジャンルコミカル・タイムトラベルADV企画・シナリオ緒乃ワサビ
デザイン関係上都河希音楽上原一之龍(BGM)、RhythmNinja(挿入ムービー)
原画ベコ太郎、ぺれっと、霜降評価A(S~E)
2016年に『キミトユメミシ』でデビューした新規ブランド・ラプラシアンが世に放つ2nd project『ニュートンと林檎の樹』。独特の告知や宣伝を取っていたため、「ニューリン」「ぜんぶ童貞のせいだ」など聞いたことがある人は多いのではないでしょうか? 公式のページを見てもらえばわかるように、なかなかに突っ走ってる感あります。作品紹介のノリが既に作品のよう。
端的すぎるほど端的な感想を言うならば、とてもいい作品だった。プリンキピア(ニュートンが書いた万有引力の法則などについて書かれた書籍)を読みたいと思ってしまいました。


最初から脇道にそれますが、ラプラシアン処女作の『キミトユメミシ』の世間的評価といえば、萌えゲーアワード堂々落選し、話題になったとも、評価が高かったとも言えず(ゲームが起動しないという悪い意味では部分的に話題となりましたが)、民安ともえさんが歌唱したトンデモ劇中歌である『時雨Dictionary』の一発屋にならないか心配という声が聞こえてくるなど、あまりあまりな感じだったように自分には見えました。ただ、私の感想を言うならば「自分は好きだよ」と答えます。実際、全体の構成やシナリオは「普通」の域を抜け出さないという感はありましたが、テキストやネタに光るものがありました。「普通」のなかでは確実に面白いです。特にエロゲによくいる親友キャラポジションであるところのモモケンの存在は素晴らしい(ヒロインじゃないんかーーーーい!)。ということで、ニューリンのノリが面白かったという人はプレイする価値はありますよ。普通に恋愛してエッチしてというタイプのエロゲはあまりやらない私が最後まで楽しく出来たという時点で、自分の中の評価は高いです。


ニューリンの話に戻りますが、この作品がオススメなのは、とりあえずはラプラシアンのノリが合う人ですね。ティザームービーだったり、カウントダウンムービーを見て面白いと思えるのならば、たぶん大丈夫。本編でさらに酷いネタもぶっこんできたりしますが……。それと、ある程度は硬派ですが、タイムスリップものとしてはちょっと突っ込みどころが多いので、そこら辺ある程度スルー出来る人でしょうか。自分の場合、突っ込んでいましたが途中からは面白いから別にいいやと投げたタイプの人です。
四五→ラビ→春→エミー→アリスが推奨攻略順でしょう。明らかにこうなるように作ってます。

ちなみに、各店舗特典に5分、10分程度の追加シナリオが入っていますが、公式通販特典のものがオススメです。おそらくまだ買えるはず。ラプラシアンのどうしようもないノリが詰まっているので、ラプラシアンが好きな人は、おそらく好き!w



続きからはいつも通りの詳細感想。今回は長いです。 このエントリーをはてなブックマークに追加






『ニュートンと林檎の樹』自体の魅力というわけではないのですが、決して見落とすことが出来ないのは「リアルタイムの面白さ」でしょう。既に上でも書きましたが、宣伝・告知がとにかく面白い。宣伝一つ一つがラプラシアンらしさを持った作品の1つと捉えても良いんじゃないかと思ってます。秋葉原に飾られた「ぜんぶ童貞のせいだ。」看板。看板が飾られていることをステータスとして、関係者やファンが写真をとりSNSにアップするというのは他でも見られる行為ですが、ニューリンの場合はそれに加えあのキャッチコピーを面白いと思った人も話題にして、いろいろなところを巻き込んでいたように見えます。それだけでなく、エミーのこれがフリー素材として使っていいと公式から提供された時に、ファンたちが揃って悪ふざけをしているんですよ。そういうブランドとユーザーの信頼関係(?)というのも魅力なのでしょう。
ニューリンのコラムではラプラシアンというブランドは生モノだというような表現が出てきていました。「制作発表から発売、ゲームプレイ後まで、Laplacian自体をイチパッケージとして遊び尽くしてくれたら本望」とまで書いているあたり、自分はもろにターゲットにされてしまっているな、と思うばかりであります。



ラプラシアンの分かりやすい特色の1つである、挿入ムービーという演出。『キミトユメミシ』では『時雨Dictionary』という楽曲の力もあり、インパクトは100点満点。ニューリンではインパクトなどは前回を下回りましたが、ムービー単体としての評価ではなく作品の中で流れるムービーとしては、可能性を強く感じるものでした。
四五では万有引力の法則が失われてしまったことに対する説明。普通に説明するだけならば冗長になる内容をインパクトで押し切ってしまうという、強引でありつつもスマートな方法。ラビはその特異なキャラクター性を前面に押しだしたギャグよりのもの。春さんは、春さんの中にあるイメージ、ひいては春さんがどういう人なのかが伝わり、主人公の気持ちが動くという転換点。エミーはギャグ、完璧にギャグ。アリスはデートという1つの見せ場を、短時間ながらも想いが詰まった代えがたいものとして。それぞれムービーを用いていろいろな種類の演出を提案されたかのようでした。公式HPが公開になった時に「全ヒロインに挿入ムービーあり」という文字を見たときには全部ネタ方向に振り切れたものになると思っていましたが、そんな自分が浅はかでした。強制オートモードのような演出は他のエロゲでも見ますが、挿入ムービーのような独特なものはほぼ見ないというか、知らないので、これからも上手く作品に組み込んでいければ最高ですね。(ムービーなだけに、再生までと再生後のラグはどうにかして欲しいという難しい要望はあるんですがw


少しキャラクターについて触れていこうと思います。『ニュートンと林檎の樹』におけるセンター、メインであるアリスと対になるラビという存在。見た目や立ち位置など事前情報からも対になっているということには触れていましたが、作中でもこの二人は表のヒロイン、裏のヒロインとして扱われていたように見えます。アリスにたどり着くには、修二たちがプリンキピアの出版へとたどり着くためには、ラビの協力、自己犠牲が不可欠。
私がプレイしていた時は、なかなか衝撃的なラビシナリオが終わったところで一回休憩をとりました。ラビのことだから、過去に飛んでも、なんだかんだで修二たちがやろうとしていることをサポートして、うまくやっていくんだろうな。また修二と恋人になったりするんだろうな。とか思ってたんですよ……思ってたんですよ! そして、プレイ再開したらどうですか! 頭抱えて「ラビィィィィイイイイ!」としか言えるわけないじゃないですか……。その状態で、春さん、エミー、アリスのシナリオは進んでいくので、必然的にラビの存在感は強いですね。
シナリオもそうですが、どうしてもラビのいい人感がにじみ出ています。マッドサイエンティストであり、気の向くままに生きる人間であり、自分の意志は通すタイプであり、扱いづらさという意味では1番でありつつも、常識人であり、誰かを思う気持ちで言えば作中で1番でしょう。自分の幸せも重要視しているけれど、それよりも大切な誰かのことを想えるキャラクター。母を失い、信頼できる彼氏を失い、居場所を失い、それでも自分の道を生きていく強いキャラクター。アリスシナリオでも修二との別れというものを既に経験している立場からの言葉が染みます。ラビシナリオは2周目だとテキストが多少変化するので、プレイしてない人は是非プレイを!

春さんはお姉さん感好きでした。こうエロゲの姉属性キャラ?はグイグイくる印象があって苦手としていたのですが、ちゃんと主人公との距離感をとりながら年上の余裕を見せてくるあたり素敵でした。修二の呼び方が普段と変わる時だとか素敵だなって、なんか普通の萌えゲーで抱くような感想をちょこちょこ抱くんですよね。萌えゲーだとそういうのあんまり思わないのに!w そして、小倉結衣さん好き好き~。

四五は……うーん。恋愛に関してとまどう仕草であったり、修二の言葉に喜ぶあたりであったり、いいキャラはしてるんですよ。可愛いんですよ。ただ、シナリオでエロゲによくあるパターンである、告白→エッチ→仲違い→トラブルなり何かが起こる→仲直りという流れを悪い意味でやってしまった部分があるように感じます。そして、ペストの流れは特急でタスクをこなすかのようで、シナリオの勢いに自分の心情が付いていけませんでした。二人で罪を背負い、ただそれだけではなく前向きに歩いて終わるというのは、いいENDなので、そこに至るまで何かがあれば……。シナリオで足を引っ張られてしまった印象でした。

エミーはまったく隠れていないシークレットでしたが、可もなく不可でもないようなふわふわしたシナリオなどではなく、ちゃんとアリスの流れからの可能性を描いているあたりやっぱりヒロインじゃないかとw ラビとは別の意味で対になっているキャラクター。それぞれのシナリオでのあのSD絵による出番だったり、『ニュートンと林檎の樹』における最高の盛り上がりの1つである月が落ち続けていることを発見するシーンであったり、優遇されすぎててやっぱりヒロ(ry





アリスシナリオラスト、修二が元の時代へ帰るという決断をします。タイムスリップものとしては元の時代に帰るのか、帰らないのかは逃れられないポイントであり、ここを如何に見せるかというのはライターの実力でしょう。最初にプレイしたときには自分の中で妄想しつつ納得してプレイ出来たのですが、2周目やっていたらその考えが間違ってた(というかズレていた)ことに気がついてモヤモヤしていました。ということで、自分なりに整理してみます。
前提として、修二たちは別に帰る"必要"はないんですよ。そもそも修二たちが過去へ来てしまった事によって未来は確実に変わってしまったわけです。「ニュートンがプリンキピアを書く」という大きな部分については修正しましたが、細かな部分は修正できるはずもありません。一例を挙げれば、プリンキピアにフックの名前が載ることはないように思えます。未来に帰ったとしても、元々の未来とは細かな部分で違った未来になっているかもしれない。もしかしたら自分の存在が消えてしまっているかもしれない。逆に過去に残ったとしても、自分たちの存在が消えてしまうというようなこともない(作中ではそのような兆候はなし)。反則かつリスクがありました、修二と四五、修一郎の三人の未来の知識を使えばよりよい未来を作ることすら可能かもしれなかったわけです。

ちょっと話は逸れて、作中で何度も出てきた『居場所』という単語。『ニュートンと林檎の樹』という作品を見渡した時のテーマの1つが『居場所』だったんだろうと思っています。テンブリッジに居場所がないと感じていた修一郎。自分にとって大切なもののために、世界との繋がりという居場所を失ってしまったラビ。物語開始時点では、どこにも居場所がなく、ふらふらとあてのない生活をしている修二。修二の場合、過去で時間を過ごすにつれ、アリスたちがいるあの寮が、過去が途中から修二の居場所へと変わっていきました。では、なぜアリスシナリオではアリスの隣が最終的な修二の居場所にならなかったのか。アリスと修二の出会いは不幸な偶然(?)でしたが、そこからの道のりは歴史を出来る限り元の通りに修正するという目的からくる関係となりました。元に戻すことを目的としたところから始まった関係。だからこそ元に戻ったことによって、プリンキピアが完成したことによって別れが決定づけられる。元々出会うはずではなかったから、別離を選んでしまう。そして、一人きりではないアリスにとってあの時代が居場所であったように、修二も元の時代に帰っても一人きりではなかったんじゃないかと。アリスの過去との繋がりを断って未来へとついてくる選択を否定したように、修二も元の時代の繋がりを絶つ選択を自身で否定していたんじゃないかと。そして、修二の選択は未来へと帰るというものになったのではないかと。もちろん先に「元の時代に帰るべき」という前提があったということも理解はしています。


アリスEDでは、じいさんVerの修一郎から「この世界は修二が救った世界。この世界のすべてが修二の居場所」といったような言葉を受け取ります。どう考えても励ます目的で、なんとも都合のいい解釈ではあるんですが、この言葉をそのまま修二は受け入れたのかは疑問です。ただ、その後描かれてはいないED後の展開の答えは修一郎が持っているように見えました。過去に行った修一郎と修二は、最初の時点では似た者同士です。元の時代ではコンプレックスを抱えていて、居場所がなく、認めて貰える人もない。同時に過去では繋がりや、大切なものが出来た。そんな修一郎は自身のダメなところは認め、信条は曲げず、おそらく元の時代へと帰った後は、居場所を勝ち取りノーブル賞を取るまでの人間になっているわけです。修二はそんな自分と鏡写しのような祖父を見て何を思っていたのでしょう? 結局、修二も修一郎と似たような人生を歩んでいくんだろうと思います。ただそうなると、アリスEDムービーの修一郎の姿が思い浮かんでしまい、なんとも言えない。ちなみに、アリスEDムービーの修一郎の一枚絵は絵で語る感があってとても好き。ああいうタイプはテキストで書かれるよりも、一枚の絵で済ませるほうが圧倒的に好き(SAOの赤鼻のトナカイとか)。
居場所というのは大切で、休む場所、安心できる場所がなければ疲れ切って、いつかは倒れてしまうでしょう。アリスの"隣"は修二の居場所にはなりませんでしたが、アリスとともに過ごした日々は修二の居場所になりました。その日々の思い出も、その延長線上にある世界も、修二の居場所というのは間違いではないです。そして、春さんが星空を観測することで、見たこともない場所に繋がりを感じられたように、修二と別れたアリスも自分の研究の先にある修二の居場所を感じようとしていたでしょう。


アリスルートは帰ることを選択しましたが、ではなぜエミールートでは帰らなかったのか。エミールート中でプリンキピアが完成することはありませんでしたが、歴史の修正は完了しました。にも関わらず、修二が帰らなかったのは、歴史の修正は成功しても、エミーの居場所を消してしまった、変えてしまった責任をとるというルートに見えました。ここがアリスとエミールートの違いだったんじゃないかと。そして、「やるべきこと」の違いでもあったんじゃないかと思います。修二にとってエミーの隣にいることが自身のやるべきことだったルート。アリスがプリンキピアを書き上げることがやるべきことで、それが完了した時、その次のやるべきことは過去にはなかったんじゃないかと。アリスにとってはやりきったがゆえの別れというのが物悲しい。元あった流れに戻るほど別れは決定づけられていくところが歯がゆい。

自分の推測多めですが、そんなことを考えてプレイしていました、という紹介。7割がた妄想。でも、この形で作品として世に出たのは事実ですし、この形で自分は良かったと思います。あの「強くてコンティニュー」はおまけでしかないので、完全に横においておいて話してます。あちらも「ラプラシアンだ!」としか言えない面白さに満ちているものでした。EDで出てくる使われてないSD絵が、「こんなの使うやろ」と指定して作っておいたけど、使いみちがなかったからあそこで供養した絵に見えてしかたがないwww キミユメであった制作陣からのコメントがなくなってしまったのは残念だったけれど(キミユメ既プレイ組は『強くてコンティニュー』の後、絶対ラプラシアンのロゴ押しにいったでしょ?)、ニューリンコラムがその役割を果たしていたと考えれば納得。





Twitterに感想で「ボロ泣きした」と呟きましたが、別にアリスとの別れが辛くて泣いたというわけではありません。本当に本当に好きなキャラとの別れならばそれもあったんですけど、そういう展開に慣れてしまったこともあり、今回は泣きませんでした。「じゃあなんでおまえは泣いたんだ?」という話ですが、元の時代に帰って知る、アリス、エミー、春さん、ラビの生きた証、生き様とでも言うのでしょうか。あの過去で出会った4人があの時代で生きていたことが形となって残っていた。もう二度と会うことがない戦友が戦い抜いた証がそこにあったんですよ。過去の出来事が今に繋がっていたんですよ。身の回りにあるものに、自分たちが学んできたものに、彼女たちの影があったんですよ。今の自分を形作るものの一部に彼女たちがあったんですよ。泣く……。
自分の中では、これがプリンキピアを読みたいという1番初めの感想に繋がります。プリンキピアを通して『ニュートンと林檎の樹』という作品を、プリンキピアの中にあるはずの『ニュートンと林檎の樹』を感じたいというものです。聖地巡礼と似たようなものでしょうか? 自分の場合、場所だけでは作品との繋がりを感覚で得ることが出来ないため、聖地巡礼はあまり積極的にはしませんが。


ちょこちょこ自分のTwitterで触れていたラプラシアンとKeyの類似性については、具体例を上げたことがなかったので、ここで触れておこうと思います。箇条書きで上げていくと、「本筋とはほぼ関係ないギャグでしかない選択肢(なのにたまにシナリオに影響する)」「立ち絵で遊び出す(紙袋をかぶらせる)」「食べ物によるキャラクターの性格付け」「ギャグの天丼」など。要素を上げてみると他の作品でも見られることは多いのですが、なぜか自分には似ているように見えて仕方がない。やった人にしか伝わらないことを承知で言いますが、『ニュートンと林檎の樹』の場合、特に『智代アフター』と似ています。エミーの「カッ!」と智代の「orz」の扱い方とか、すごい似てないです??? ニューリン発売前は智代アフターのD&Tと似てる結末だったらどうしようかとか考えていました。で、やってみたら、やっぱり似ている……。これだけ似ている連呼していますが、雰囲気とか細かなところは似ていますが、全体としては別に似てないですw 私個人の感覚として「似ている」。



だらだらと、ながながと書いてしまいましたが、『ニュートンと林檎の樹』はとても好きな作品でした。ラプラシアンの次回作も当然のように楽しみにしています。
ラプラシアンと言ったら緒乃ワサビさんなのですが、どう見ても取扱い注意な爆弾ですw いい意味でも悪い意味でも独特! 登場キャラクターの言動が唐突にワサビさんのものになるあたりとか。でも、それがワサビさんの言動だって分かる人はラプラシアン好きでニコ生とか毎回チェックしてる人間ですよね。そんなこんなで、確実に魅力ではあるので、自分の中ではこのままいったれ!って感じですw 次は何をするのか、楽しく追いかけて行きたいですね。

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2016-03-10(Thu)

『ここから夏のイノセンス』感想~秘めやかなひと夏の恋物語~ #ここ夏

【ここから夏のイノセンス!】情報ページ公開中!【ここから夏のイノセンス!】情報ページ公開中!
メーカークロシェット発売日2015年11月27日
制作統括たろ3シナリオ保住圭、姫ノ木あく、和泉万夜、深山ユーキ
原画せせなやう音楽森まもる(Angel Note)
グラフィックチーフ佐倉涼太評価A-(S~E)
エロゲブランドでは完全に大手感のあるクロシェットが制作した『ここから夏のイノセンス』。原画にせせなやうさんを迎えたこと、妹キャラがいないこと、都会から田舎へと戻ってきた(?)ことなど、作品に入る前に語るべき点が多いかと思いますが、私はこれが初クロシェット作品なので、そこら辺の比較解説は投げます。ただ、「クロシェットに初めて触れる人」として、作品感想に入る前に少しだけ印象についての感想。クロシェットのイメージといえば、まあ誰もが言うであろう「おっぱい」「巨乳」。もう少し言うならば肉感でしょうか? 今までHPや体験版、ムービーを見ていて思うのは、彩色が非常にエロい!ということ。彩色は、せせなやうさんが原画になっても変わらない部分なので、やっぱりエロかったですね。他の場所でも散々言われていることだと思いますが、自分の中ではこのような感じでした。


プレイした感想を言うと「素晴らしくエロかったですね!」というのが第一に来ます。当然のように。マイ・ベスト・エロシーンは、いろはの4枠目。体験版でそのシーンが見れますが、製品版プレイ予定のある人は絶対にやらないほうがいいと思います。あれはシナリオの流れでエロシーンに入ったほうが絶対にいい。プレイしていて後悔しました。次点がアリカ2枠目。


いつもの「このゲームをプレイしたほうがいい人」ですが、萌え抜きゲージャンルなので絵を見てエロいと思う人。孕ませエッチが好きな人。体験版の雰囲気が合う人ですかね。それと、あくまでこの作品の主目的は可愛い女の子とエッチな物語を紡ぐというところなので、物語にカタルシスなど求める人は物足りない感覚になるかと思います。ゆるふわ日常系の雰囲気にちゃんとした流れのシナリオがついた感じです。まあ、そんなこと説明されるまでもないかと思いますが。
個人的に体験版で刺さる部分があったのでプレイしましたが、いろいろな意味でやってよかったですね。



詳細感想は続きから。エロエロ実況系感想を書こうとプレイ中は思っていたのですが、結局いつも通りの変にカタイ感想にしかなりませんでした。無念。 このエントリーをはてなブックマークに追加



舎モノや昭和モノなどでよくある「昔はよかった」という、一部だけを見たような、個人の価値観のみで語られるような無条件の肯定は苦手ですが、昔のほうがよかったことだって当然のようにあるでしょう。この作品ではいろいろ説明せず単純に人の魅力で肯定している感じもするのですが、プレイしている際は特に拒絶感もなく、逆に居心地の良さを感じるものでした。その居心地の良さ、ヒロインの魅力によるものだと私は捉えていますが、それこそがこの作品の説得力だったのかと思います。可愛いは正義……なんて言葉が頭をよぎりました。
別の時間や世界から来た人間が、その時代、その場所の多くに触れて、そここそが自らの居場所であると認識する物語。世間のものに触れたことのないお嬢様が、民の暮らしに触れて変わっていく物語。装飾を取って簡潔にしていけば、地盤となる話はこの2つの合体技でしょうか? もちろんどこを省略するかによって変わってくるものではあります。どこまでも簡潔にしてみればボーイ・ミーツ・ガールですから。


摘している人を見ないので少し不安ですが、自分がこのゲームの1番の特徴と考えているのは『性行為を肯定的なものとして描いている』という点です。セックスは気持ちがいい、互いの愛情を直接的に伝えるための手段とか、そういう意味での肯定的な表現は他のエロゲでも見たことがあります。けれど、性行為が繁殖行為であり、そもそもの生物の存在意義である子孫を残すことについても突っ込んで肯定するエロゲは初めて見ました。男性の身体、女性の身体がなぜ違うのか、それは子供を生むためのものだから。生命の誕生は祝福すべきことであり、奇跡のようなものである。だからそんな生命を生み出す仕組みを備えている人間の性は素晴らしいという肯定ですね。そんな奇跡があったからこそ、いま自分たちがここにいることが出来る。もちろん性行為は秘すべきこととしつつ、穢れた行為や忌むべきものなど現代にある観点も入れつつ、ゲーム全体としては明るく前向きに捉えている。
あまりゲームの感想に現実の話を混ぜ込むのも良くないと思いますが、現代に足りてないのはこれなんじゃないのかとまで思ってしまいます。本来ならば、男女が契り、子供が生まれるということは社会全体で喜ぶべき祝い事なんじゃないかと。子供を育てる責任は親だけではなく、社会全体が負うべきものではないのかと……とまで行くと言いすぎですね、忘れてください。そんな現実は置いておいて、この作品ではとても素晴らしいこととして描かれる性行為、作品を客観視した時の特徴的な点であると思っています。それをやってくれたからこそ、エロに対してより受け入れやすくなったんじゃないかと。男女が出会い、惹かれ合い、夫となり妻となり、性交を通して父と母になる。そもそもとして人はそういう風に出来ているのだから。そんなことを、説得力を持ってなしてくれたシナリオ。だから、エッチでいいんだよ。


観的な特徴がそれならば、主観での特徴は何だという話にもなります。それは体験版で刺さるものがあったという話にも繋がってきます。自分の好きな展開に「受け入れられる」「肯定される」というものがあります。と、書けば作品に触れた人ならばわかりますよね。未来(主人公にとっては現代)で、特異な存在として浮いてしまった主人公。それが過去に来て、いろはちゃんに受け入れられ、晶生村に受け入れられ、未来の2人からも受け入れられる。自分が自分でいることが出来、それを他人にも受け入れられる環境。さらに言えば、主人公に性欲があると知ってしまった際のヒロインたちの行動。戸惑いながらも、それまでの主人公の行動を思い返し、意識しつつも変わらない態度をとってくれる。作品の中でも主人公のモノローグで何度も受け入れられるという意味の言葉が出てきたかと思います。ほぼ知らない人間同士という関係が物語を経て変化していくタイプの作品はやっぱりいいですね。関係の変化は一旦恋人関係で止まるので、そこからは別の面白さが必要となりますが。


やはり2015年最高のOPムービー。ただ、本当に今更な意見ですが、サムネイル発色が悪く見えるので、そこは変更したほうが良かった気がします。


ナリオからは離れて演出面の話に映ります。クロシェットは前からそうだったのかもしれませんが、立ち絵が1つの台詞の中でも何度も変化し、さらに動き回るというのは相当な労力がかかっているんでしょうね……。それのおかげでキャラクターの可愛さはすごい出ていたと思います。ただ、ちょっと難点もあり、自分はボイスを全部聞かないタイプの人なのですが、ボイスの途中で次に進むと、本来3回変化を残していたとしたら、その三回を高速でしてしまい忙しなさが出ているように思えました。それと同時にちょっと演出面で残念だったのは、盛り上がりにおける音楽の使い方。盛り上がりのシーンで『きっと未来まで届くよ』が使用されるのはわかります。それように制作したものでしょうから。しかし、それが共通でも個別ルートでも使われているので、プレイ終盤になってくると飽きが来ました。さらに、非常に高い壁を乗り越えた時と、高い壁を乗り越えた時、やや高い壁を乗り越えた時、全てで同じBGMが使われてしまうことで、壁が同一の高さに思えてしまい、一部分で安っぽく思えてしまったのが残念でした。本当に「ここぞ」というシーンでだけ使われていれば変わったんじゃないかな、と。ココらへんの意見はメーカーに送れという話なので読み飛ばしてもらっても良いのですが。



にもいろいろ言いたいこと(このエッチシーンのシチュエーションはこうしてくれ等)はありつつ、それを言ってしまうと本当に「お前の趣味じゃねえか!」になってしまうので黙ります。ただ、ユノについては私の言いたいこととほぼ同じことを言っている人がいたので引用します。

■ユノ
個人的に本命でしたが色物枠過ぎました
全裸H無し。アナル担当。前での正常位無し。イジメか
http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=21928&uid=trump

ユノはポテンシャルは高かったんだ。高かったんだよ……(涙)

『ここから夏のイノセンス』というタイトルに有る、イノセンスという言葉を調べれば「無邪気、潔白」などという日本語で表現されています。そんな無邪気な可愛い女の子たちと、長閑な田舎で過ごす優しい時間。ここから始めることが出来るんじゃないか、変わることが出来るんじゃないか、そんな期待感やわくわく感を持ったエロゲーらしいエロゲー。気持ちの良いゲームでした(意味深)。

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2016-02-09(Tue)

『見上げてごらん、夜空の星を』感想~夜空を巡る永遠の旅へ~ #夜空の星を

見上げてごらん、夜空の星を 2015.12.18 First light!
メーカーPULLTOP発売日2015年12月18日
企画紺野アスタ、Yowシナリオ紺野アスタ、高嶋栄二
原画八島タカヒロ、基井あゆむ、田口まこと(SD)音楽TWOFIVE
ディレクションYow評価B+(S~E)

老舗ブランドPULLTOPの……何作目でしょう? とりあえず、2015年の最新作『見上げてごらん、夜空の星を』。2012年萌えゲーアワードでGOLD大賞をとった『この大空に、翼をひろげて』(略称『ころげて』)のスタッフが集まるということで、結構な期待があったと思います。と言っても、私は『ころげて』をプレイしていないのでなんとも言えないのですが(苦笑)。『見上げてごらん、夜空の星を』も萌えゲーアワードで、2015年12月の月間賞を獲得していますね。そして、結局私がプレイしてどうだったのかといえば、上の表の評価欄の通りでB+といったところです。ここ最近毎回のように言っていることなのですが、面白いか面白く無いかで言えば間違いなく面白い方にはいるけれど、自分の中で「これだ!」と言った刺さる感じがなかったというのが残念でした。毎回のように言っているということで、ちょっと自分の方が問題を抱えているんじゃないかと感じ辛いものがあります……。

ファンディスクの制作も決まっていますね。とりあえず、そちらについては情報待ちということで。比較的発売後すぐにファンディスク制作が発表されましたが、本作の内容がファンディスクありきのものだったというわけではないので、そこは安心していいと思います。もちろん「魅力的なサブキャラが攻略出来ないじゃないか!」という文句は毎回のようにどこかしらで上がるものなのでスルーして、ですが。

この感想記事は、ゲームプレイ後のアンケートでPULLTOP宛に送った感想を基礎としてブログ用に編集しなおしたものになります。感想を書くつもりがなかったのですが、公式へ送るアンケートを書いていたら、結局いろいろ書いてしまったのでブログなどにも上げる事にしました。ちなみに、詳細感想より上の部分(ここ)は今回新しく書いたものです。


毎回書いている「このゲームをオススメする人」ですが、普段ならば「体験版をやって気に入った人は是非製品を」というようなことを言っているのですが、この作品は体験版とその後では少しやっていることが違うと私は感じるので、ちょっといつも通りには行きません。テキストや雰囲気については体験版とそれ以降でそう変わるわけがないので、合うか合わないかについては十分体験版でわかります。あえてオススメをするような人を言うならば、星空に関心がある人、でしょうか。天文に詳しい人ではないですよ。そのジャンルにいたことがある人は、自分の経験と照らしあわせて変に突っ込みたくなる場合がとてもとてもよくありますからね(本作がそうだと言いたいわけではありません。そもそも私に天文の知識がないため、突っ込むことが出来ません)。自分はこの作品をやった後、以前よりも意識して夜空を眺める事が増えた気がします。それと他には幼なじみの物語が好きな人とかですね。これは体験版をやればわかります。


それでは以下詳細感想となります。私が書いた体験版の方の感想はこちらから。 このエントリーをはてなブックマークに追加



細感想ということで、まず上で書いた「体験版とそれ以降でやっていることが違う」という点について。体験版範囲では、主人公とヒロインたちの現代と過去を織り交ぜつつ、6つの天文部の集まりである『むつらぼしの会』の復活、自作望遠鏡の制作からの観測会での主人公のトラウマの払拭という盛りだくさんな内容でした。ここまでだと、部活モノ+青春モノという感じが強く、観測会はやり遂げた感もあり、非常に私の好みでした。体験版以降、ひかりルートで挿入歌がかかるほど盛り上がるシーンは幼なじみ三人の『人間関係』についての部分です。幼なじみである、ひかりと沙夜ルートは人間関係をメインに扱っています。1番の盛り上がりに部活モノ、天体モノとしての部分が微妙に含まれていません。これが自分の中で体験版で期待した方向とは違う方向へと言ってしまったという感覚につながっているのだと考えています。初回限定盤特典である冊子に掲載されたインタビューやBugBugのインタビューなど製作者の言葉を読んでみても、作品に星が物語の主軸として登場しつつも、実際には人間関係を強く描いている物語という印象があります。そのため、製作者がやろうとしていることと、製品がやっていることは一致しているのですが、それを自分は望んでいなかったという不一致です。そういったこともあり、恋愛要素を除いてみた場合、共通ルート(体験版)が1番好きです。そんなこともあって、体験版とそれ以降はちょっと違っていると思ってます。ただ、他の青春系のモノを考えてみても、その部活動や打ち込むものの他にテーマがあるというのは良くある話です。『見上げて』の場合、天文の方でうまく強い印象を残せなかったことで、人間関係の方が強調されてしまいバランスが取れていないんじゃないかとも思います。





ょっとマイナスなことを言うと、全体的に盛り上がりに共感を得にくいシナリオだったように思います。例をあげると、ひかりルートにおけるラストが「夜空にきらめく満天の星々と流れ星」。その場面に至るまでに何度も星空自体は見ていますし、あのシーンだけ星が多かったのかもしれませんが、自分は際立った他との違いは感じられませんでした。わかりやすく言い換えると、一番の盛り上がりで使い回しの1枚絵を見せられてしまったような気分でした。他の天体観測パートでは、冬のアルビレオや土星、月、プレアデス星団など、特定の星々を見る機会が多かったと思います。自分はそんな特定の星を見た時のほうが感動していたような気がします。知らないもの、見たことがないものを見ることが出来た感動ですね。
他にもシナリオの不満点に突っ込むならば、子供時代の三人が自転車に三人乗りしているシーンの一枚絵が欲しかったり、沙夜との結ばれてからのイチャイチャを多めにしてほしかったり、ころなのシナリオは悪くないけれど地味過ぎたり、バイノーラル録音が自分には合わなかったり(合わない理由は体験版感想で詳しく触れています)、いろいろ「もっとこうしてくれれば……!」という部分はあります。そこら辺については公式に送った感想に詳しく書いたので、何か参考にしてくれればなーと思いつつ、たかが一ユーザーの感覚ですから。自分に向けてだけ作ってくれるわけがないわけで、他の人が何を思ったかも重要ですからね。ちなみに、一番盛り上がるのはひかりルートですが、完成度が1番高いのは織姫さんルートなんじゃないかと思います。





の作品でいい意味で気になったのが、カメラワークです。他の作品とどう違うのかという説明は省くのですが、一枚絵でも立ち絵でもいくつかの絵をゆっくり動かしながらフェードで重ねていくOPなどでもよく見られるカメラワーク。ただ絵を表示するだけではない、立ち絵を台詞に合わせて動かす以外にも演出の方法や幅はいろいろあるんだと思わされました。キャラクターの目だけ見せない構図とか多用していましたけど、あれは使える演出ですよね。見せないことで考える余地を残し、補完させる。

ろいろマイナスなことも言っていますが、プレイしていて何度も笑いましたし、ヒロインとのイチャイチャでニヤニヤすることも何度もありました。ひかりは非常に好みの性格をしていて、ダイジェストトレーラーのラストにも出てきた「バカぁあああああ、本当は好きなのにぃいいいいいいいい」という心からの叫びは展開的にも大好きです。最高としか言えない(わざわざリンクを貼りますw)。そしてそもそも、ひかりみたいなキャラクター大好きです。事実、ひかりが登場してから時分の中では面白さがグッと上がっています。沙夜はあざといと思いつつ可愛いと思ってしまいますし、織姫さんはルートに入ってみれば非常に可愛らしい人で、あそこまでニヤニヤしながらプレイできるとは思いませんでした(+エロい)。ころなは、あくまで横で微笑ましく成長を眺めていたいキャラですね。そしてやっぱり、みんな服装が可愛い。

ブキャラが関わる人間関係も捨てがたい作品でした。モロコーの先輩後輩描写や、1年という時を経てメンバーの変わったむつらぼしの会の変化。織姫さんルートの卒業生である織姫さんと在校生である吉岡さんとの会話は一枚絵を用意してまでよくやってくれたと思ったものです。ころなルートに限らず、ひなみんは存在感がありましたね(全くもって個人的なことですが、ひなみんのスカート長めだったのは俺得でした)。人間関係ではないですが、美晴先生は……良いキャラでしたね()。サブキャラの恋愛には肯定派ということもあり、陣野さんとタケの恋愛描写は非常にグッと来るものがありました。描写としてはあまり多くなくとも、ひかりルートにおいて付き合っているということを陣野さんが恥ずかしそうに言うシーンは大好きです。もっと描写があっても良かったとは思うのですが、これぐらいの方が妄想の余地もありつつ良いのかもしれないかとも思い、こう思わせてる時点である意味勝ちな気がします。
青春モノでは1つの定番でもある障害としての『大人』の存在も森田さんが上手く担っていたと思います。若さとは、武器であり脆さでもある。それをちゃんと意識させてくれる『大人』の存在、そして甘いところは甘いと指摘してくれる『大人』。大切な人でした。森田さんと言えば、なぜか私が泣いてしまったポイントがあるのですが、それは森田さんが三人の観測ノートを取り出して褒めてくれたというシーンでした。努力を認められるという嬉しさから涙がこぼれてしまったのでしょうね。相変わらずこういうのに弱いのが私です。



リア後に他の方の感想を読み漁っていましたが、人間関係を描いていた『見上げてごらん、夜空の星を』に対して『この大空に、翼をひろげて』では部活動自体を掘り下げていくようなので、もしかしたらこちらのほうが自分にあっているのかもしれません。『見上げてごらん、夜空の星を』ではシナリオには何度か違和感を感じつつも、テキストは非常に楽しく読め雰囲気もとてもよかったので機会を見て『ころげて』もプレイしたいと思います。
この感想を書きつつ物語を思い返しても、2015年の作品では上位に来るいい作品でした。体験版をプレイして以降、夜中に空を見上げる機会が増えたと感じています。今度現実で流星群が現れた時に、作中のアレが現実に少し影響を与えるかもですね。問題は軽いネタバレというところですが……(苦笑)。


それでは文字を連ねるのはここまでにして、星々を巡る銀河旅行へと参りましょう――『見上げてごらん、夜空の星を』――

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2015-10-28(Wed)

『見上げてごらん、夜空の星を』体験版感想~宙の光を瞳に旅して~ #夜空の星を

見上げてごらん、夜空の星を 2015.12.18 First light!
メーカーPULLTOP発売日2015年12月18日(予定)
企画紺野アスタ、Yowシナリオ紺野アスタ、高嶋栄二
原画八島タカヒロ、基井あゆむ、田口まこと(SD)音楽TWOFIVE
分は第一印象を作品そのもので味わいたいという欲望があるため、体験版が出るまではあまり情報収集をしません。本来ならば、通常体験版より先に公開されるオープニングムービーなども作品の中で初めて見たいと思っているタイプです。この作品も簡単な情報は得ていましたが、そのような情報を頭に浮かべないように多少意識しつつプレイしました。実際、シナリオライターがどなただったのかを思い出したのは体験版の中盤です。
前置きはこれぐらいです。一応の注意ですが、事前情報は入れたくないという方はお帰り下さい。 このエントリーをはてなブックマークに追加



PULLTOPが12月に出す最新作『見上げてごらん、夜空の星を』。体験版をプレイした率直な感想は、気持ちがよい面白さを持った作品というものでした。ここ最近いろいろなモチベーションがなくなっていたため気分転換も兼ねて体験版にちょろっと手を出しました。最初のうちはちょっと苦手なタイプのお話という印象でしたが、ひかりが登場してからは他にやるべきことがあるのを無視して2GB以上もある体験版を一気に終わりまでプレイし、今まさにこのような感想を書いている最中です。体験版の内容に触れずに簡潔に表すならば、ライトノベルの1巻+αといったところ。シナリオの長さを考えてもそれぐらいでしょう。ある程度物語に区切りが付くまで体験版に収められているため、これだけでもかなり楽しむことができます。

この作品をジャンル分けするならば青春恋愛天体観測ADVでしょうか? 公式では青春群像劇を謳っています。青春とは何かという言葉の定義への疑問もありますが、自分の中では「若さというエネルギーを持ち、目指す夢へ向かっていく」と言った要素を重要視します。もちろんその道筋の中で立ち止まることがあり、障害があり、それでも自分の力で、仲間の助けで前へと向かっていくという、そんな青春。学園生活という日常の中での恋愛も世間一般で言われる青春だとは思うのですが、自分が好きな青春物語とはちょっと違っているのでスルーします。ということで、まさにこの作品は自分が好きな青春物語なわけです! もちろん好みのジャンルであっても、その作品が好きかどうかとは別問題です。物語にハマっていけるか、キャラクターが好きかどうか、引き込まれる音楽かどうか。当然いいものであったからこそ、感想記事を書いているわけです。公式がレビューを募集していたということが1番のきっかけではありますが。

験版の範囲のお話は、子供時代と現在が交錯する構成のもと、体験版以降に広がる展開を感じさせつつ終わります。両親の死と繋がりの消失に囚われた主人公。そこから解放するヒロイン。望遠鏡を覗いた先にあった美しい世界。仲間とともに過ごす、夜空に輝く宝石たちを閉じ込めたかのような、輝きに満ちた日々。そして……喪失。心が震えることのない、静けさに満ちた時間。同じ宙を見上げる喜びを知っている者からの誘い。ヒロインとの思いがけぬ再会。終わりにするための望遠鏡制作。気がつけば周りにいた仲間たち。手の届かない美しい世界に怯えるだけの日々は終わり、過去と現在が繋がり、輝きの夜空が待つ未来へと目を向ける。
かなり大雑把かつ抽象的ですが、こんな内容でした。



きなキャラクターはメインヒロインの中では、箒星ひかりと天ノ川沙夜の二人。体験版の範囲では、幼い頃から同じ時間を過ごしてきた二人との関係の変化がメインの一要素となっているので、メインヒロインの中でも自然と出番が多くなっていましたからね。エネルギーに満ち溢れ、主人公に宙を見せたひかり。そんな元気な突き進む一面だけではないということが微かに示されているため、弱さを見せた時のギャップが気になります。また、『銀河鉄道の夜』の物語から天体に興味を持ったという面からも妄想できる部分があるんじゃないかと。そして、「別の世界がそこにあるように感じて、行ってみたいと思った」(要約)というセリフ。『銀河鉄道の夜』にはカンパネルラの死という要素もあるため、ひかりに対して「少し遠く感じた」という文が気になってきます。ただ同時に、遠く距離があろうとも望遠鏡という鍵があれば二人は繋がることができるという意味にも取れそうです。もうここら辺は妄想全開なため読み流して下さい(笑)

沙夜は単純に可愛いのですが、ひかりがいることで光っていると感じた点は忘れないでおきたい。それと、声優の雪菜めぐりさんの声がいいですね。可愛らしく、保護欲を掻き立てるような演技をされ、あざとい……あざといと感じつつも、キャラクターの魅力に貢献しています。このタイプの声を何度か聞いてますが、ファンになりかけている自分にようやく気が付きました。ファンといえば、自分はメインヒロインの一人である日下部ころなを演じる小鳥居夕花さんの声が大好きなのです。が、残念なことに体験版の範囲では、ころなは出番も少なく魅力をアピールすることができずに終わってしまいました。物語の本番ではどのようなポジションを担うのか楽しみにしています。
メインヒロインを除くと、美晴先生が良キャラ、良ポジション。過去編では思いやりのあるいい先生しているのに、現在では……ニート。立ち絵の違いに、どうしてこうなったのかと涙します。全身立ち絵を見てみれば、現在の服装の下はジャージですからね……。本編中でニート脱出出来ることを願います……。

普段はあまり言わない感想なのですが、女性陣の服装が(現在の先生を除いて)とても可愛いですね。子供時代と現代、舞台が冬ということで上着ありなし、帽子ありなしの違いもあり、華やかさが漂ってきます。厚着をするヒロインというのは好きな要素なので嬉しい部分。



験版で見ることができたプレビュームービーとオープニングムービー。霜月はるかさんが歌う『Star map』とRitaさんが歌う『Winter Diamond』、どちらもいい曲です。余談ですが『Winter Diamond』は金色のガッシュベル!!OPの『カサブタ』感があって好きです(伝わるでしょうか?)。予約特典でこの二曲のフルとBGMが聞けるサントラがついてくるとのことで、すぐ聞けるのはありがたい。ただ、オープニングムービーについてはサビ前にずっこけ感があるのが物凄く気になります……気になります……。


て、体験版以降の物語は何を見せてくれるのでしょう。ひかりとの再びの別れ、沙夜の恋心を知ってしまったことによる関係の変化、天体の魅力を伝えるむつらぼしの会の今後、気になる点は多くあります。けれど、「これが目的」というはっきりとしたものがないという点は気にかかります。青春部活ものの定番としては、大会での優勝、ロケットの打ち上げ、ステージに立つ、目標としていたものに近づくシーン。そういった「ここが最高の盛り上がり」という感動を作りにくそうな題材な気がします。レンズの先にある世界を覗く瞬間は震えますが、これからも何度か出てくるであろうシーンのため、差別化させていなかないと厳しい部分もあるのではないかと。他と差別化する方法としては挿入歌によるドーピングが簡単なトコロ(実際体験版でありましたから)。目的というものがあるとしたら、主人公たち三人が昔見たという普段とは違った満天の星空が鍵でしょうか。星の魅力を伝えていく、むつらぼしの会の目的をテーマにするならば、それは一学年舌であるころなのシナリオになりそうです。
他、天体観測というものについて、自身の努力というものの影響が小さいこともポイントでしょう。体験版範疇では人間関係、そして望遠鏡の製作という天体観測に至るまでの二点を努力によって解決しました。しかし、ただ天体観測をするという目的だと一番影響を受けるであろう部分は環境のため、ここらへんシナリオライターの実力が問われそうです。
こんな不安なこと書いていますけど、体験版を楽しんで最後までやった人ならば「心配いらない」と言えるレベルの面白さはありますよね(ハードル上げ)。

また、ちょっとひっかかった点として、ひかりがむつらぼしの会のことを「居場所」と表現し、今ここに居場所があったことを喜ぶという展開がありました。これも深読みなのですが、主人公と仲違いをしてからのひかりには居場所と呼べるものが存在していなかった可能性があります。天ノ中での大人しい様子ということも、そこに繋がるのではないかと。まあ、当然そこら辺全部個別ルートにならないと突っ込んでいかないような話なので、主人公の問題に触れた共通だけではなんとも言えません。こんなことを書いていると、どうにも自分はひかりのことばかり目がいっていますね。


験版のシステムや演出関係で、星空の動きが速い、バイノーラル録音の部分をオフにしたいなど、私が持った違和感などは公式のアンケートに記入しておいたので、改善されていたらラッキー程度の気持ちでいます。自分はどうにもバイノーラル録音を美少女ゲームで使われるのは苦手です。バイノーラル録音された音声を聞いた経験があまりないため、違和感を持ちやすい部分は当然あるとは思います。しかし、自分なりになぜ苦手としているのかを考えてみたところ、作中の主人公が見ている風景とプレイヤーの自分が見ている風景にはズレが有るため、それが音によって表面化されてしまうからではないかという結論へと至りました。わかりやすい例を挙げると、このシーン。主人公には左からヒロインの声が聴こえるため、ヘッドホン(私はヘッドホン派)からは当然左から声が聞こえてきます。けれど、プレイヤーの視点ではヒロインは右にいるのです。この違和感がどうしても消えない。他にも立ち絵の大きさに変化がないのに、声だけを聞くと主人公との距離が離れてる描写があるなど、違和感をあげればきりがありません。
それと、ちょっと気になったのですが、OPムービーなどで、たまに日周運動(リンク先Wikipedia)が時計回りの時があるのですが、これはただのミスなのか、現在から過去へという意味なのか、はたまた南半球フラグなのか……実際ひかりが南半球に行くという事は作中で示されているので、本当に南半球フラグ???



像より長めの感想になってしまいましたが、結局のところ体験版の時点でかなり面白く、製品版にも期待していますということです。夜に外を歩く時には、つい頭上を眺め、物語をキャラクターを、つい思い出してしまう、そんな作品になってもらえればと思います。
ここより下には気に入ったシーンのキャプチャ画像と一言コメントを載せています。普段は作品のキャプチャ画像を掲載したりしないのですが、公式がOKと言っていますし、たまにはしてみようということで。と言いつつ、画像の上手い使い方がわからないので、こんな風に最後におまけとして使っています(笑)



見上げてごらん、夜空の星を1
文字色ひかりというキャラクターがよく現れている一枚。このポーズで、この流れで、この台詞。とてもいい性格してますよ。

見上げてごらん、夜空の星を3
見上げてごらん、夜空の星を4
体験版で1番笑ったのはL○NEでコマ子さんに童貞についての相談をしていたことが発覚するシーンです。


見上げてごらん、夜空の星を2
ここからの展開が男の夢というか、妄想というか、要するに良さ……。

見上げてごらん、夜空の星を5
見上げてごらん、夜空の星を6
冬の寒空の下、身体を寄せあいながら星空を見上げるというシチュエーションはいいものがあります。


見上げてごらん、夜空の星を7
見上げてごらん、夜空の星を8
そして、今も昔も変わらず、届かない宙を眺めるだけでなく、手を伸ばし続ける"ひかり"。

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2015-01-02(Fri)

『ひこうき雲の向こう側』感想 空に流れる一筋の


メーカーFLAT発売日2014年3月28日
ジャンルドタバタ学園ラブコメディープロデューサー寺月恭一
シナリオさかき傘音楽Wiredscape
原画プリンプリン評価A(S~E)

FLATの第……何作目? ということは置いておいて、どうしても血みどろな印象のあるFLATが出したどこまでも普通の学園モノ。そのどこまでも普通というのがキモでもあるのですがね(闇笑)。学園モノということで、血がダバダバ-っと出ている絵などはありませんので、そこら辺は安心(?)していいかと思います。

まずはこの作品の感想を一言で、とても素敵な物語でした。他の方も言っていましたが、プレイ後には「恋がしたくなる」ような作品です。基本「恋なんて」みたいな斜に構えている自分も、いろいろ考えてしまいました。今までに読んだことのある、見たことのある、プレイしたことのある作品の恋愛を思い返し、「恋ってなんだろう」「自分は恋をしたことがあるのかな?」などなど。いい意味で作品に対して白旗をあげざるを得ません。個人的趣味趣向の話をすれば、少々ダークな作風が好きなため、この作品にもそれを期待していた部分はあるのですが、そちらにはあまり行ってくれませんでした。けれど、この作品はそういう作品です。それで正解です。この意味はプレイすればわかってくれるかと思います。

体験版をやって下さい。体験版はOPまでなのですが、このOPが流れるタイミングというのが逸脱です。OPは基本的には話の区切りに使われることが多いですが、この作品ではその一段上を行っています。『ひこうき雲の向こう側』という物語がなんであるのかが判明し、その物語が始まった瞬間にOPが流れます。この気持ちよさをわかってもらえたのならば、製品に手を出してしまうでしょう。ただ、購入してインストールしたら、パッチ当ててくださいw

上のバナーのキャラ、美汐瑛莉はラスト攻略推奨です。


ひこうき雲の向こう側ひこうき雲の向こう側
(2014/03/28)
Windows

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これ以降は詳細感想になります。蛇足ですw このエントリーをはてなブックマークに追加




頭がいいくせに鈍感で――
誰よりも恋に興味があるのに恋が苦手で――
恋に恋し、恋に愛し、恋に呪われてしまった女の子――
恋愛に理想を持ってしまったおバカさん。

この物語はそんな恋愛音痴な美汐瑛莉の物語。始まりを告げるオープニングに偽りのない、そのままの、直球の、そして普通の作品でした。美汐瑛莉はどことなく自分と似ている部分が多かったこともあり、感情移入……というわけではないですが、いろいろと納得しつつ進められました。似てるというのは、決して頭がよく運動も芸術もなんでも出来て、コミュ力までもあるという部分ではないです。はい、悲しいことに……。

美汐瑛莉という女の子はただ他の人よりいろいろな事ができて、いろいろあって、歪になってしまった子。退屈な世界で、恋愛という最後の希望を探していると言うけれど、それは違う。頭がいいから自分を客観的に見すぎて、冷めてしまっているだけ。「恋」というものがわかっていなかったように、彼女は初めは「楽しい」という感情もよくわからなくなっていた。勉強でも、スポーツでも、結果は自身が決めるものでなく、数字や他人の評価で決まるものだった。だから、そこで錯覚してしまった。自らの価値観を外部においてしまった。



『ひこうき雲の向こう側』という作品における、美汐瑛莉という人物と対をなす存在として佐藤里沙がいます。ほとんどのシナリオで重要な役割を担う彼女は、瑛莉をして「特別な人」と言わせるものを持っています。瑛莉を他人の恋に悪戯をする悪魔とするならば、まるで佐藤さんは他人の恋を導く天使のように。

彼女はこの作品において、初めに明確に恋をし、その恋が実らないと宣言されてしまったキャラクターです(初めと言いがたい部分もありますが)。一番恋というものを知っている人であり、恋の先輩、先生という立場でしょう。傷つく覚悟をし、恋をし、失恋という結果にはなっても、恋する心は失っていない人。はたから見れば弱い人だけれど、どこまでも厳しい人。そして周りを見ることが出来る人。



ひこうき雲の向こう側 オリジナルサウンドトラック(音楽CD)ひこうき雲の向こう側 オリジナルサウンドトラック(音楽CD)
(1999/01/01)
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◇メタ発言について◇
最後の最後で出てきたメタ発言。自分がこれを見た時の感想は「やられた……」でした。上で書いたように、自分はこのゲームを通して恋に興味を持ってしまっていました。そして、あの発言ですよw

ただ、あんな発言をみたら想像したくなってしまうのが人でして……。メタ視点で作品を見渡してみると、いろいろな推論が生まれます。まず第一に、この作品における主人公≠プレイヤーということが明言されました。この作品で語られたことは、プレイヤーの恋の話ではないということです。瑛莉が作中でギャルゲーをプレイしていました。ゲームを終えてみれば、これ伏線ですね。彼女はゲームに理想の恋愛という希望を抱き、恋愛観測をしていました。プレイヤーは恋の理想を追い求めてエロゲー・ギャルゲーをプレイしているわけではないでしょうが、自分に合うものを探し続けているという点は一致します。

なんというか、Key作品を思い出します。自分が言ったことではないですが、Key作品は最終的に「現実に帰れ」というメッセージを発していると言う人が多かったと記憶しています(自分は特にそうは思っていませんが)。ひこうき雲では「帰れ」という命令形ではなく、「現実で恋愛をしてみたくなった?」と問いかけてきます。自分はまさしくその通りの気持ちを持ってしまったので、「やられた」と思い苦笑しつつ白旗をあげたわけです。そして、自分が知っている数人も同じ感想(恋をしてみたい)を抱いたようです。恋に怯えて足を止めてしまうのではなく、時間を進め変化を起こしてこその恋なんだと、まるで作品が作中の佐藤さんのように背中を押してくれます。


恋ってなんなんでしょう? 当然この疑問に対して明確な答えを出すことは出来ません。この作品でもその答えは出ません。誰も答えを知らず、誰もが正解を知りたいことだから。世の中にラブストーリが満ち溢れているのは、それも理由の一つでしょう。作中にある言葉から考えれば、恋というのは誰かを想うということ。そして愛は一方的ではなく相手を想うこと。だから恋愛はその二つが一致した時、自分と相手の気持ちが一致した時のことなんだと思います。

自分が今まで歩いてきた道のりではいくつもの心の動きがありました。いるだけで周りを明るくするような女の子に手を引っ張られたい、傷を抱えてそれでも笑おうとする女の子に寄り添ってあげたい、強くて弱い女の子をそばで支えて見守ってあげたい。そして、この子とセックスをしたい。そんないくつもの感情を抱いてきました。これは恋心なのか、その判別は今の私には出来ません。恋というものを経験したことがないからです……というと、おかしな話です。恋を経験したことがない、だから恋がわからない。それならば、今あげた例は全て恋ではありませんね。でも、現実の誰かを、現実の何かを、フィクション中の登場人物、フィクション中の物を「好きだ」と思ったことは何度だって幾度だってあります。恋というものがわからないという人でも、「好き」という感情はきっと誰しもが持ったことがあるはずです。
恋はいいものであるとは限らない。けれど、恋愛は素敵なものであると信じたいですよね。


◇総評◇
やはり、最初に言ったことと同じ「素敵な作品」という言葉を送りたいと思います。とてもゆったりとした時間とともに描かれる恋愛模様。それには音楽も一役かっていると思います。『止まない雨はないから』というBGMにはやられましたw

「夜に飛行機雲はできるのか?」という疑問が作中で提示されました。それについて調べた所、あまりはっきりとした文献は見つかりませんでした。ただ、気象条件によってはちゃんと出来るようです。昼よりも夜のほうが空を見上げる人が多いであろうにも関わらず、夜の飛行機雲の話題が少ないとは面白いものです。単純に夜空に浮かぶ雲は視認しにくいという理由があるはずですけれどね。

そんな簡単に変われないけれど、変わることができるのも人間。立ち止まって時間を止めなければ、きっと変わる。飛行機雲は雨を呼び、その先には光がある。だってそう、止まない雨はないのだから。

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2014-10-04(Sat)

『あの晴れわたる空より高く』感想~青の空より、秋の桜舞う宇宙へ~ #はれたか

青春ロケットADV『あの晴れわたる空より高く』
メーカーチュアブルソフト発売日2014年9月26日
ジャンル青春ロケットADVシナリオ範乃秋晴(メイン)、草壁よしお(サブ)
原画ちり(メイン)、まんごープリン(サブ)、オレンジゼリー(SD)ロケット機体デザインひびき、わぽ吉
音楽けんせい(BGM)、SHO(キセノンP)(OP)、Electro.muster(ED)評価A-(S~E)
チュアブルソフト10周年記念作品第一弾として製作された『あの晴れわたる空より高く』。ロケット制作を題材にした内容ですが、体験版記事で書いたように、このジャンルはチュアブルソフト代表・イシダさんの趣味です。趣味の内容ということは、それだけ気合が入るということです。ロケットの構造や、液体ロケットエンジンの構造の解説などが展開に関わり、EDテロップには技術考証で記載されてる人がいるあたり本気ですw


簡単な感想としては見所に友情・努力・勝利を掲げるだけのことはあり、熱い部活ものでした。個人的に発売前に期待していたような展開が盛り込まれていたので、やってよかったと思います。ただ、べた褒めというわけでもなく、ロケットのように打ち上がるところ(いい部分はすごくいい)はいいのですが、そこ以外の部分にパンチが足りないのが勿体ない感覚があります。そこら辺自分に合ってなかったという結論にするならば簡単なのですが、具体的にいろいろ言うとなると難しいです。というか言えません。


この作品はロケットに興味のある人にオススm……………………なわけ無いです。当然ですが、ロケットが好きな人なんて野球、サッカーが好きな人と比べたら微々たる存在のはずです。ロケットが好きな人はオススメせずとも勝手にやるものとして、そもそも「好き」ってなんでしょうか? 多くの人は「ロケットが好きになるほどの何かを持っていない」はずです。それはロケットがどういう仕組で宇宙を目指すのかであったり、打ち上げの時の迫力であったり。なので、ロケットが好きかどうかなんて関係ないんです。公式が一番上に掲げるように、青春部活ものであり、努力・友情・勝利という、男の子が好きな要素が詰まったものが好きだという人がプレイすればいいんです。ということで、まずは体験版からどうぞ。下ネタ満載(?)の会話や専門知識の解説など、このままの雰囲気で体験版後も続いていきます。そこら辺楽しめる人はずっと面白さが続くはずです。推奨攻略中とかは特にないので、ご自由にどうぞ。

見所としてロケットの絵の美しさをあげたいと思います。美少女ゲームの見所のロケットだからといって下ネタではありませんよw(作中でもネタにされますが) 体験版で登場するびゃっこⅠロケットもそうですが、メッチャかっこいい。特に最後の方に出てくるロケットのエンジン部分のかっこよさには惚れます。
専門用語や知識がボロボロ出てくる本作ですが、イラストによる丁寧な解説、用語集などから、理解はできなくとも、なんとなくはわかるので、知識が増えていく実感があります。ロケットの打ち上げ動画を見れば、「今こんなことが起きてるんだろうな」という事を想像してしまうぐらいには。


プレイし終わって改めて思うOPの良さ。雰囲気が上手く表現されたOPだと思います。


あの晴れわたる空より高くあの晴れわたる空より高く
(2014/09/26)
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全体ではいい作品だったという事が出来ますが、ちょこちょこ不満点が残り、その不満点が大切な部分なのでそこら辺についても書いていきます。

フォーセクションズという大会に向けて頑張っていくという展開の都合上、4人のヒロインの展開が似通ってしまっている点はもったいなかったと思います。壁があり、協力して乗り越えたかと思えば次の壁、一歩ずつ進んで優勝への道が見えてきたと思ったところに現れるヒロインの未来という問題。そして主人公はヒロインの未来を優先した選択をする。共通ルートで共通の目標をしっかりと掲げられたがゆえに見られる問題です。しかも、優勝後のインタビューなど、ところどころ展開が共通しているため、余計に似ていることを意識してしまいました。美少女ゲーム特有の難しさですね。

ここからは自分の妄想に過ぎませんが、ライターの人は青春を『終わるもの』として書いている気がします。より詳しく言えば、ロケット作りをする学生という青春(今)は終わる時が来る。けれど、ロケットにかける情熱は終わることがない、これからも続いていく。そのため、個別ルートでは「未来」でもロケット製作ができるだけの地盤を作る展開が差し込まれているのではないかと邪推してしまいます。


GWAVE「あの晴れわたる空より高く」サウンドトラック通常盤GWAVE「あの晴れわたる空より高く」サウンドトラック通常盤
(2014/09/26)
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やはりエレマスはよかったです。


どうしても納得できなかった展開が2つあり、1つは有佐ルートでのプレゼンです。確かに今までのビャッコを見てきたプレイヤーとして、有佐の言葉は胸を打つものがあり、有佐の思いは伝わりました。「宇宙開発の技術は宇宙開発だけのものではない。昔の人が今の人に送ってくれた豊かさを、また未来へと伝えていくため」という言葉を有佐自身の思い、有佐自身の言葉。けれど、理屈ではそうであっても、感情に訴えかけられても、それでも自分は「NO」と言います。ただの観客としてあの場にいたら間違いなく「何を言ってるんだ」以上の感情は得られないでしょう。観客からの「ビャッコ」コールが大きくなるほど、私の気持ちは冷めていきました。優勝の理由には十分納得できますが、そこに至るまでが納得できません。


LiftOff!
グランドシナリオ、面白かったのは面白かったのですが……悪い意味で荒く、振り返ってみれば不満が出てきました。これが納得できなかった展開の2つ目です。
個別ルートで未来へと繋がっていくもの、有佐ルートで受け継がれるもの(グランドでは『ながれぼし』という物)、EDのフルには「始まりは また次に受け継がれていく 続いていく」という歌詞まであるのに、次世代を担う存在になるかもしれない絆ちゃんが、足を引っ張っただけで終わってしまうのは、さすがにどうかと思います。ビャッコの次世代を担う者として、ほのかちゃんがいますが、ほのかちゃんが部長になる展開は個別で済ませているので、グランドでは絆ちゃんにスポットを当てるのが道理だと思うんです……。ここに関してははっきりと不満といいます。
ARC、宇宙研というロケットの打ち上げに夢を見た同じ志を持つものたち、AXIPという宇宙開発の未来を育んでいくものたち、青春、ロケットの打ち上げ、受け継がれるもの、そこに「死んでもロケットを打ち上げる」という有佐の思い。今までの全てを盛り込んでいたのは素晴らしく、これらを上手く話として昇華できていればよかったのですが……絆ちゃんだけが本当に残念です。

ただグランドルートはつまらないというわけではなく、自分のお気に入りシーンは、びゃっこロケットが解体される時に現れたARCと宇宙研の部分です。ARCの高乃酉は確かにいけ好かないやつですが、実力主義であり、無駄なことはしない人間という事が強調されてきました。その人物から認められ、共に歩むというシーンが嫌いじゃないわけがないです。そして、高乃酉のロケット開発への情熱。ほのかルートでもそうでしたが、やはり自分は高乃酉が好きなキャラのようです。ARC(高乃酉)の無駄を削ぎ落とすという考えは決して間違っているわけではないはずです。考え方からビャッコと対立しますが、本編でも言われるように理屈では間違っているのはビャッコです。そんなビャッコに負けること(失敗)により、高乃酉も学ぶことができたからこそ、グランドルートでのARC部員への言葉に繋がったはずです。あの悔しさのこもった言葉が作品中で一番好きなシーンでした。無駄を削ぎ落とすことは間違っていなくとも、完全なる無駄なのか、燃える可能性がある無駄なのか、競い合うライバルとして高乃酉もちゃんと成長したのが素晴らしい。ロケット打ち上げはビャッコだけでは出来ない。ARCだけでも、宇宙研だけでも出来ない。今までの展開で対立、助け合いなど、皆が成長したからこそグランドルートがあったというのは素敵です。
他に全体では、オヤジとの和解シーンでは涙し、エマストに対応するビャッコの面々では手に熱を感じ、ほのかルート告白では酷ェと笑い、マックスファイブに敗れた悔しさには共感しました。


◇まとめ◇
ロケット打ち上げという他ではなかなか見られないものを題材にした青春部活動物。この作品での青春はまさにロケット製作をすることが大部分を占めていました。失敗し、失敗し、原因を探し、協力し、想定外のトラブルにあいながらも、ロケットという青春に打ち込む人間たちの物語。ロケットについて全く知識がない主人公が勉強し、ロケットについて知っていくように、プレイヤーも知識を得ていく。空模様のように快調な晴天の時もあれば、上手くいかない曇り空、挫折に打ちひしがれる雨、そんなものを乗り越え、空よりも高い宇宙へと思いを届けるゲームです。

無駄を廃し、ロケットを愛し、時には失敗し、周囲の理解を得て、幾人もの思いという燃料が詰まり、情熱という点火剤を持って打ち上げられる大質量。100の挫折の先にある、1000の情熱を燃やした先にある輝くコスモスへと、「青春ロケット!GO!」

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2014-09-03(Wed)

『あの晴れわたる空より高く』体験版感想~思いを飛ばそう、このソラの彼方まで~ #はれたか

青春ロケットADV『あの晴れわたる空より高く』
メーカーチュアブルソフト発売日2014年9月26日(予定)
ジャンル青春ロケットADVシナリオ範乃秋晴(メイン)、草壁よしお(サブ)
原画ちり(メイン)、まんごープリン(サブ)、オレンジゼリー(SD)ロケット機体デザインひびき、わぽ吉
製品版感想はこちらから

自分の発言がきっかけで(?)、バナーを作成して頂けたようなので体験版の感想記事書きます。ただ、あくまでもそれは書く「きっかけ」に過ぎず、単純に面白かったから書いてます。

それでは感想~のはずだったのですが……

あの晴れわたる空より高くあの晴れわたる空より高く
(2014/09/26)
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チュアブルソフト10周年記念作品第一弾としてリリースされる『あの晴れわたる空より高く』。作品情報が発表された当時は「また趣味全開なものを持ち出してきたなあ」なんてことを思っていました(チュアブルソフト代表のイシダさんはロケット好き?で有名)。趣味全開の作品というのは、その出来や自分に合うかどうかを置いておいて大好きです。だって夢があるじゃないですか! 他の人が熱く趣味について語っている姿とか、その眩しさに共感しませんか?

そしてそんな趣味全開で作ったんじゃないかと疑ってしまうような作品の内容としては、友情・努力・勝利の三拍子揃った青春部活ものという感じです。体験版に収録されている部分でもそれが伝わってくるので、いい意味でわかりやすい作品ですね。気持ちのいいバカ主人公。「いまさらかよ!」と言われそうですが、最近になって自分が青春部活もの好きだということに気がついたこともあり、体験版終了後すぐに秋葉原で予約してきましたw

ロケットを制作し、打ち上げるということで、当然専門的な内容が関わってきます。2012年にヒットした『月に寄りそう乙女の作法』では服飾という世界のお話でしたが、ある程度の解説はあるものの、専門的なことにはあまり突っ込みませんでした。自分の中で最高のエロゲである『DEARDROPS』ではバンドものということで、練習や作曲風景が描写されましたが、演奏の技術などには触れずに精神論で話を展開させていきました。おそらくこの世の中の多くの作品は専門知識を前へ押し出すものではないはずです。単純にその解説を、わかりやすくかつ楽しく伝えることが難しいということが理由でしょう。しかし、この『はれたか』では専門的な言葉は当然として、制作技術なども絵を交えて解説されます。そしてさらに、専門的内容がストーリーの進行に関わってきます。ところで、多くの人がその存在は知ってはいても、詳しくは知らないことをテーマにすると、話の過程でプレイヤー知的欲求を満たせるという便利な点があります。この作品もその例に漏れないですが、非常に詳しく描写されるということで、これが吉と出るか、凶と出るか、プレイ後に私は何を思うのでしょうか。体験版をプレイした限りでは、理解は出来ずともなんとなくわかった気になれるという結構驚きなレベルです。ただまあ、製作側はプレイヤーを洗脳する気なんじゃないのか、とはやっていて思いましたw
ちなみに、自分の中の宇宙関係の知識としては『クドわふたー』からのものが殆どなのですが、たまにそこで覚えた知識が活かされることがあり体験版ではニヤニヤできる点がちょこちょこありました。クドわふたーは設定面が宇宙関係で埋め尽くされているので、そこら辺調べてみると面白いですよ。


(yo-yuさんのムービーだなー)

一箇所、体験版では不満だった点が有ります。それはロケットの打ち上げです。バンドものならばライブ、服飾ものならばショーなど、目標としてきたものが結果として現れるシーン。間違いなく物語における山場ですね(「最大の」とは言いません)。個人的にはここで、何も言えないほどの感動が味わいたいと思っています。体験版の範囲でどうだったかといえば……文章ではやりきった感触はあれど、絵、音、演出などからは伝わりきって来ませんでした。ただ、これはあくまで体験版の範囲です。作品最後の打ち上げに最高の力を入れてくれるのならばいいんじゃないでしょうか? ということで、期待です(ガンガンハードル上げてる気がしますね)。
「ロケットを飛ばす」ということを目標にするということは、同時に「なぜロケットを飛ばすのか」という点も存在することになります。一体キャラクターたちは何を夢見て、何を思ってロケットに夢を持ったのか。体験版ではロケットを打ち上げるという夢までしか描かれていないので、そこからさらに踏み込んだ各キャラクターの夢、答えも楽しみにしています。


GWAVE「あの晴れわたる空より高く」サウンドトラック通常盤GWAVE「あの晴れわたる空より高く」サウンドトラック通常盤
(2014/09/26)
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余談ですが、EDのElectro.muster曲も超楽しみなんじゃい! 当然こっちのサントラも購入ですw このエントリーをはてなブックマークに追加

by次は入力してね
小生は今年購入したエロゲは71本と、ごく平均的な一般人ですが、
『マスターアップのgo/nogo判断は、go』とか、事務連絡にまで専門用語を入れてくる作品愛が素晴らしい
判断は、で句読点を入れて一拍間を置くのもユーザーをやきもきさせる心憎い演出だ
主題歌も一見サイケな楽曲かと思いきや、さりげなく歌詞に人工衛星を入れ込む手の入れよう
これは、久しぶりに『大空翼』くん以来の青春ゲーが来ましたよ

Re: タイトルなし by宮人(みやと)
青春ゲーならば11月の『蒼の彼方のフォーリズム』もですね。あちらも期待しています。

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2014-02-09(Sun)

『穢翼のユースティア』感想~正しき道を歩む穢れを~

『穢翼のユースティア』は2011年4月28日発売予定です。
メーカーAUGUST発売日2011年4月28日
ジャンルADV企画オーガスト
シナリオ榊原拓、内田ヒロユキ、安西秀明音楽Active Planets
原画べっかんこう評価A+(S~E)

学園モノを基礎とした賑やかで楽しい雰囲気を持った作品を多くつくるオーガスト(個人的イメージ)制作のダークファンタジーである『穢翼のユースティア』。発表当時や発売当時のことは知りませんが、いろいろ騒がれたであろうことは想像に難くないです。オーガストとしても、美少女ゲームとしても挑戦的な作品でしたが、現在の反応を見ると高評価であり、概ね受け入れられていると感じます。非常に良い作品と感じているだけに、世間的評価を得られていることを嬉しく思います。


この『穢翼のユースティア』は私がプレイする初オーガスト作品になります。軽くこのゲームをプレイするに至った経緯を書きますと、オーガスト作品を全くプレイしていないのに行ったトラベリング・オーガストがきっかけです。トラベリング・オーガストが大変いいイベントで、オーガストの何かを制作することに対しての姿勢が気に入り作品へと手を出したわけです(通常は順番が逆ですが……)。そして、オーガスト作品の体験版をひと通りやって「ヤバイ」と感じたのが『穢翼のユースティア』です。ユースティアは以前から友人に強く勧められてはいたので「いつかやろう」とは思っていました。


プレイした率直な感想としては頭を抱えてしまうほどすごいゲームでした。製品を購入して約三日間でエンディング(ティア)まで到達するという異常な速さでクリアしたことからも、ゲームに没頭できたということがわかります。このゲームはフォークのように分岐して個別ルートに入るのではなく、一本の太いシナリオがあり、その途中で個別ルートという脇道があるタイプの構成でした。ラストはティア編(わかりやすくキャラ名+編という表記にします)なのですが、このシナリオで全てをひっくり返される感覚に陥りました。このティア編がなくても良いゲームだったとは思いますが、ティア編によってこのゲームは私の中に一生残り続ける作品の一つとなりました。「このゲームは何か?」と問われれば、私は「正しさに生きる、生者の物語」と答えます。
オーガストが次に制作した作品が『大図書館の羊飼い』なので、学園モノへと戻ってしまったわけですが、是非またこんな作品を作って欲しいですね。その時はしっかりと予約して発売日に買わせてもらいます。


ダークな雰囲気が好きという人にはぜひオススメしたい作品です。それとFate/ZERO好きな人ならこれも好きなんじゃないでしょうか?(戦闘描写や設定が好きだとかではいです)
体験版をやって面白いと思った人には購入しても、まず損はしないでしょう。ただし、終わった後に頭を抱えてうめいてしまうタイプのゲームだとは言っておきます。自分は久しぶりに頭を抱えて声にならない声を夜中に撒き散らしてしまいましたので。

穢翼のユースティア 通常版穢翼のユースティア 通常版
(2011/07/29)
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いつものごとく詳細感想は続きからです。今回は要素ごとの感想という形はとっていません。 このエントリーをはてなブックマークに追加



上でも書きましたが、構成は一本の真っ直ぐな太い道があり、そこから枝が別れているという形です。シュタゲや素晴らしき日々と同じ形です。この構成の利用がうまい。最後までシナリオを進めるということは、全ヒロインのことを深く知り、友人以上の関わりを持つということです。これは共通ルートからの個別では無理なこと。この効果は最後のティアシナリオで存分に発揮されました。


ティアシナリオまでは「100人の人がいれば100人の正しさがある。そしてその正しさを自ら選択するか、考えることをやめ人形として生きるか」大雑把に言えばそんな選択の物語になっている。それが最後のティアシナリオまできて反転する。「自らの正しさを持て」とヒロインをさとす側であった主人公が「お前の正しさはなんだ」と詰問される側になる。
ここの構造は見事としか言えない。牢獄に生きていた、牢獄のことしか知らない主人公が、自らの目的を果たす過程で多くを知ったことによって、上に立つものとしての考えに変わってしまったという反転構造と同じだ。


ティアシナリオではヒロイン同士が対立し、命のやりとりまでしてしまう。よく美少女ゲームという媒体でやったという思いと同時に、これは美少女ゲームでしかできないという思いが浮かぶ。当然だが争いなど見たくはない。それも見知ったヒロイン同士がだ。その展開へと至るまでのシナリオで、ヒロインと意見を戦わせ、ヒロインの心を知ったからこそあの場にいる皆の考えが理解できる。似通った理想を持っていても、その理想と現実には埋めることのできない溝があり、現実を理想に近づける手段もまたそれぞれ違う。
争いをもたらしたのは主人公自身と考えることもできるだろう。主人公の言葉や行動によって変化したヒロインたちは、主人公のおかげで見つけた自らの正しさに則り行動し、争う。主人公により変わってしまったから争う。多くの人が自らの考えを捨てて人の言いなりとして行動していれば、最後の争いは起こらなかっただろう。


愚直なまでに自らの正しさを貫いたのはルキウスだ。彼の持つ正しさは「ひとりでも多くの民を救うこと」。100人のためならば、躊躇いなく1人を殺す考え方だ。その行き過ぎとも言える考え方を実践する姿は悪のようにも見える。実際プレイ中あの行動に理解を示しつつも悪と思っていたプレイヤーは多いだろう。不条理の中、ルキウス自らの信じる正しさから選択したことすら裏切られる不条理には同情の気持ちを持つが、それによって最後の最後でカイムとルキウスの歩む道が同じになったのは、彼にとって救いになったとも考えられる。
これは私の想像だが、もしあの場にカイムが現れず、ティアによって都市を浮かせ続けることが出来たならば、あの後全ての責任を引き受け死を選ぶのではないだろうか? それはやはり彼の正義からだ。自らに憎しみを集めその憎しみとともに死ぬことにより犠牲を減らす。物語だからこそ描けるキャラクターだった。理想、理屈、感情、実利、幾つもの面から見た正しさがあり、現実に生きる人はその中から場面ごとに選択しているのだろう。

穢翼のユースティア-Original CharacterSong Series- EUSTIA穢翼のユースティア-Original CharacterSong Series- EUSTIA
(2011/11/25)
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カイムのアイデンティティを構成するものの中に『牢獄』という要素がある。自らが悲惨な幼少期を過ごしたという経験から、それが常識となり不遇な立場から他人を見ることが通常になっている。それは聖女と対峙した時も何かにつけて「牢獄では~」と言っていることからも明らかだ。だがそこで一つの事実を突きつけられる「なぜそんな悲惨な場所から逃げないのか」という問いだ。その問を受け牢獄から出て上層の人間となるのがリシアシナリオだ。だが、リシアシナリオでも立ち向かう相手は上の人間だった。ティアシナリオでは戦う相手が似た立場であるルキウス、ジークとなる。自らが悲惨な立場にいる、弱い立場にいるということを武器にしていたカイムはここで頼るべきものを失ってしまう。それぞれのヒロインのシナリオで気が付かないままにアイデンティティを破壊され、裸になってしまったカイムはティアシナリオで悩むことになる。合理的な考えを説いてきたからこそ、カイム自らは合理的でない選択をすることができない。
これもやはり反転構造だ。他のルートではのヒロインのアイデンティティが破壊され、そしてカイムの言葉によって別のアイデンティティを構築し、自らの力で立ち上がる。ティアシナリオではヒロインたちから言葉をもらい、最後にはカイム自身の力で立ち上がる。


『穢翼のユースティア』をやっていてなんとなく思い出した本があったので紹介しておく(図書館行けば間違いなく置いてあるはず)。と言っても長く小難しい話なので、この本の中でも出てくるトロッコ問題へのリンクを貼っておきます。5人を助け1人を殺すか、なにもしないかという有名な話。ただ、この話には続きがある。初めの質問には即答できても、その後に出てくる質問によって、自らの信ずる正義がどれだけの考えの上に立つものなのか認識することになるだろう。

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
(2011/11/25)
マイケル サンデル

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◇まとめ◇
テーマとしては多くの作品に用いられてる気がしますが、それをしっかりと描き切っているので評価が高いです。一人ひとりのキャラクターが自らの信ずるものを持ち、考え、行動し、結果を得ていく。基本的なことかもしれませんが、それが出来ているからこその面白さがこの作品にはあります。キャラクターが作品の中で生きているということですね。


話は外れて全くもって個人的な話になるのですが、昔ならばおまけシナリオやティア以外の個別ENDを「甘えだ」と言って非難していたでしょう。ただ、『素晴らしき日々』をプレイしたことで、救いを求めてしまう人の気持ちがわかりました。苦しい、悲しい現実が待っているとわかりつつも、幸せの可能性を求めてしまうことです。逆に、バッドエンドが欲しかったかなと、バッドエンド好きとして一言(こういうシナリオが読みたいというものは特にないので、それによってバランスが崩れるのならいらないですが)。

ちなみに、ティアシナリオがつまらなかったという人は『穢翼のユースティア』というゲームが合わなかったんだと思います。物語としてはティアシナリオがなければ完結せず、また意味のないものとなるでしょう。正義と悪の二元論、勧善懲悪の物語、そうではないものを描いたのが『穢翼のユースティア』なのですから。ティアシナリオという扱っているテーマは平凡なものを、名シナリオにまで昇華させるための前振りがティア以前だと考えています。

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2014-02-09(Sun)

『Clover Heart's』感想―交錯し、向かい合い、隣にあるそれは、クローバーのように

メーカーALcot発売日2003年11月28日
ジャンル対視点型恋愛コミュニケーションAVG企画・ディレクター河原巽
シナリオ宮蔵、大三元、板東えみし、船亀由真人、風撮麻理、まじか、成瀬尚登音楽Manack、まにょっ、葉月わたる、Rembrandz Sound Team
原画仁村 有志評価C(S~E)

ALcotライブをきっかけにプレイをしてみました。本当ならばライブ前にプレイできればよかったんですけど、結局こんなよくわからない時期にプレイすることになってしまいました。感想は批評空間の方に簡単に書く予定だったのですが、想像より突っ込んだ感想を書いてしまったので、ブログにも掲載しておきます。

10周年を迎えたALcotの第一作『Clover Heart’s』。さすがに10年以上昔のゲームなので、今プレイすると古さを感じる部分はいたるところにあります(マウスホイールで読み進められないとか)。一つの章(チャプター)が終わるごとの演出であったり、OPが複数回流れる仕込みであったり、あまり見ない演出があるのはALcotというブランドが持つものなのか、昔に出たからなのかは現在の自分にはわかりません。

物語のあらすじ等は公式を見てもらうとして、白兎と玲亜という二人のカップルがツボでした。以前から言っていますが、基本的に元気っ娘が好きなのですw シナリオについても、変化していく二人の関係をよく描けていた良作でした。三角関係というか、人の心の移ろいについて納得の行くシナリオ運びであったというのは評価している点でも有ります。

現在ならば安くてに入るので、気が向いたらやってみるという感じでいいと思います。体験版をやればわかりますが、賑やかで楽しいというタイプの物語とは違います。かといって、やっていて辛いタイプというわけでもないので、あくまでも気軽にどうぞ。抜きゲーというわけではないですが、「エロい」と思う箇所が体感的に多かったです(意味深)。2014年に『Clover Day's』が発売しますが、まだ体験版など出ていないので、そちらとの関係についてはなんとも言えない状況ですね。

詳細感想は続きから。批評空間に書いたものの転載になるので、上で書いたことと同じことを少し書いてるのは許してくださいm(_ _)m

Clover Heart’sClover Heart’s
(2003/11/28)
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ALcotライブをきっかけにやってみようと思った作品。玲亜というキャラクターが非常にツボで、主人公と玲亜の関係が変わっていく流れ、恋人という仲になってからのエロにただれた生活、などなど非常に良い点にあふれていた。間違いなく"エロ"ゲをしていた作品であった。エッチシーンとして描かれる場面は7であるが、作中でエッチをしているという描写はそれよりも多い。個人的にこういうのは好みである。シーンとして用意をしなくても、エッチをしたという描写だけである程度の興奮は得られ、妄想力で補完して楽しむことができる。それはピロートークの興奮と似ているような気がしないでもない。こういうエロゲが増えてほしいと願うのは罪だろうか?w

とても評価したい部分が二つある。一つ目はプロローグにおける選択肢だ。ほぼ何の情報も与えられていない状態で選択する3つのこと。これにより主人公二人のうち、どちらのルートに入るのかが選択される。選択肢が出ている時点でプレイヤーが選んでいることは確かなのだが、「プレイヤーが気が付かないうちに選ばされている」ということを言っておきたい。その選択肢により起こる未来・結末を想像し、考え、選択するのではなく、その時の気まぐれと言ってもいい選択により決定すること。選択肢の使い方として面白かった。

つ目はオープニングの使い方である。OPには5種類あり、一つは公式でWebに公開しているもの、そして玲亜編で二種類、莉織編で二種類だ。章毎にOPが入る形式はTVアニメーションのようであるが、このやり方だと物語が進んでいく毎に歌詞がプレイヤーの身体にすんなり入ってくるようになる。この作品ではそれだけでなく、3章からはOPの歌詞が2番になることで、OPがより作品へ寄りそう形となるのも注目すべき点だ。そして、最も注目しなければならないのはOP間で語られるヒロインの心情である。これが話が進むことで変化するのは、OPの歌詞が2番になることと同じだが、このゲームでヒロインの心情が表立って語られるのはOP、章のラストの日記の二つだ。OPで語られるのは願い、希望、そして日記で書かれるのは結末、事実だ。これにはどうしてもグッと来るものがある。

この感想を書くために全てのOPを見返していたが、玲亜編のOPラストのセリフは「恋してる……」から「あなたを溶かす、温もりになりたい……」なのだが、莉織編ではこれの逆で「温もりになりたい……」から「こんなにあなたに、恋してる……」へと変化している。これは主人公二人がどこに壁を作っているのかがよく分かる変化だ。白兎は心の内に壁を持っており、恋の先に壁を壊すことが必要になる。そして夷月はわかりやすく周囲に壁を作り、その壁を超えた先に恋があった。この主人公を端的に表す描写には気がついた時に惚れてしまった。

Clover Heart’s Complete TracksClover Heart’s Complete Tracks
(2004/03/05)
Windows XP

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ここから少々作品の構成について話してみると、物語が集束する地点があやふやだったという感覚がある。前提として過去の事件という原因により、二人の主人公の間には隔絶が存在している。普通のシナリオならば、この問題を解決することを終着地点、または一つの盛り上がりとして用意し、そこに至るまでを描くことになる。実際に白兎、玲亜シナリオでは、最後に主人公の抱える問題の解決というシナリオ運びになっている。

だが夷月、莉織の終着地点は莉織が抱える問題の解決である。もちろんこちらのシナリオでも主人公の問題に触れはするが、あくまで触れているだけという感覚が強い。シナリオ冒頭で莉織が抱える問題を描写し、こちら側のシナリオでは何を問題とするのかを提示しているため、シナリオの構成自体は間違っていない。だが腑に落ちない部分があるのも確かだ。そもそも一番初めのプロローグで家族の問題を取り上げているために、終着点を勘違いしやすい。

この問題は二人の視点が存在するため、片方で主人公側の問題を説明し、解決するルートを作ってしまったらもう片方で同じことができない(片方をプレイすることが、もう片方のネタバレとなる)ということに起因する。主人公が抱える問題をグランドルートとして描く場合があるが、今作でもその方法を使えばわかりやすくまとまったという気はする。また、原因については共通で説明し、解決方法を二通り用意するということもできるだろう。一番簡単な方法では攻略順序を固定させるというものだろうか?

もやもやする部分はあったが、名作と言う人がいるのも納得する作品であった。一箇所どうしても理解ができないシーン(図書室)はあるが、あれが次回作への伏線などだったら面白いなとか考えてしまった。特に気にせず流してしまっていいシーンだとは思っている。

―それでは、幸運の四つ葉探しへ

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